第一級指定遺失物、ロストロギア、闇の書。

 

これを巡り、色々な人達の思惑が交錯し合い、さまざまな人間の運命を変えることとなってしまった。

 

だが、ここ海鳴市で起きた事件で、一つの結末を迎える事となった。

 

 

が、

 

 

世界はとても残酷で、本当はまだ何も終わっていなかったのだと、思い知らされる事となる。

 

 

そして、その運命の螺旋に新たに巻き込まれる者も。

 

 

運命の歯車は、静かに、確実に、狂い始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはA’s SEED

第01話「新学期、新たなる出会いなの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピ・・・ピピピ・・・ピピピ・・・。

定期的な電子音が僕の頭の上で鳴っていた。

それは僕がいつも使っている目覚まし時計の音である。

僕はもぞもぞと手を伸ばし目覚ましのスイッチを押して音を止める。

時刻は午前7時。

僕はのそのそと起き上がってそのまま下の階のリビングまで行く。

 

「おはよう、キラ」

僕の名前を呼ぶのは僕の母さん、カリダ・ヤマト。

「おはよー・・・」

「あらあら、まだ寝てるのかしらこの子ってば」

「だって・・・昨日の片付けまだ終ってないんだもん」

「ほどほどにして寝なさいって言ったでしょ。それと、学校へ行く準備できた?」

「うん。大丈夫だよ」

「転校初日なんだから、忘れ物なんてしたら恥ずかしいわよ」

「大丈夫だって」

 

僕、キラ・ヤマトは、つい先日父さんの仕事の都合でこの街、海鳴市へと引っ越してきた。

引っ越す事は前々からわかっていたんだけれど、

いざみんなとの別れを体験するのはちょっと悲しかった。

それでもみんなとはちゃんと泣いて、最後は笑顔でさよならが言えた。

 

 

ピンポーン。

「あ、はーい」

タタタ・・・と母さんが玄関まで出て行く。

「もぐもぐ・・・」

僕はパンを頬張りながらテレビを見ていた。

朝のニュースは別にこれといって大きな事件とかがあったわけでもなく、たわいも無いニュースばかりであった。

「キラー、アスラン君迎えに来てくれたわよー」

「え?もうそんな時間?」

壁に掛けてあるアナログ時計を見る。

「なんだ・・・まだ7時15分じゃないか・・・」

「なんだじゃないだろ、まったく・・・」

「あ、アスラン。おふぁよー」

「食べながら会話するなよ。何言ってるか分かり難いっての」

 

彼、アスラン・ザラは僕の同年代の幼馴染で僕の一番の親友である。

彼も僕と同じ学校に通っていたけど、僕とアスランのお父さんが同じ会社に勤めているらしく、

二家族揃ってこの街へと引っ越してきた。

 

「とにかく、急いで着替えるよ。ちょっと待ってて」

「ああ、早くしろよ」

 

 

5分後。

「お待たせ」

学校の制服に着替えた僕は下へと降りる。

「忘れ物は?」

「大丈夫だって」

「それじゃ、行ってきます!」

「それではおばさん、行ってきます」

「二人とも車には気をつけるのよ〜」

「「は〜い!」」

バタンと玄関のドアが閉まる。

 

 

学校へはバスを使った通学になるので、僕達はバス停へと向かった。

「時間は?」

アスランが腕時計を見て確認する。

「うん、大丈夫」

そしてバス停へと到着すると数分もしない内にバスが来た。

バスに乗り込んで、僕達はどこに座ろうかと見ていると、

一番後ろには女の子が五人座っていた。

女の子はみんな同じ制服を着ていて、それは僕達が今日から行く事になる私立聖祥大附属小学校の制服であった。

僕らは一番後ろから一つ前の席に座り、アスランが窓側で僕が通路側に座った。

 

「ねえアスラン」

「何?」

「僕達同じクラスになれるといいね」

「そうだな」

「なれるかなぁ・・・」

「わからないよ。でも、俺もなれたらいいな」

 

