はじめに・・・・・

 

コガン(以下コ)「なあ・・・」

なのは(以下な)「なんですか?」

コ「やっぱり言ってしまった以上はやらなければいけないと思うんだ・・・。」

な「いいですよ、別にやらなくても。それともあれですか?ちょっと『面白い』って言ってもらえたからって自惚れてるんですか?」

コ「ち、ちげーよ!ただ、チャンピオンとしては他に並ぶ者のないよう、完全勝利を勝ち取るべきだと思うんだ。」

な「・・・なるほど、まあ一理ありますね。私が一番であることがわかれば、周りも手を出さなくなる、ということですか。」

コ「そうそう。」

な「ならいいでしょう。この作品のタイトルが『魔法少女リリカル誰』なのかを思い知らせてあげます。」

コ「よし、決まりだな。お〜〜い!み〜んな〜〜〜〜やるってさ〜〜〜〜!!」

 

六課の愉快な仲間達『ウオオオオオオオオオオオオ!!!』

祐一「あの・・・俺の意見は・・・?」

 

大乱闘!スマッシュ六課!! 

 

「はあっ!はあっ!はあっ!」

 

 一人の男が突如として戦場と化した隊舎内を走っている。

 

 「本部!応答願います!本部!くそっ!念話も非常回線も、緊急暗号通信まで完全にシャットアウトされてやがる!」

 

 彼は逃げていた。いまだかつて出会ったこともない最悪の相手から。

 

「なんだってこんな事に!?」

 

 彼、相沢祐一が尻尾を巻いて逃げ出さねばならぬほどの相手・・・それは・・・

 

「機動六課全員なんて相手できるか!!」

 

 

1時間ほど前

機動六課隊舎内に、そして祐一の耳に衝撃の館内放送が響いた。

 

『突然ですが、今から祐一さん争奪バトルロイヤルを開催したいと思います。30分後敷地内に残っている者は全員が敵です。もっとも早く祐一さんを確保し、その唇を奪った者が勝者となります。』

 

「な、なんだって――――――!!」

 

『その気がない者はさっさとどっか行って下さい。先ほども言いましたが、30分後この敷地内に残っている者は全て敵と見なし排除行動に入ります。ていうか全力全開なの(はあと)』

 

「ちょっ!マジで言ってるの!?」

 

『マジで〜す』

 

「聞こえてんの!?」

 

『祐一・・・私が捕まえるまで他の人に捕まらないでね。』

『にがさへんで〜覚悟しといてな〜。』

 

「部隊長公認かよ!くそっ!こっちから攻撃するわけには・・・。てことはやっぱ逃げるしかないじゃないか!」

 

 

 

という訳で、今現在祐一は隊舎から脱出しようと懸命に走っている最中だった。しかし隊舎内には、あらゆるところに進入防止の結界やらシールドやらが張り巡らされており、結局1時間近くかかっても脱出できないでいた。

 

「こんな手の込んだことが出来るのは・・・」

「祐一さん!見つけました!」

「シャマル!やはり君の仕業か!」

 

通路の角から現れたシャマルは騎士甲冑を纏いクラールヴィントを構えている。

 

「さあ!逃げられませんよ〜!」

「ちぃ!」

「祐一さんのような若い彼氏が出来れば、私も「年増」だの「出戻り」だのと言われることも無くなるはず!私だってまだまだ年頃なんです!!」

 

シャマルはご近所づきあいで、主婦の井戸端会議に普通に参加できているのが内心ショックだったらしい。一部では「八神さんちのシャマルさんはバツイチ」とか「生き別れた子どもがいる」とか噂が立っているらしい。

 

「私だって!私だってぇ!!」

 

半ベソをかきながら放たれるクラールヴィントをかわしつつ、横の通路に逃げこむ。

なんとかして彼女をかわす機会を探る祐一だが、シャマルにはまだ手があった。

 

 「ふふふ・・・姿が見えなくたって一度捕捉してしまえば!」

 

 ペンダルフォルムのクラールヴィントが輪を描く。

 

「はらわたを〜ぶちまけろぉ〜〜〜。」

「うごあぁっ」

 

シャマルが輪の中に手を突っ込むと、祐一の胸からシャマルの手が現れる。

その手には祐一の大事な物(リンカーコア)が握られている。


「ちょ!・・・これは・・・シャレにならな・・・・ああっ!」

「ほ〜れ。ほ〜れ。祐一さんは大事なところをこ〜んなにされるのがイイんですかぁ〜?」

「あっ!ああっ!」

 

祐一の大事な物(リンカーコア)を弄びながらシャマルが近づいてくる。後は唇を奪うだけで、終了だ。

 

「それでは・・・いただきま〜・・・。」

 

シャマルが顔を近づけて、唇まであと数センチというところで・・・

 

ドガアアアアアアン!!

