文 「あ、○○さ――とと、あれは……」

○○「うがーっ! また負けた。なんで勝てないんだ?」
椛 「○○さんは王将の守りが疎か過ぎるんです。それで約束、覚えていますよね?」
○○「負けた方が勝った方の言うことを一つだけ聞くってやつか? なるべくお金のかからないものにしてくれよ」
椛 「だいじょぶです。お金は一切かかりません。はい」
○○「ならいいや。なんでもどんとこいだ。で、お願いは?」
椛 「あの、その、膝枕を……」
○○「へ?」
椛 「あ、いや、なんでもないです。今のは聞かなかったことに――」
○○「別にいいぞ?」
椛 「い、いいんですか? その○○さんは射命丸様と……」
○○「文もいちいちそんなことで目くじらは立てないだろ? 椛は俺にとって妹みたいなものだ」
椛 「妹、ですか……」
○○「そういうことだ。ほれ、膝枕」
椛 「わふ……あったかい……」
文 「げふんげふん!」
○○「うおっ?! なんだ文か」
椛 「しゃしゃ射命丸様、これはえとその……」
文 「まったく、他の女の子とイチャついてる姿を彼女に見られたら普通は椛みたいにあわてるでしょうに」
○○「ははは、でも文は特別だろ?」
文 「はぁ……椛、別に怒ってません。それと大天狗様が椛を呼んでいましたよ」
椛 「は、はいぃ! それでは○○さん、膝枕ありがとうございました」
○○「おう、また将棋でもやろう」
文 「……」
○○「ん、どうした? 椛を呼びに来たんじゃなかったのか?」
文 「○○さん、私にも膝枕してくれませんか?」
○○「へ?」
文 「え、えっと、膝枕されてる椛の姿を見ていたら、なんか気持ち良さそうで、羨ましいというか」
○○「ん、そうだな。妹分にはやって、彼女にはやらないなんて不公平だよな」
文 「ま、○○さん、私はそういうつもりで言ったわけじゃ……」
○○「じゃあ、彼女特権で椛にはしなかった、キスも付けてやろう」
文 「○○さんっ!」
○○「ん? 嫌だったか?」
文 「……お願いします」