「あんた達、転校生?」

不意に後ろから声が聞こえてきて僕達は声のした方向へ向いた。

するとさっき見た一番後ろに座っている女の子の一人が首を出して僕らへ向けている。

「そうだけど・・・」

「何年生?」

「3年生だけど・・・」

「んじゃ、あたし達と同い年じゃん」

「そうなの?」

「うん、ねー」

うんうんと他の四人が頷く。

「何組に来るの?」

紺色の髪の女の子が問う。

「ごめん、それはまだわからないんだ」

「そーなんだ・・・」

茶色の髪の女の子が残念そうに言う。

 

「あたしはアリサ・バニングス」

「あ、初めまして、僕はキラ・ヤマト」

「初めまして、アスラン・ザラです」

「私は高町なのは」

「私は月村すずかです」

「私はフェイト・テスタロッサ」

 

「「「「「「「よろしく」」」」」」」

 

こうして、僕達は学校に着く前に知り合いが出来た。

 

お互いの名前を言った後は、気軽に喋れるようになっていた。

同い年ということもあったんだろうけれど、正直、女の子と話すのはあまり得意じゃないんだけど・・・。

「でも転校生か・・・ついこないだフェイトが転校してきたばっかりだってのに」

「え?テスタロッサさんて最近転校してきたの?」

「え、う、うん・・・」

「でも、その割にはみんな仲がいいよな」

ふとアスランが言った。

「フェイトちゃんとは半年くらい前に知り合ったんだ」

高町さんが横から話してきた。

なるほど、そんなに前からの知り合いなら仲もいいはずだよね。

「へぇーそうなんだ。僕とアスランは小さい頃からの親友だよね」

「そうなの?」

「ああ、俺とキラの父さんが同じ会社に勤めてて、それで母さん同士も仲がいいんで、半分家族ぐるみでの付き合いだな」

「今回の転校も僕達の父さん達の仕事の都合なんだ」

「へぇーそうなの?」

「大変だねぇ・・・」

バニングスさんと月村さんが僕らの言葉に頷く。

 

『次は私立聖祥大附属小学校前〜私立聖祥大附属小学校前〜』

 

「あ、着いたみたい」

「本当だ」

僕達はバスから降りる為に立ち上がった。

 

 

それから僕達はまず職員室に行かなければならなかったので、昇降口でお別れした。

「二人ともウチのクラスならいいのにね」

ふと別れる前に高町さんが言った。

「そうだね。僕もそう願いたいよ」

「ありがとう。じゃ、俺達はこっちだから」

「「「「またね〜〜〜」」」」

 

 

それから20分後。

「はい、それじゃ今日のホームルームを始めます。けど、その前にみんなに一つお知らせがあります。

今日から皆さんと一緒に勉強するお友達が増えます。みんな、仲良くしてあげるのよ」

なんだろう・・・がやがやと小声が交差する。

(もしかして、今朝の二人のことじゃない?)

アリサが隣の席のすずかに小声で話しかける

(ああ、あのバスの中で一緒になった。ええと、)

(確か、キラとアスランっていってたような・・・)

後ろからフェイトが名前を覚えていたのでフォローに回る。

(そう!確かそんな名前の転校生!)

(どっちかがウチのクラスに入ってくるのかなぁ)

(でもどっちがくるのかな?)

(二人共だったらいいのになぁ)

今朝と同じ台詞をなのはが言う。

(そうだね)

フェイトもそれに同意してくれる。

 

「はいはい、静かにして」

パンパンと手を叩く先生。

すると声がどんどん聞こえなくなってくる。

「はい、それでは。入ってらっしゃい」

 

 

「あ、呼ばれたね。アスラン」

「そうだな。じゃ入るか」

「うん」

ガラッと扉を開くキラ。

続くアスランが入ると振り返り扉を閉じる。

そして二人は教卓の隣まで行くと正面を見てクラスのみんなと顔を合わせる。

「はい、今日からみんなと一緒に勉強する転校生のキラ・ヤマト君とアスラン・ザラ君です。みんな、仲良くしてあげてね」

「はーい!」

キラはクラスのみんなの顔を見ると、その中に見知った顔を見つけた。

今朝バスの中で一緒になった女の子達である。

(あの子達もこのクラスだったんだ・・・)

「はい、それじゃ二人には簡単に自己紹介してもらいましょうか。じゃ、キラ君から」

「あ、はい」

名前を呼ばれて緊張するキラ。

 

「え、えと、キラ・ヤマトです。父さんの仕事の都合で昨日この町へ引っ越してきました。

 まだ右も左も分からない僕ですが、よろしくお願いします」

 