 

「な!何!?」

 

通路の壁を貫いて何かが突っ込んできた。影は二つ。どうやら戦闘中らしいが・・・。

 

「この、おっぱい魔神!さっさとくたばれ!」

「黙れ!アイスバカ!お前の方こそ諦めたらどうなんだ!?」

 

激しく罵り合いながら壁を壊して突っ込んできたのは、シグナムとヴィータだった。

レヴァンティンとグラーフアイゼンで激しく鍔迫り合いを演じている。

 

 「シグナム!?ヴィータちゃん!?」

「シャマル!?それに祐一も。フフフ、そうか、図らずも対象のところへたどり着いたようだな!」

「おお!祐一!ちょっと待ってろよ。このおっぱい魔神をぶっ叩いてすぐ行くからな!」

「勝手な事を!祐一さんはすでに私の物・・・」

「「年増は黙っていろ!!」」

「ガ―――――――ン!!年齢不詳は変わらないのに!!もう許しません!」

 

シャマルは祐一の胸元から手を引き抜き、両手のクラールヴィントで一つずつ輪を作る。

 

「2人とも臓物をぶちまけなさい!」

 

旅の鏡で2人のリンカーコアを直接攻撃しようと両手を勢いよく突っ込む。

が・・・

 

<Panzergeist>

<Panzerhindernis>

グキッ

「あうっ!」

 

騎士甲冑と防御魔法に阻まれ、思いっきり突き指を喰らう。

 

「ず、ずるいわよ!防御なんて!」

「お前こそ、我ら相手にそれは禁じ手だろうが!!年増!」

「死んだらどうする!年増!!」

「絶望した〜家族にまで年増って言われて絶望したぁ〜。」

 

両手を押さえながらうずくまるシャマル。

 

「あれ!?祐一がいない!?」

「なにっ!しまった!年増(シャマル)の相手をしているあいだに逃げられたのか。」

「『年増』と書いて『シャマル』と読まないでぇ〜。」

 

シャマルがシグナム達に旅の鏡を使おうと、手を引き抜いたスキに脱出した祐一は別のルートで隊舎の外を目指していた。

 

「はあ・・・はあ・・まったく・・・何考えてるんだ。」

 

明かりが消えかかり薄暗くなった通路を壁により掛かりながら歩いていく祐一の前に、人影が映る。

思わず身を堅くした祐一だが、その正体を確認すると安堵の息を漏らした。

 

 「キャロじゃないか。」

 「ゆ、祐一さん!」

 

 祐一の姿を見たキャロは涙を浮かべて祐一に駆け寄る。

 

「ゆういちさん。私・・・怖かったです・・・。急にこんな事になって・・・外に出られなくなっちゃって・・・それで・・・。」

 

そう言って泣きじゃくるキャロを優しく抱きとめる祐一。

 

「やっぱりキャロも巻き込まれたクチか。わかったもう泣くな。一緒に外に出よう。」

「待って!もう少しこうしていて下さい・・・。」

 

 そこから移動しようと、キャロを体から離そうとしたとき、キャロは一層強い力で抱きついてきた。その肩は小さく震えている。

 

 「そうか、そうだよな。いきなりこんなんだもんな。わかった、もう少し落ち着くまでこうして・・・ん?」

 

「いるといい」と言おうとした祐一の目に奇妙な物が入ってきた。

それはキャロが現れた通路の先、暗闇の中になにかが落ちている。よくよく目を凝らして見ているとなにか尖ったような物だ。

 

(な・・・あれは・・・まさか・・)

「キャロ・・・エリオはどうしたんだ?」

「エリオ君・・・ですか?」

 

ぎゅぎゅ〜〜〜

さらに強く抱きついてくるキャロ。

祐一は背中に氷を入れられたような感覚を覚える。

 

 「ああ・・・エリオだ。一緒じゃ・・・ないのか?」

 

 ぎゅぎゅぎゅ〜〜〜〜

抱きしめる力はさらに強まり、締め殺さんばかりだ。

 

「エリオ君なら・・・ふふ・・・。そこにいますよ?」

 

ふと照明が回復する。

 

「エ、エリオ!!」

 

 そこには、ボロボロになったバリアジャケットを着たエリオが倒れていた。

全身に焼け焦げたような後が見られる。

やはりさっき目に入ったのはストラーダの切っ先だったのだ。

 

