まずはじめに、この物語は相沢祐一君を主軸にしたCCOVの物語です。

そして、この物語は読者様の感想がある一定以上入ってきてから書きます。

それではごゆるりとお楽しみください……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――力が欲しいか?

 

 

 

あの人が最初に投げかけた言葉はそれだった。

 

俺の師であり、兄である俺が知りうる限りで最強の男が。

 

 

 

――――お前は、そこにいる少女を守るための力が欲しいか?

 

 

 

俺は隣にいる少女に眼を向けた。

 

彼女は、俺の妹……あの時俺は、結局父さんと母さんになんとか逃がしてもらっただけで何も出来なかった……

 

なにも――――できなか…っ…た…

 

だからこそ求めた。

 

守る為の力を――――

 

運命というくだらない必然を砕く、何者にも負けない最強の力を!!

 

 

 

――――良いだろう、今日からお前は俺の弟子だ、俺の修行に死ぬ気で、生き残るために――――

 

 

 

――――大切なものを全て守りきる為に耐えて見せろ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖剣舞士〜ソードダンサー〜

第零話『天使の街に舞い降りる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白、白、白、白、白、白……

 

辺りに映るのは一面の白。

 

穢れなく、踏みにじられていない狂おしいほどにまでに純白な白が広がる。

 

俺と隣にいる少女は、その白を踏みしめながらある街を目指していた。

 

街の名前は白い(ホワイト)天使(エンジェ)(ルシ)(ティ)――――俺と隣にいる少女はその街に行きある人に合うのが目的だった――――

 

 

 

 

 

時代は西暦2000年――――世界に異常が起きたのは今から数えて400年も遡る。

 

400年前――――この国、日本とアメリカ合衆国、そしてヨーロッパの方で天門と魔門そして妖精界の門が開いた。

 

3つの門は、その名の通り魔界と天界そして妖精界につながっている門だったのだ。

 

3つの世界の者達はこちらの世界に雪崩れ込んだ。

 

――――悪魔・天使。魔族・神族・魔獣・魔人・妖精・精霊――――

 

ありとあらゆる存在が、この世界に雪崩れ込みありとあらゆる波紋を引き起こしたのだ。

 

それが、後に言われる第一次世界大戦と第二次世界大戦だ。

 

そして今――――この世界には、全ての世界の住人が当たり前のように住んでいる。

 

魔族・魔人・悪魔には実害がないのか?と、聞かれれば俺は首を縦に振るだろう。

 

結局、ここら辺の存在も俺達とは大して変わらないのだ。

 

人であろうと、魔族であろうとも神族であろうとも妖精であろうとも今は関係ないのだ――――

 

そして、ホワイト・エンジェル・シティはその中でも更に特異な場所である。

 

基本的に、街というところには三界の者が一つどころに集まることは少ない。

 

少し前にいたってはほぼ全てのところで一つの種族しか居なかったくらいだ。

 

今でこそ、そういうところも少なくなったがそれでもやはり一つのところに二種族が主で他の種族はいて数人が限度である。

 

だが、この街は昔から全ての種族が均等に住むのだ。

 

各種族がいる為に、混血も多くこの街はあらゆる面で住みやすい場所とも言える。

 

なにせ、この街には迫害が無い。

 

これは、聞いて驚いたのだがこの街において迫害は意味を成さない。

 

なぜならば、この街の人間はほぼ全ての種族が混血している人々も少なくない。

 

そして何より――――

 

 

 

「懐かしい、ですね、兄さん」

 

「ああ、そうだな……実に七年ぶりだなぁ」

 

 

 

ここにくるのは、実に七年ぶりだった。

 

この国において尊重されるのは、良くも悪くも実力主義なのだ。

 

だからと言って弱い者が虐げられているわけではない・

 

そんな事はここを統治するあの人が許さないだろう。

 

第一、   ここを収めている人は――――あの人なのだ、例え最上級ランカーが攻めてこようとも簡単には倒せないだろう。

 

いや、むしろやられる可能性のほうが高い。

 

なんせ、俺の師匠とタメを張れるくらいの強さなのだ、その程度のことはやってのけるだろう。

 

 

 

「ん?そこの君達」

 

 

 

俺と音夢が感慨に耽っている時、唐突に年配の守兵が話しかけてきた。

 

――――確かに、こんなところでボーとしてたら変に思われるだろう。

 

俺と音夢は互いに顔を見合わせると守兵の所へ近づいていく。

 

 

 

「入国希望者かね?」

 

「はい、私達は親戚に会いに来たんです」

 

「ほう、親戚にかね?良ければ案内させるぞ」

 

 

 

どうやら、かなり親切な守兵さんらしい。

 

俺と音夢は丁重にその守兵さんの言葉を断ると歩き始めた。

 

流石に、あの場所は迷うことなくいけるだろう。

 

――――なにせ、その場所自体がかなり大きくここからでも見えるのだから。

 

 

 

「案内は兄さんに任せますからね?迷わないでくださいよ」

 

「流石に俺もあそこにたどり着けないなんてことはない!」

 

 

 

俺は、意気込んでそう言い足を踏み出し――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄さん……」

 

