まずはじめに、この物語は相沢祐一君を主軸にしたCCOVの物語です。

そして、この物語は読者様の感想がある一定以上入ってきてから書きます。

それではごゆるりとお楽しみください……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖剣舞士〜ソードダンサー〜

第二話『燃える獅子と笑う羊』

 

 

 

 

 

SIDENEMU

 

 

 

パラパラと辺りにほこりが舞う。

 

兄さんは、秋子さんの放った天地を焼くほどの極炎(フレイムバースト)のおかげで姿が見えない。

 

――――あの極炎(フレイムバースト)の威力は、普通のものではありませんね。おそらく、なんらかのアレンジがあると考えてよさそう……

 

――――極炎(フレイムバースト)

 

炎系最強の魔術で、本来全ての混沌(カオス)言語(ワーズ)(とは、力ある言葉を唱えるときの呪文のこと)を唱えると、5小節にも及ぶ極大魔術です。

 

その効果範囲は絶大で、本来の範囲で放てば、東京ドームがまるまる消え去ります。

 

でも今回の極炎(フレイムバースト)範囲は狭いですが、威力は通常の数倍以上と考えていいでしょうね……連鎖効果を考えると――――普通の魔導師極炎(フレイムバースト)の30倍以上でしょうか。

 

中核に集めた温度は、摂氏12000度近くはいってるかもしれません、太陽の温度と同じくらいと考えていただければいいと思います。

 

――――それほどのものを、混沌(カオス)言語(ワーズ)抜きで使うとは……本当に、星持ちは実力が違いますね……

 

私が戦慄していると、ふと私の感覚器官に何かが引っかかりました。

 

気配を感じます――――これは、ランクで言えばAランクからAAの間くらいですか。

 

 

 

「相変わらず、秋子さんの臨界(リミット)(フレ)(イム)は凄いわね……

 

 

 

――――なるほど、アレンジではなくオリジナル呪文(スペル)ですか。

 

隣にいる、ウェーブのかかった紅の髪を持つ同い年くらいの少女はそう言いました。

 

大人びた雰囲気それに完全(フル)武装(アー)状態(マー)の姿から、この人は騎士か何かなのだろう。

 

 

 

「それで、私に何か用ですか?」

 

「あら、察しが良いのね」

 

 

 

大人びた笑みを浮かべる目の前の少女。

 

――――警報、目の前の相手からは静かな闘気が放たれている。

 

 

 

「穏やかな態度じゃありませんね」

 

「実はね、こうなった場合の時に……秋子さんに頼まれているのよ」

 

「私の実力を測る事、ですか?」

 

「御明察」

 

 

 

ふっと……彼女は背中に持っていた棍を手に取る。

 

クルクルクル…と、回転させながら彼女は構えた。

 

――――その構えには、ほとんど隙がない。

 

 

 

「……仕方がありませんね」

 

「あら、結構あっさり乗ってくれるのね」

 

 

 

私も、自分の手元に杖を召喚して魔力を込める。

 

――――杖――――神罰の杖が青白い光に包まれた。

 

これで、強度はよっぽどのことがない限り大丈夫ですね。

 

 

 

「あら、魔導師が接近戦?」

 

「――――どうでしょうね」

 

 

 

手の内を明かす気はない、そう言う意思表示です。

 

彼女もウェーブのかかった長い髪を風にユラユラと流れさせながら構えた。

 

刹那――――

 

 

 

ガァン!!!

 

 

 

二つの武器は引き寄せられるようにぶつかり合った。

 

けど、私も彼女もここで終わらせるつもりはない……!

 

 

 

ガァン!!ガッ!ガガガガガガッ!!!

 

 

 

連打連打連打――――!

 

互いに、武器を合わせて数十合……それも止まらない、否、止まれない!

 

 

 

「シッ!!」

 

「ハァッ!!」

 

 

 

ですが棒術の接近戦では、そこそこ、でしょうか。

 

 

 

ガァァァァァンッ!!!