ペコと頭を下げる。するとパチパチ・・・!!とクラスのみんなが拍手を送ってくれた。

ちゃんと言えたことに心の中でキラはほっと胸を撫でた。

頭を上げて視線をみんなへ向ける。

すると視線は四人の方へと向かう。

四人は笑顔でこっちを見てくれていたので、僕も笑顔で返した。

 

「はい、よく出来ました。次はアスラン君」

名前を呼ばれ「はい」と返事をするアスラン。

 

「初めまして、アスラン・ザラです。俺もお父さんの仕事の都合でこの町に引っ越してきました。

 キラと一緒でこの町の事はわかりませんが、もしよろしければ教えてください。

 みなさん、これからもよろしくお願いします」

 

ペコと頭を下げるアスラン。

同じようにパチパチ・・・!!と拍手が送られる。

キラ程ではないが、アスランもそれなりに緊張していた。

 

 

「はい、よく出来ました。じゃ、二人の席は・・・ああ、それじゃ、キラ君はあの席でアスラン君はあの席でいいかな?二人とも視力は大丈夫?」

「あ、はい」

「大丈夫です」

そう言って先生が指さした席は、キラの席はなのはの隣、アスランの席はフェイトの隣になる。

ちなみにキラと反対のなのはの隣はアリサで、アスランと反対のフェイトの隣はすずかであった。

「また会ったね」

なのはがキラに再会の言葉をかける。

「うん。そうだね」

キラが笑顔で返答する。

「今朝はありがとう」

アスランがフェイトに対して礼を言う。

「たいしたことじゃないよ」

フェイトも微笑みながら言葉を返す。

 

 

ホームルームが終わり、一時間目の授業が始まった。

キラ達の元々いた学校とそんなに勉強の進み具合は変わらなかった。

なので、これといって特に変わりなく勉強に関しては問題はなかった。

 

 

授業が終った後はクラスのみんなから質問攻めを受けた。

周りから色々な質問が飛び出してきて、キラはどれから答えていいのか迷っていた。

「え、ええと・・・」

チラッとアスランを見ると、彼は全ての質問に次々答えていた。

こういうしっかりしたところは羨ましいと思う。

「はいはい、そのくらいにして」

アリサがぱんぱんと手を叩きながらキラの周りの生徒の質問を止めさせる。

「キラが困ってるじゃない。質問は順番にしてあげなきゃ。質問したい人は手を挙げて〜。」

はいっ、はいっと周りのみんなが手を挙げる。

「で、キラは順番に答えてあげなさい」

「あ、う、うん。ありがとう」

「いいってことよ」

アリサはひらひら手を振りながらなのは達の所へいく。

 

 

そのアリサの様子を見ていたなのは達はちょっと前のことを思い出していた。

「そういえば、私が転校してきた時もアリサがああやって助けてくれたよね」

フェイトが感慨深く思い出していた。

フェイトも転校してきた時は今のキラやアスランのように質問攻めにあっていたのを、さっきみたいにアリサに助けられたのである。

「そういえば、そうだったね」

「アリサちゃん、優しいから」

「困っているのを見過ごせないんだよね」

「うんうん」

なのはとすずかが共感し合う。

 

 

そして午後の授業も終わって、みんなは帰宅しようとしていた。

「アスラン、帰ろう」

一緒に帰ろうと思い、アスランに話しかけるが、

「悪い、キラ。ちょっと寄り道したいんだ」

「寄り道?どこに?」

きたばかりの街のどこへ寄り道するというんだろう?

「ああ、この街の図書館に行こうかと思うんだ」

「図書館?相変わらず好きだねアスラン」

「まあな」

「アスラン君、図書館に行くの?」

不意に後ろから声をかけてきたのはすずかであった。

「ああ、そのつもりだけど」

「そうなんだ。私とフェイトちゃんも本を返却しに行こうと思うから一緒にどうかな?」

「それは嬉しいけれど、いいのか?」

「うん」

「私もいいよ」

すずかとフェイトは快く承諾してくれた。

「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」

そういうとアスランはすずかとフェイトと一緒に教室を出て行った。

「また明日ね〜」

「じゃ、また」

「またな」

「うん、またね」

三人と別れの言葉を済ましたキラ。

 

