あっちもそっちもうきうきうぉっちんな放課後。

名雪が引き摺られながら部活に行ってしまったため、一人寂しく帰路に着く。

だからといって水瀬家に帰っても特にやることもなし。

というわけで俺は公園をぶらぶらと散歩していた。

 

「んぐんぐ、平和な世の中だよな」

 

『ちゃんと屋台で買ってきた』鯛焼きを頬張りながら俺は呟く。

ちゃんと尻尾まで入っているあんこが授業で眠り疲れた俺に癒しをくれる。

あの親父、いい仕事してやがりますぜ。

 

「みゃ〜」

「ん?」

 

早々に一つ平らげ、袋からもう一つ鯛焼きを取り出したとき、可愛らしい鳴き声が耳に入ってくる。

思わず周囲を見渡すが、それの持ち主らしき姿は見えない。

まさかあそこのベンチで囲碁の本に読みふけってる爺さんがあんな声を出すわけないだろうし。

 

「みゃ〜」

 

再び耳に入った鳴き声は上から聞こえてきた。

俺は視点を上に移動させて改めて周囲を見直すと、木の上で声の主の三毛猫が降りられずに往生しているのが見えた。首輪をしてないところから野良猫だろう。

まぁ、あれだ。

よく猫(たまに人間)にある登ったはいいけど降りられない症候群ですな。

 

「……はぁ」

 

一度見つけてしまったものはしょうがない。

か弱い猫を見殺しに出来るほど、俺は冷たい人間じゃないのだ。

俺は鯛焼きの入っている袋を幹に立てかけ、木の太い枝に手をかける。

幸いにも幹は足をかけてもすべりにくいタイプの木だ。

こう見えても昔は近所で『木登り祐ちゃん』と呼ばれ、恐れられた俺にとっては造作も無く、軽々と猫と同じ高さにまで辿り着く。

 

「みゃ〜 みゃ〜」

「おーし、おーし、いい子だからな〜」

 

こんなところで暴れられたらたまらないので優しい口調で猫に話しかける。

猫は暫く人間である俺という存在に怯えていたが、必死の行動の成果が出たのか、警戒を解いて恐る恐るといった感じに近づいてきてくれた。

 

 

ひゅぉぉっ……

 

 

「?!」

「みゃっ?!」

 

あと少しで俺の手に収まると思った瞬間。

高い所特有の突風に猫の体が煽られる。

俺達がいるのは風から身を守ってくれるであろう葉も生え揃っていない枯れ木だ。

そして俺の想像通り小さな体がバランスを崩し、枝から落ちてしまった。

 

「みゃぁ〜〜?!」

「まずっ!」

 

そこからの俺の行動は異常に早かった。

枝から体が離れた瞬間、両手を離した俺の体を猫の落下コースに割り込ませ、猫を衝撃から守るように優しく抱えこむ。

 

ドカッ!

 

「が、は」

 

体が激しく地面に叩きつけられる。

肺に溜まっていた空気が全部出ていき息が一瞬できなくなる。

背骨が折れたんじゃないかってくらいの激痛だったが、当たり所がよかったのか奇跡的にも折れてはいないようだ。

だけど暫くは体を起こせそうになかった。

 

「みゃぁ〜」

「お、無事だったか?」

「みゃ〜」

 

心配してくれてるのか、お腹の上に乗っている猫が心配そうに眺めてくる。

俺が生きているとわかったのか、今度はペロペロと小さな舌で顔を舐めまわして来る。

どうやら、俺に対する警戒心を解いてくれたみたいだ。

 

「うわっ、こら、舐めるなよ。くすぐったいから、あ、そうだ!」

 

俺は木に立てかけておいた袋の中から鯛焼きを一個取り出して猫の前に置く。

猫が鯛焼きを食べるのかと聞かれるとものすごい不安だが。

 

「……?」

「本物じゃなくて悪いな。でもこれも美味いもんだぞ?」

 