 

 

 

一際大きな音が響き、私と彼女の間に距離ができます。

 

私の杖が、彼女を彼女の棍ごと弾きました。

 

 

 

「流石ね……」

 

「いえ、そちらも中々です。慣れて(・・・)ない(・・)武器(・・)にしては、ですが」

 

 

 

私の言葉に、彼女は少し驚く。

 

――――僅かにあった、距離を取る時の彼女の違和感。

 

アレは、彼女の本来の武器よりも射程が変化していたのでしょう、故に彼女の動きは本当に僅かですが、違和感がありました。

 

 

 

「……あなた、本当に魔導師?とてもじゃないけどそうは思えないんだけど?」

 

「私は、自分が魔導師なんて一言も言ってませんよ?」

 

「――――そうね、考えてみれば私の早とちりだったわ」

 

 

 

その言葉に、ようやっと彼女も気付いたようだ。

 

……あっ、そう言えば。

 

 

 

「今、気付いたんですが」

 

「何?」

 

「……私達、まだ互いに名乗ってませんね」

 

「…………あ」

 

 

 

彼女もようやくその事に気付いたらしい。

 

――――兄さんみたいなミスをするなんて、もしかして兄さんが移ったのでしょうか?

 

それは困ります、私が兄さんに似たら誰が兄さんを止めるんでしょうか……

 

それに、色々と困りますしね――――

 

そこまで、考えて思わず身震いする。兄さんに似た私なんてとてもじゃないけど想像できない。

 

 

 

「そういえばそうね、私は香里、美坂香里よ」

 

「私は、相沢音夢です」

 

「ここからは、本気で行かせてもらうわよ」

 

 

 

美坂香里さんが棍を捨てて、騎士団の証であるマジックアームから新たに武器が現れる。

 

アレは――――そんな、まさかっ!?

 

 

 

「聖遺物の――――ロンギヌス!?

 

「正しくはコピーだけど、ね。秋子さんが作ったから威力はお墨付きよ?」

 

 

 

そう笑いながら言う。

 

――――そうですよね、あの人が管理している(ロンギ)(ヌス)がここにあるわけがありません。

 

だって、ロンギヌスの槍はあの人の愛槍ですし。

 

 

 

「……それにしても、よく知っているわね。確か、これって教会が表に発表していないって話だから、知ってる人って偉い人か本物(オリジナル)の持ち主くらいなんだけど?」

 

「それは秘密です」

 

 

 

私は仁部もなく言った。

 

だって、あの人の武器を態々ばらす様な事は言えない。

 

 

 

「……ふ〜ん、まぁ良いわ。それじゃあ、続きを始めましょうか!!」

 

 

 

先程と同様、けれど明からに気迫は違うっ!

 

私は、天罰の杖を構えると美坂さんの攻撃に備えるために先程よりも強く魔力を込める!

 

 

 

「吼えろっ!!

 (ブレイ)(ズ・)(ランス)ッ!!!!」

 

 

 

刹那、槍――――(ブレイ)(ズ・)(ランス)がその名の如く炎を吹き上げました。

 

術者の魔力と合わせることによって、炎の特性を出すグングニルと同様の効果ですか!!

 

オリジナルには流石に及びませんし、あの槍の場合他の特性もあるので比べ物になりませんが――――市販されている、この天罰の杖では耐え切れそうにありませんね……

 

魔力を上乗せして、どこまでやれるか――――

 

 

 

「ッ!!」

 

「考え事は――――後にしたほうがいいんじゃないッ!!

 

 

 

ブワンッ!!!

 

 

 

噴出す炎に対して、私は慌てて防御結界を張る。

 

油断してました――――!こんな事では、お師匠様や兄さんに笑われてしまいます!