「だってエリオ君、祐一さんのところに行っちゃいけないって言うんですよ?そんな事言われたらこうするしかないじゃないですか・・・。」

 「く!キャロ!お前まで!」

 

 なんとか引き剥がそうとするが、キャロはものすごい力で抱きついてくる。

ブーストでパワーを強化しているらしい。

 

 「ぐ・・・苦し・・・。」

 「早く落ちちゃって下さいね。その方が楽なので・・・。」

 「ぐ・・・・く・・・やば・・・」

 

 脳に酸素が届かなくなり、視界がぼやけ始め、本気でやばくなってくる。

そのとき・・・

 

 「祐一さん!!」

 

 叫び声と同時に急に締め付けが緩み、なんとか祐一はキャロを振りほどいた。

どうやらキャロは気絶しているようだ。

咳き込みながら声がした方を見ると、オレンジのツインテールと、ブルーのショートカットの2人の少女が駆け寄ってくる。

 

 「祐一さん!大丈夫ですか!」

 「ぐ、ティアナ・・・スバル・・・。」

 

 なんとか立ち上がり、2人の方を警戒する。なにせブラックキャロの事があるのだ。助けてもらったとはいえ油断は出来ない。

そしてスバルを見た祐一は思わず閉口する。

なんというか・・・そういう雰囲気隠す気ゼロですか・・・。

 

 「ハァハァハァ・・・ゆ、ゆういちさん・・・・。」

 「スバル・・・あんた・・・。」

 

 さすがのティアナも頭を抱えている。

祐一はスバルの肩を叩き、

 

 「スバル・・・『嘘つきになれ』とは言わないが、もう少し感情を隠せるようになった方が良い。」

 「な、何がデスカ?」

 「ピンクのオーラがだだ漏れ。」

 

 それだけ告げると祐一はポケットから何かを放り投げた。

次の瞬間強烈な光が通路に走り、祐一の姿が見えなくなる。

 

 「うわっ!まぶしっ!」

「目がぁ〜目がぁ〜」

 

祐一が使ったのは護身用に持ち出した小型の閃光弾だ。

視界が戻った頃にはすでに祐一の姿はなく、スバル達の他には、倒れたキャロとエリオだけが残されていた。

 

 「くっそ〜逃げられた〜。早く追いかけよう!ティア!」

 「スバル・・・やっぱあんたダメだわ・・・。」

 「え〜!?」

 

 愕然としつつ振り向くと、そこに立っていたのはオレンジ色の魔力弾を無数に作り出したティアナだった。

 

 「ティ、ティア!?そ、それは・・・なにかな・・・!?」

 

 スバルの問いにティアナは満面の笑みを浮かべて答える。

 

 「だんご大家族です!」

 「ティアのバカぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

スバルの視界がオレンジ一色に塗りつぶされた。

 

 

 

 「はぁはぁはぁ・・・もう少しで外に出られる。後は敷地の外まで全力で走れば・・・。」

 

 隊舎の出口までもう少し、というところまで何とかこぎ着けた祐一は油断無く周囲を伺いつつ扉に向かう。

と、すぐ後ろで爆発が起り洪水のように追っ手が現れる。

 

 「見つけた!祐一!!くそ!その邪魔なおっぱい砕いてやる!」

 「洗濯板が何を言うか!ああ!そこにいらっしゃったのですね!くっ年増(シャマル)はおとなしく部屋で冬○ナでも見ていろ!」

「また年増って言ったぁ!祐一さん!逃がしませんよ〜。もう!ティアナ邪魔!このオレンジ!」

 「オレンジじゃないんです〜!オレンジじゃないんです〜!って違う!!祐一さん待って!ああ!もう!ヴィータ副隊長!ちびっ子のクセに〜!」

 

 ヴィータ、シグナム、シャマル、ティアナが怒濤の勢いで迫ってくる。

しかも超至近距離でお互い戦闘しながら。

これだけ出来れば六課は安泰だな、などとどうでも良いことを考えつつ祐一は出口まで一直線に走り出す。

 

 「くそ!仕方ない!ブースト!」

 

 自力で肉体強化をかけ、一気にスピードをあげる!

 

 「逃がさねー!シュワルベフリーゲン!!」

 「逃がしません!レヴァンティン!飛竜!一閃!!」

 「私だって!行って!クラールヴィント!」

 「クロスファイヤー!シュ――――――ト!!」

 「うわああああ!ちょっとおおおお!」

 

 ちょっとした弾幕シューティングのように背後から一斉に攻撃が迫ってくる!