(さて、それじゃ僕は一人で帰ろうかな・・・)

「あれ?あんた一人で帰るの?」

横からアリサが話しかけてくる。

「うん、アスランは月村さんとテスタロッサさんと一緒に図書館に行ったから」

「あんたは行かないの?」

「ええと・・・僕はまた今度でもいいかなって」

「ふぅーん。あ、そうだ」

ポンと手を叩くアリサ。

「?」

「あんた一人で帰るんなら、なのはと一緒に帰ってあげなよ」

ずいっとなのはを押し出すアリサ。

「高町さんと?」

「うん、今日はお稽古があって車でお迎えしてもらうから、あたしは一緒に帰れないの」

「そーなんだ」

「だから、あんたがボディーガード代わりになりなさい」

「僕・・・そんなに強くないんだけど・・・」

アスランみたいに運動神経がいいわけじゃないし。

「まぁ、一人で帰るよりはいいんじゃない」

「まぁ・・・確かに」

「んじゃ、あたしはもう帰るから」

「あ、うん。また明日」

「またね、アリサちゃん」

「じゃーねー」

そういうと駆け足で教室を出て行くアリサ。

 

「それじゃ、帰ろうか」

「うんっ」

 

僕は高町さんと帰ることになった。

 

 

それから帰り道、僕は高町さんに町を案内してもらいながら帰った。

これで、一人で色々な所を回れるなぁと思い、高町さんと他愛ない話をしていた。

「でさ、アスランてばひどいんだよ・・・」

「そーなの?」

「僕が宿題忘れた時も『これで何回目だ。』って言って説教し始めるんだよ、それも先生よりも長く」

「あ、あははは・・・」

「そういえば、高町さんってどこに住んでるの?」

「え、私の家はもうすぐ着くよ」

「あ、この辺なんだ」

「うん。あ、ここ」

そう言って足を止めた高町さんの指先は大きめの喫茶店だった。

「喫茶翠屋・・・ここって喫茶店?」

「そうだよ、ここが私の家」

「へぇーすごいね。家が喫茶店なんて」

「そうでもないよ・・・あ、うちのケーキは自慢の一品だからおいしいよ」

「そうなんだ。んじゃ今度食べに来ようかな」

「待ってるよ〜それじゃね〜」

「うん、また明日」

ガランガランとなのはは扉を開けて帰っていった。

 

「さて、それじゃ僕も帰ろうっと」

キラは自宅に向かって歩き始めた。

 

 

「はい、ここが海鳴市の図書館だよ」

「へぇ・・・結構大きいんだね」

アスランは感慨深く見ていた。

「うん、だから結構本の数はあるよ」

「じゃあ、私達は返却してくるね」

「ああ、俺は適当に見て回るよ」

そういってアスランは館内を模索し始めた。

確かにここは図書館としては大きい方だろう。前までいた所より大きく綺麗な図書館である。

キョロキョロしながら歩いていると、目の前に車椅子の少女を発見した。

よく見るとその少女はギリギリ手の届かない場所にある本を取ろうと手を伸ばしていた。

「・・・あ、あと・・・少し・・・」

パッ。と横から誰かが本を取る。

その手の方向へ振り向くと、見知らぬ少年が自分の後ろにいた。

「これでよかったか?」

そう言いながら少年は自分に本を差し出す。

「あ、あの・・・?」

「え、すまない、違う本だったか?」

「え、い、いやその本が取りたかったんです。ありがとう」

「ああ、いやならよかった」

 

少年から本を受け取る少女。

「ありがとな、私は八神、八神はやてです」

「俺はアスラン、アスラン・ザラ」

「アスラン君か、ありがとうな」

ペコッとお礼をするはやて。

「いや何困っていたみたいだからな」

「そうなんや、あともーちょいってトコで届かへんかったんや」

「足、怪我でもしてるのか?」

アスランはそう言ってはやての足を見るが、ギブスをはめているわけでもなかった。

「まぁ、そんなもんや」

「そうか」

「はやてちゃん」

そう呼ばれた声の方向へ向くと女性がいた。

はやてのお母さんだろうか?

 

「シャマル」

はやてはその女性の名前を呼ぶ。

 

(呼び捨てってことはお母さんじゃないな、親戚の人だろうか?)