 

結界によって私は炎を防ぎ、私は覚悟を決める。

 

こんなところで負けたら、兄さんに怒られるだろうし……

 

 

 

「仕方がないですね」

 

 

 

――――少しだけ、本気を出しましょう。

 

私は、自身の魔力ではなく――――()()練ります(・・・・)

 

杖を消し、私は一刀の刀を出します。

 

サイズは野太刀のサイズです。

 

――――そう、私の本来のスタイルは刀、それも野太刀サイズの刀です。

 

 

 

「そう、それがあなたの本当のスタイル?」

 

「ええ、そうです。この子の名前は『無頼』です」

 

 

 

私は、『無頼』を構えて彼女を見据える。

 

――――そう、この感覚、刀を握ったときのこの張り詰めるような空気。

 

私の本来の戦闘スタイル。

 

 

 

「―――――」

 

 

 

明らかに変わった空気に、美坂さんは戦慄する。

 

 

 

「本当、冗談じゃないわ。何それ?」

 

「私、刀を持つと性格変わるんですよ――――って、言ったらどうします?」

 

 

 

最初の言葉に美坂さんは驚き、後者の言葉で僅かに脱力した。

 

それでも、槍を構えると美坂さんは口元を歪めて笑う。

 

 

 

「そうね――――望むところ、よ!」

 

 

 

そう、これからが本番――――

 

なぜなら、ここからが本当の戦いなのだから――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDEYUICHI

 

 

 

パラパラと埃が舞う。

 

――――辺りは先程の爆発のおかげで、何も見えなくなっている。

 

俺は、腕にある二振り(・・・)の小太刀を交差させて構えていた。

 

そして、交差させた小太刀を振るうと、煙は初めからなかったかのように消えた。

 

 

 

「それがあなたの本来のスタイルですね?」

 

「――――ええ、そうです。結構強引でしたね秋子さん」

 

「あらあら、少し強引に行くことも大切なんですよ?」

 

 

 

そう微笑みながら言ってくれる。

 

全くかなわない、本気で困った。

 

俺は、左手の獅子座()()剣と宝剣・麒麟を構える。

 

 

 

「ふふふ、ようやっと本気、ですね」

 

「秋子さんも」

 

 

 

俺の言葉に答えるように、秋子さんの杖の中枢、天地の宝石の部分は光り始めた。

 

俺も、それに対して構える!

 

 

 

「今度はこれです、行きますよ祐一さん!」

 

 

 

杖を構えると、十の魔力弾が生まれる。

 

これは――――誘導弾(ビットタイプ)魔法(マジック)か!!

 

しかも、一撃一撃が、さっきの極炎(フルバースト)ぽいのより少し下くらいか!!

 

だが、対処できないようなものでもない!!

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

体内に気をため、魔力を高めていく……!

 

この程度なら――――小手調べにしかならないッ!!

 

 

 

魔闘(まとう)鬼神流(きしんりゅう)旋風(つむじかぜ)

 

 

 

辺りに風の刃が発生する。

 

無数の魔力を纏った風は、秋子さんの放った魔力弾をことごとく切り裂いていく。

 

俺に向かってきた魔力弾は、一瞬で無効化された。

 

 

 

「どうですか、秋子さん?」

 

「ええ、中々です。ですが、技の切れがまだまだ、ですね」

 

 

思わず舌打ちしたくなる。

 

――――そう、その通りだ。

 

この技は、辺りの空気だけではなく広範囲の敵を一瞬で切り裂くだけの技だ。

 

距離がある程度あるとはいえ、俺の師匠なら秋子さんまで届かせているだろう。

 

 

 

「ですが、及第点です。それでは、次のステップですよ?」

 

 

 

微笑を浮かべながら、秋子さんはそう言った。

 

――――さて、次は何がくるやら。

 

俺は、剣を構えると突進の構えを取る。

 

次は、俺が攻める番だ。

 

 

 

「悪いですけど――――先に行かせて貰いますよ!!

 

 

 

ダンッ!!

 

 

 

地をけり、再度接近する。

 

だが、先程とは違いスピードは段違いだ。

 

――――そう、ここからが本番だ。俺達の試合の――――