「ごめんなさい」

 

 

 

結果、迷いました……(うぐぅ)

 

こんな所で発動しなくてもいいじゃないか、スキル……

 

 

 

相沢祐一のスキルが更新されました。(笑)

 

『方向音痴 A』……始めてきた場所では必ず迷う、ここまできたら呪いのレベルである。

 

 

 

音夢は頭を抑えて溜め息をついた。

 

むぅ……やはり、こっちの方が近そうだと思って道を逸れたのが間違えかー……

 

しかも、

 

 

 

「へっへっへっ……兄ちゃん達金目のもんをだしな」

 

「その姉ちゃんでもいいぜぇ」

 

 

 

……こういう、馬鹿まで釣れました。

 

 

 

「兄さん――――後で、覚悟してくださいね」

 

 

 

音夢の腕から雷が出てるぅぅぅぅぅ!?(汗)

 

と、とりあえず今回の目標は俺じゃないみたいだからいいけど……(酷)

 

あー、哀れゴロツキAB

 

 

 

「あなた達もどいてくれませんか?」

 

 

 

あくまで笑顔で――――笑顔で言う(汗)

 

ちなみに音夢の雷は、既に空気に帯電していて、腕から強力な力を発している(滝汗)

 

 

 

「なんだと!?」

 

「このアマッ!調子に乗りやがって!!」

 

 

 

馬鹿二人の運命決定。

 

て、言うか……手に纏わり付いている物が見えないんだろーか……この二人。

 

音夢は笑顔を凍てつかせて雷の篭った腕を馬鹿二人に向けた。

 

 

 

「死ねぇ……」

 

「覇王雷撃陣!!(ダイナスト・ブラス)」

 

 

 

黒魔術、上位魔法。覇王ダイナスト・グラウシェラーの魔術。

 

敵を囲んだ逆五紡星の先端から、強力な雷を放ち敵をなぎ払うかなり強力な魔術。

 

音夢が本気で放てば、中位魔族をすら一瞬で消滅させるだろう。

 

――――まぁ、最も本気で放てば、だが。

 

詠唱なしの力ある言葉のみで、しかも手加減をしているのだ、威力なんかは高が知れてると思いきや……

 

 

 

ビリビリビリビリビリビリッ!!!!

 

 

 

「「ぎゃああああああああああああ!!!」」

 

 

 

まぁ、ほとんど魔力抵抗のない人間からすればミディアム・レアくらいには焼けるかな?(汗)

 

 

 

「さて、兄さん行きましょう。勿論、私が先に行くので♪」

 

「お、おう……」

 

 

 

――――満面の笑みを浮かべる、音夢の瞳が語っていた。

 

今度間違えたら、兄さんがこうなりますよ?と(汗)

 

――――うう……いいじゃないか、道の一つや二つや三つや、よ……ごめんなさい

 

この旅を始めてから、間違えた道の回数を思い出し俺は思わず心で誤った。

 

二桁じゃ足りなかったからだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっとたどり着きましたね……ホワイトキャッスルに」

 

「は、はい」

 

 

 

音夢の思いっきり強調されたその言葉に、ガクガクブルブルと震えながらも答えた。

 

目の前にあるのは、穢れなき白を持った城だった。

 

かつてこの城を象徴する白は、穢れなき白、混じることなき白という意味だった。

 

つまり、この国では混血を許さなかったのだ。

 

だが、その古いしきたりを破壊したのが現女王から6代前の女王で「歌姫」と呼ばれている。

 

白き歌姫は、人と人が争うことを良しとせず反対派の人間を説得しその体制を変えたらしい。

 

「歌姫」の功績は大きく現在でもその名は伝説として残っている。

 

ちなみに、この「歌姫」には付き従った一人の騎士がいた。

 

騎士の名は、極秘で今でもその血筋はどこかで残っているらしい。

 

そして、騎士に与えられたのはコーディネーターという、かつての時代では最強クラスの騎士の称号だ。

 

まぁ、ともかくそんなこともありこのホワイト・エンジェル・シティは混血が当たり前の街となったわけだ。

 

と、そんなことよりも……

 

 

 

「それじゃあ、門番の人に頼んで……」

 

「その必要はありません」

 

 

 

俺と音夢は、声のした方に顔を向けた。

 

凛とした少女の声、気配は俺と音夢はとっくの昔に感じていたので動じてはいない。

 

そこにいたのは、赤い癖っ毛の巫女服を着た少女だった。

 

あれは……たしか、神刀『鳳凰』だったな。

 

野太刀サイズの日本刀でこのホワイト・エンジェル・シティの守人のみが持つことを許される物だ。

 

少女は続ける。

 

 

 

「あなた達を案内するように女王様から言われています、相沢祐一さん、相沢音夢さん」

 

「失礼ですが……どなたですか?」

 

 

 

音夢は、僅かに警戒しながら聞き返す。

 

 

 

「……私としたことが失礼しました。この国の守備隊『朱雀』の隊長を務める『天野美汐』と申します、以後お見知りおきを」

 

 

 

少女は優雅な佇まいで俺達に名を名乗った。