猫は匂いをくんくんと嗅ぐと、口で鯛焼きの衣を食いちぎる。

寒空に置いておいたおかげでうまい具合に冷めていたらしく、猫舌というくらい熱い食べ物に弱い猫でもぱくぱくと食べ始める。

中心はさすがに冷めてはいなかったからか、時折顔を離して冷めるのを待っていたりしたが、あっという間に平らげてしまった。

 

「さて、そろそろ俺は帰ろうかな?」

「にゃ〜」

 

そんな微笑ましい姿を見ながら鯛焼きを食い終わると、太陽があと数刻で落ちるくらいまでの時間になっていた。

この猫のおかげでいい暇つぶしができたみたいだ。

 

「じゃあな。もう降りられない所に登るんじゃないぞ?」

「にゃ〜」

「お、おい?」

 

その場を離れようとすると、猫が可愛く鳴きながら俺の後に付いてきてしまう。

うーむ、どうやらものすごく懐かれてしまったみたいだ。

足を止め、下を見ると俺の足に擦り寄っている猫。

それはこの上ないってほど愛くるしい姿なのだが―――

 

「すまん、猫よ。できることならお前を拾って飼ってやりたい!

 だがな、俺は居候の身。猫を飼うなん我侭を言うことはできないのだよ」

「にゃぁ〜?」

 

わかっているのか、わかってないのか、小首を傾げる猫。

でもわかって欲しい。

 

 

―――水瀬(リーサル)名雪(ウェポン)

 

 

名雪がいる限り、猫はあの家に入ったら確実に不幸になってしまうのだから。

 

 

「にゃ〜ん?」

「だ、だめだ!」

 

そう……

 

「にゃ〜ん?」

 

俺は……

 

「にゃ〜ん?」

 

俺は決して……

 

「にゃ〜〜〜ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50万リクエスト

猫の恩返し

by.JGJ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいか? 今日だけ、今日だけだ。決して名雪には見つかってはいかんぞ?」

「にゃぁ」

 

ベットの上で礼儀正しく鳴いて答える猫。

結局、俺はあのつぶらな瞳に勝てなかったというわけで、水瀬家、特に名雪には内緒でこっそりと今日一日だけ飼うことにしたのだ。

 

「うむ、でもいつまでも猫じゃ締まらんな……今日までの縁だが、名前を付けるか」

 

俺はピロの名前を考えた時よりも真剣に考える。

まずは性別を確認する為に猫を持ち上げる……うん、ない。ということは雌か。

じゃあ、女の子っぽい名前がいいよなぁ……

 

「うーん……頼子、なんてどうだ?」

「にゃ〜ん♪」

 

由来とか理由とか特に何も無い。

ただの思いつきなのだが、猫……頼子は嬉しそうに一声鳴いた。

 

「祐一さん、お風呂の支度が出来ましたよ?」

「よし、頼子。風呂に入ってから、あとでご飯を持ってきてやるからな」

「にゃ〜」

 

夕食、風呂もそこそこに俺は頼子のためにミルクと平皿を一枚、バレないように盗み取ると、二階で頼子に飲ませてあげる。

ミルクを飲み終えると疲れてしまったのか、頼子が大きなあくびをしたので、俺も少し早いが、たまには名雪を見習って眠ることにした。

 

「……にゃぁ〜」

「ん? 寒いのか?」

「にゃー」

 

俺の問いに肯定のにゃー。

段々と猫語がわかってきたかもしれない。

……うん、あとで耳鼻科へ行ってこよう。

猫はこたつで丸くなるとか言うし、寒さには弱いんだろうな。

 

「わかったよ。ほら、入れ」

「にゃ〜」

 

布団を持ち上げると、とことこと中に入ってくる頼子。

うんうん、愛いやつ。

 

「本当、お前が猫じゃなかったら、秋子さんに無理に頼んでも置いてもらえるように説得するんだけどなぁ……」

「にゃ〜」

 

いつか名雪の毒牙にかかって、将来は衰弱死かもしれない。

それは激しく避けたい。

 

「ま、今日はゆっくり休みな」

「……」

 

脇に暖かさを感じながら、俺は深い眠りへと落ちていった。

ドアから入ってきた微笑みの悪魔に気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あさーあさだよー 朝ごはん食べて学校行くよー』

 

 

「……ん?」

 

脱力しそうないつもの目覚ましで目を覚ます。

……なんか布団が暖かいな。湯たんぽでも入れたっけか?