後ろからの弾幕って避けにくいよね!

しかし!

 

 「こ!これは!」

 

 極限のピンチを迎えると、人間は脳のリミッターが外れ普段は眠っている力が発揮されるという。今まさしく祐一はそれを迎えたのだ!

 

 「み!見える!俺にも見える!!ララァ!俺を導いてくれえええええ!!」

 「おお!」

 「なんと!」

 

 6発のシュワルベフリーゲンをかがんでかわすと、続く飛竜一閃を円の動作で受け流し、迫るクラールヴィントを飛竜一閃をかわしたままの勢いで払いのける。

最後に飛んでくる30発を超えるクロスファイヤーシュートはその全ての軌道を読み切り残像を残すほどの速さですり抜けていく。

 

 「よっっしゃあああああ!」

 

 歓喜の叫びと共に外へ飛び出す祐一。

 

 「「「「うわあああああああああ!!」」」」

 

負けじと飛び出す4人。

その5人の動きが・・・凍りついた・・・。

 

「はい、ご苦労様。」

「祐一は捕まることなく、ほどよく消耗。」

「後は捕まえるだけと。ほんまにみんなご苦労な〜。」

 

それぞれのデバイスを手に、現在世界で一番怖い女のトップ3が天から5人を囲むように見下ろしていた。

 

「な、なのはさん・・・。」

「テスタロッサ・・・。」

「は、はやて・・・。」

「グラウンドゼロだぜ・・・」

 

3人がおもむろに手にしたデバイスを掲げる。

 

「じゃあ・・・」

「みんな・・・」

「おやすみな・・・」

 

 神々しいばかりの魔力光が煌めき、まるで太陽のように輝く。

 

 「ディバイン・・・・」

 「ライトニング・・・・」

 「フレス・・・・」

 「「「「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」」」」

 

 もちろん、太陽が落ちてきたりしたら命などありはしないが・・・。

 

 「バスタ―――――――!!」

 「スマッシャ―――――――!!」

 「ベルグ―――――――!!」

 

その日ミッド沿岸に巨大な光の柱が立った。

 

 「あの・・・これって魔力ダメージでノックダウンてレベルじゃないんじゃ・・・。」

 「大丈夫!単純魔力砲は得意だから!」

 「死なない程度に手加減したし。」

 「まあ1日は目ぇ覚まさへんと思うけど。」

 

 

 巨大なクレーターの中で横たわる4人を見て祐一の危険センサーは最高レベルに達した。

一刻でも早く逃げなければ。今の彼女たちなら、自分をこれと同じ目に合わせてでも捕まえようとするに違いない。

 

 「くそっ!うわっ!」

 

 走り出そうとした祐一をバインドが拘束する。

悠々と大地に降り立った三人は、祐一を囲んでお互いを牽制、そして戦闘態勢に入る。

 

 「祐一さんはそこで見ていて下さいね。私がこの2人を倒すところを・・・。」

 「なのは、いい気にならないで。9歳の時の借りはここで返すよ。」

 「私も元気なったっちゅうところをちゃんと2人に見せんとなぁ。」

 

3人がデバイスを構え、そして一斉に・・・。

 

「いくよ!」

「いきます!」

「いくで!」

 

 戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

続く・・・・orz

 

 

 

あとがき

 まずは最初に、前作を読んで下さった皆様、ありがとうございます!

感想でも「面白かった」と言って頂き本当に嬉しかったです。

そして、「続編も」や「スマッシュ六課で」というリクエストまで頂けるとは思っていなかったので本当に嬉しかったです。

 

ということで・・・やってしまいました。続編です。

やっぱり人数多すぎると大混乱します。

なんとか各キャラ出番を確保しようとしたのですが、結局前作と同じく出番少ない・・・。orz

ロングアーチスタッフも、アルトがヘリで突貫とか、ルキノがアースラ持ち出すとか考えたんですが、さすがにそこまで書ききれないと判断したため、参戦せず。

もし彼女達の参戦を期待していた方がいたらごめんなさい。

ですが、やはりキモは管理局三巨頭のなのは達としたいので、その他の皆さんはこんなところでご勘弁を。(笑)

 個人的に書いていて、ブラックキャロと、アホ〜なスバルは楽しかったです。

スバル・・・首席卒業なので頭いいはずなんですけど、性格のせいでしょうか、アホの子に見えてしまうんですよね。

 さて後編ですが、ついに激突するなのは達の勝負が見所!になるといいなぁ・・・。(不安)

 

 では、前編読んで頂きありがとうございました!!