 

「ここにいたんですか。心配して探しちゃいましたよ」

「あはは、ごめんごめん。昨日借りた本の続きが気になってな」

そういってはやては笑い返す。

「それでこっちの子は・・・?」

シャマルと呼ばれた女性がアスランの方へ視線を移す。

「あ、俺いや、僕はアスラン・ザラです」

「あたしの手が届かへんかった本を取ってくれたんや」

「まあ、それはありがとうございます」

「あ、いや俺は・・。」

まさかたかだか本を取ったぐらいでこんなに感謝されるとは思わなかった。

「あ、アスラン君」

後ろから聞こえた声の主はすずかであった。その隣にはフェイトもいる。

「ここにいたって、あれ?はやてちゃん?」

「あれ?はやて?」

「すずかちゃん、フェイトちゃん」

三人はお互いの名前を呼び合っていた。

「あれ?二人とも知り合いなのか?」

一人不思議に思っていたアスランが問いかける。

「うん、みんな友達なんだよ」

それに答えたのはすずかであった。

「二人ともアスラン君と知り合いなん?」

「うん、アスランは今日うちのクラスに転入して来たんだよ」

「そーなんや」

「はやてちゃん、足の方はどう?」

すずかが心配そうに聞いてくる。

「大丈夫。さっきお医者さんも言ってたけど順調に回復してるって言ってたし」

それを聞いてホッとするすずかとフェイト。顔には出さないが、アスランも内心では安心していた。

「さて、それじゃそろそろ帰りましょうかはやてちゃん」

そういってシャマルがはやての後ろに回って車椅子を押す。

「それじゃ、またね〜」

「「またね〜」」

はやての言葉に返答するすずかとフェイト。アスランは声に出さず手を振ってバイバイとしていた。

「さて、それじゃ俺もそろそろ帰るとするよ」

「そうなの?」

「帰り道大丈夫?」

すずかとフェイトがそれぞれ聞いてくる。

「ああ、また今度ゆっくりと来る事にするよ。大丈夫、来た道を戻れば問題ないよ」

それぞれに返答するアスラン。

「あ、それじゃ私も帰るよ」

「え?フェイトちゃんも帰るの?」

「うん、借りたい本がまだ返却されてなかったから」

「そうなんだ・・・私はここにお迎えの車が来るからここにいるよ」

「わかった、それじゃまた明日ね、すずか」

「うん、ばいばい、フェイトちゃん、アスラン君」

「ああ、今日はありがとう。また明日」

こうしてアスランはフェイトと一緒に帰ることになり、すずかとお別れした。

 

 

その後、フェイトの家まで送った後は広い道なりに自宅まで帰ったアスラン。

1時間後。

ピンポーンとインターフォンがなる。

「はーい」

と返事をし、タッタッタッと玄関まで行く。

「どちら様ですか?」

ドアを開ける前に誰かを確認する為に問いかける。

「あ、アスラン?僕だけど」

「キラ?」

声を聞いただけで一発でわかったアスランはドアを開けた。

「どうした?」

「ウチの母さんがアスランのお母さんと電話で話していると、今日は遅くなるって聞いたから、じゃアスランもウチでご飯一緒に食べようってことになったんだ」

「そうなのか?」

「うん、だから今から二人で晩ご飯の材料買いに行こう」

「わかった。ちょっと待っててくれ」

「うん」

 

「お待たせ」

バタンと玄関を閉めて出てくるアスラン。

「それじゃ行こっか」

「行くって、どこへ行くんだ?」

「えーと、海鳴スーパーってところ」

「場所は?」

「大丈夫、帰り道に高町さんに教えてもらったから」

「そうなんだ」

そうして二人は歩き始めた。

歩いて5分くらいのところにそのお店はあって、二人はメモに書いてある材料を購入した。

場所が分からないところはアスランが店員さんに聞いていたが。

 

「ただいまー」

「お邪魔します」

キラとアスランがヤマト家へ帰宅する。

「おかえりー」

「はい、コレ」

「えーと・・・はい、ちゃんと買えたのね」

「えへへ・・・」

「アスラン君もありがとうね」

「あ、いえ、俺こそ今日はご馳走になります」

「いえいえ、気にしないでね」

そう、これが初めてというわけではないのである。

アスランがヤマト家でキラとカリダと一緒に食事をすることは昔からよくあったことである。

昔から共働きであったザラ家は両親が共に帰りが遅い。

それを見かねたカリダが、「じゃあ、アスラン君もウチでご飯食べればいいじゃない」ということで、

たまにアスランがキラの家でご飯を食べることもある。

キラから言ってみれば、友達と一緒にご飯が食べれるのは嬉しい限りであった。

 