寝ぼけた頭をなんとか回復させて、昨日の記憶を掘り起こしてみる。

 

「……あぁ、そういえば、昨日一晩だけ猫を止めたんだっけか」

 

確か寒そうだったから、布団の中に入れてやったんだ。

うん、間違いない。

その証拠に俺を隔てて右側がこんなに盛り上がって……盛り上がって……

 

「……頼子ってこんなに大きかったか?」

 

いや、この膨らみようはどんな猫だったとしてもあり得ない。

それによく考えてみれば、頼子はここまで大きい猫じゃなかったはずだし。

 

「じゃあ、真琴か?」

 

また眠ってる最中に潜り込んで来たのだろうか?

まったく、しょうがないなぁ……

 

「ほら、真琴。起きろって」

 

そう言いながら、布団を捲くると、そこには頼子も真琴もいなかった。

代わりにいたのは茶色の髪を立ったら腰よりも下くらいまで行くんじゃないかってくらいにまで伸ばした美少女が丸くなって眠り込んでいた。

しかも何故か耳のあるべき位置には髪の毛と同じ色した二つの突起物がぴくぴくと動いている。

ついでに言うと何故か服は着てない。つまり裸。英語でヌード。

 

「わ、わああああああああっ?! だ、誰だ! お、お前?!」

「……ふ、ぁ」

 

俺の大声に反応したのか、彼女はその目を擦り擦りして目を覚ました。

お、俺、知らないうちに大変なことしでかしてしまったんじゃないだろうか?

『変態高校生、無意識のうちに少女誘拐』とかいう不吉すぎるタイトルが脳裏を山手線の発車本数くらいの頻繁さで往復していく。

 

「あ、あの……」

「ん?」

 

 

ぴくぅっ?!

 

 

遠慮がちな少女の声に振り向くと、驚いたのかさっきまでくたっと萎れてた彼女の耳の突起物がぴんと立つ。

そこでその突起物がなんなのかようやくわかった。

 

「……わぁー」

「あ、あの、ど、どうして荷物をまとめはじめているんですか?」

「俺、もうこの家に入れないから」

 

それは立派な二対の猫耳。

……ダメだ。

脳裏をよぎる三面記事のタイトルが『変態高校生、無意識のうちに少女誘拐。少女に猫耳強要?』にレベルアップしている。

だ、だ、だって、猫耳ですよ? キャットイヤーですよ? ロ・マ・ンですよ?!

いかん、どうにも思考が変な方向に行ってしまう。

 

「で、誰?」

「あ……その……わ、わからない、ですか?」

 

おどおどした表情で俺を見る少女。

発言からして俺のことを知っているみたいだが、そんな目をして言われても俺の知り合いには猫耳少女なんていない。

 

「あ、あの……わた、私……頼子……です」

「はぁ?」

 

顔が埴輪になる。

頼子?

そういえば、昨日一日だけ泊めてやるって言って横で一緒に寝た猫にもそんな名前を付けたよなぁ……なんて、まさかな。

そ、そんな猫が人間になるなんてそんな生態系の根本に喧嘩売ってるようなこと、起きるわけが……

 

 

 

 

―――あらあら

 

 

 

 

いや、あるかもしれない。あの人にこの事実が知られているのなら。

あのジャムなら―――

 

 

 

 

―――祐一さん、そんな甘くないジャムはいかがですか?

 

 

 

 

ま、真琴も以前は狐だったわけだしな。あ、あはははは……

とりあえず脳裏に直接響いてきた声に対しては気にしないことにする。

 

「と、とりあえず、どうしてここにいるのかは置いておこう。

ます服を着てくれ、このままだと目の保よ……げふんげふん! 目に毒だから」

「は、はい、でもど、どれを着れば?」

 

そう言って着る為の服を探そうと少女がベッドから身を起こしたその時。

 

 

ガチャ

 

 

「祐一! 早く起きなさ……い、よ」

「あ」

「〜〜〜〜!!」

 

おもむろにドアが開き、噂をすればなんとやら、真琴が出てくる。

そう、裸の頼子がベットから起き上がっている状態で、だ。

神がかり的な速さで恥ずかしさで頭がショートした頼子を布団の中に隠す。

 

「ゆ、祐一がし、知らない女と夜明けのコーヒーを一緒に飲んでる〜〜〜〜〜〜!!」

「ちょっ、待て! どこで覚えたぁ! そんな表現!!」

 

近所迷惑も顧みずに目を見開いて大声で叫ぶ真琴。

あぁ、もう当分ご近所を歩けないじゃないか。

 

「祐一の変態! 鬼畜! ごーかんまー!!」

「待て、それは冤罪だ!」

「えんざいですんだらけーさつなんていらないのよぅ!」

「なんか使い方が間違ってる?!」

「エーザイだからキューサイだか知らないけど、どうせ祐一の作った言葉なんでしょ?」

 

待て、冤罪はちゃんと広辞苑にも載っている熟語だから。

 

「あ、あのぅ……」

「ん?」

 

頼子が言い争っている俺の服の袖を控えめに引っ張ってくる。

 

「あ、あの人は……?」

「あぁ、あいつは真琴って言って―――」

「い、いえ、そっちじゃなくて、こっちの……」

「あらあら」

「あああああああああああああ」

「ダメですよ? 祐一さん。『ああああ』だと名前変更する時に命名神の怒りを買いますよ?」

「秋子さん?! い、いつの間に入ってきたんですか!

 っていうかなんで布団の中に入ってるんですか!」

 

頼子が言っていたのは真琴ではなく、いつの間にか俺の左側で寝ていた秋子さんだった。

というか命名神ってこれまたメジャーなようでマイナーな。

 

「くすん。スルーされちゃいました」

「そんなことよりも! なんで秋子さんがここにいるんですかっ!」

 

最低でも真琴が入って来たときにはいなかったと思うぞ?

 

「そんなことよりも、前、気をつけてください?」

「は? 前で―――」

 

 

ごんっ!

 

 

視線を前に戻した瞬間、真琴が投擲した何かが当たった衝撃と、頼子の悲鳴を伴いながら、俺は意識を刈り取られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――!」

「……」

「―――!!」

「……ぅん」

 

誰かが叫んでいるのが聞こえ、俺はうっすらと目を開ける。

 

「だ、大丈夫ですか?!」

「……ぁ、頼子?」

「よ、よかったです……本当に……」

 

俺を覗き込むように見てくるのは少し涙ぐんでいる頼子だった。

服を着たのか、俺のYシャツを羽織っている。

 

「……ん?」

 

なんか後頭部が暖かいような……?

それに頼子の顔が上にあるように見える。

……ってこ、これって、膝枕って奴ですか?!

 

「のうわあああっ?!」

「だ、ダメです! まだ寝ていないと!」

 

反射的に起きようとしたのを無理やり戻される。

 

「みんなは?」

「さっきの青い髪の人が連れて行っちゃいました。

 『姪孫(てっそん)の姿、早く見せてくださいね。祐一さん』って言ってました」

 

あ、秋子さん。

まぁ、あの状況で誤解するなという方が可笑しいが。

気まずくなったので、俺は膝枕から身を起こし、話題を変えることにする。

その時、頼子の服装が実は裸Yシャツで、俺は生足に頭を乗せていたのだと気付く。

……もう少し、膝枕されててもよかったかな?

 

「それにしても……さっきのは本当か?」

「?」

「そ、その……君が頼子って、話」

「は、はい。本当……です。

わ、私、祐一様の傍にいたくて、でも猫じゃダメだって諦めてて、そ、そうしたら昨日、さっきの青い髪の女の人が、『人間になりたいですか?』って聞いてきて……

わ、私、もう何をしてもいいから人間になりたくて!

 祐一様の傍にいたい。ただそれだけで、そ、そうしたら今日……」

「……頼子」

 

恥ずかしいのか、真っ赤に染めた顔を俯かせて頼子が答える。

まさかとは思ってたけど、本当に猫が人間になるなんてな。

恐るべし秋子さん。恐るべしオレンジの流動体。

 

 

「あ、あの!」

「ん?」

 

 

 

 

 

「だ、だから、わ、私を、め、メイドとしてここに置いてくれませんか?」

 

 

「は、はぁ?!」

 

頼子の爆弾発言に再び埴輪になる。

いきなり何を言い出すんだ。この猫耳少女は。

 

「あ、あの、何でもやります。だか、だから、私を祐一様の近くに置いてくれませんか?」

「げふぅ?!」

 

涙目で俺の服を強く握りしめながら懇願してくる頼子に理性が深刻なダメージを受ける。

思わずうんと頷きそうになってしまった。

 

「だ、だって、祐一様、言ってたじゃないですか。

 『お前が猫じゃなかったら、秋子さんに無理に頼んでも置いてもらえるように説得するんだけどなぁ……』って、だから……お、お願いします」

 

たしかに昨日そう言った。

まさか本当に猫じゃなくなるなんて思わなかったけどな。

 

「祐一様は私の命の恩人なんです……だからお役に立ちたいんです」

 

 

ガチャッ

 

 

「了承♪」

「えぇぇ?! あ、秋子さん」

 

盗み聞きしていたのか、ナイス過ぎるタイミングでドアが開き、秋子さんが入ってくる。

 

「話は聞きました。それなら、ここを自分の家のようにくつろいでください」

「い、いいんですか?」

「祐一さん。彼女がこんな姿である以上、この子は一人じゃ生きていけません。

 だから、祐一さんが面倒見てあげてくださいね」

「は、はぁ……」

 

たしかにこんな猫耳じゃ、子供に石とか投げられそうだし、家主である秋子さんがそういうんなら俺は大歓迎だけどさ。

猫じゃなかったら説得させてでも置いてもらえるようにしてもらうって言ったのは本当だし。

それになんだかんだ言って、俺も頼子に一目ぼれしたのかもしれないな。

け、決して、猫耳好きなわけじゃないぞ?

なんとなく守ってあげたくなるというか保護欲をそそられるというか。

 

「……ゆ、祐一様」

「お、すまんすまん。つい可愛くて」

「い、いえ……」

 

ふと気付くと無意識のうちに抱きしめていたらしく、俺の胸で赤くなってる頼子。

抱き心地よかったなぁ、また今度抱きしめさせてもらおうっと。

 

「それに頼子。そういう堅苦しいの無し。普通でいいからさ」

「じゃ、じゃあ……ゆ、祐一さん」

「なに?」

「あ、あの、こ、これから、よろしくお願いします!」

 

俺に向き直って恭しくお辞儀をする頼子。

こうして水瀬家に新しい家族が増えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ1 〜その頃名雪は〜

 

「ふぁ……お母さん、何してるの?」

「あぁ、名雪、メイド服どこにあるか知らないかしら?」

「……わたし、そんなものが家にあること自体を知らないんだけど」

 

 

 

 

 

おまけ2 〜真琴の主張〜

 

「あ、あたしは反対よ!」

「ど、どうした真琴?」

「だ、だって、あいつ、真琴と同じ匂いがするもん!

 き、きっとあたしのポジションを奪いに……」

「……来てないから安心しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

これ頼子さんSS? 頼子さんの口調ってこんなんでよかったっけ?

というわけで50万Hitリクエストの祐一×頼子さんでした。

クロスによくある、祐一だけというのを避け、可能な限りKanonの背景を入れてみた結果、こんな文になってしまいました。

なんか猫→秋子さんとインパクトが強すぎて頼子さんが霞んでしまったかもw

ラブではないです。だけどここから展開を無限に広げられるのがこいつのいいところ。

下手に一辺倒にラブを書いてしまうよりも、ここから皆さんの脳内で発展させてもらいたいと言ったら言い訳になりそうで怖い。

 

 

あと、なんというか秋子『さん』とか頼子『さん』とかって『さん』つけないとなんか不自然ぽいw

 

 

 

 

2006年3月21日作成