「二人ともー出来たわよー」

「「はーい」」

返事をして二階から降りてくるキラとアスラン。

「今日はアスラン君の好物のロールキャベツよ〜」

「わぁっ」

アスランの目の輝きが増した。

前に一度食べてからアスランはロールキャベツが好物になってしまっていた。

「「いただきまーす」」

 

ご飯を食べてからアスランはキラの部屋の片付けを手伝っていた。

「ふう、こんなもんかな」

一通り片付いたキラの部屋を見て満足そうに言うアスラン。

「ふぃーっ、疲れた〜」

ベッドに埋もれるキラ。

「・・・もうこんな時間か。それじゃ俺はそろそろ帰るよ」

「あ、じゃ送っていくよ」

そういって二人は部屋から出て階段を降りていく。

「あら、アスラン君帰るの?」

リビングから出てきたカリダに声をかけられる。

「はい、もう部屋も片付きましたし」

「アスランを送ってくるよ」

「気をつけてね」

「うん、行って来まーす」

「それじゃ、お邪魔しました。おやすみなさい」

「うん、アスラン君おやすみ」

バタンと玄関を閉じる。

 

 

帰り道。

人通りの少ない道を僅かな街灯が夜を照らし出す。

「そういえば、キラ。お前宿題やったか?」

「あっ、まだだ・・・」

「はぁ・・・帰ってからやっておけよ」

「いやだなぁ・・・」

「転校直後に宿題忘れて注目を浴びたくなければしておけ」

「はーい・・・」

 

 

 

その頃、地上を見下ろす影が一つ。

 

その影はただ無反応に世界を見下ろしていた。

 

「ここに・・・いるはずなんだが」

 

影は手を広げ、目を閉じて呟く。

 

「封鎖領域、展開」

 

直後、世界の一部がまるで切り離されたように隔離された。

 

「魔力反応・・・有!」

 

その声が発せられた瞬間、影はその場所から消えた。

 

 

 

「?」

二人は何か変な感覚に襲われていた。

今までに体験したことのない感覚。

けど、心は感じていた。

この感覚はいいものじゃない、と

「ねぇ、アスラン?」

「・・・何?」

「何か、変な感じしない?」

「・・・する」

「何か、よくわかんないけど、」

「肌寒くなりそうな・・・感覚だな」

 

 

 

影はキラ達の頭上まで移動していた。

 

そう、頭上に"浮きながら"そこにいた。

 

「魔導師でもないのに・・・結界を感じているとは・・・この子供達・・・まぁ、いい。さっさと頂こうか」

 

手を上げ何かを呟く影。

 

するとその足元に何かの魔方陣が浮かび上がる。その魔方陣は正面にも現れてその中に手を入れる。

 

 

 

ブゥンッ!

 

 

 

「え・・・?」

 

 

 

「キ、キラ・・・!」

 

「な、何・・・これ?」

 

 

アスランが見た"それ"は、自分が今見ている光景はあまりにも現実離れしていた。

 

 

なぜなら、

 

 

 

キラの胴体から人の手が出ていた。

 

 

 

正確には貫通しているようにも見えた。

 

でも、血が一滴も出ていない。

 

そしてその手の平には輝く光が見えた。

 

 

 

「蒐集、開始」

 

影はただそう呟いた。

 

 

 

そして開いていた手が握られ拳を作った瞬間。

 

 

「う、うわああああああああああっ!!!」

 

「キラ!?」

 

凍てつく様な悲鳴を上げるキラ。

 

 

 

「ほう、子供の割には結構な魔力量じゃないか」

 

 

 

「あ・・・ああああ・・・・。」

 

「キラ!キラ!!くそ、なんなんだこの手!!」

 

アスランは必死にキラから手を剥がそうとした。だが、それも空しく手はビクともしなかった。

 

 

 

「ふむ・・・こんなものか・・・では」

 

 

 

ズルッとキラの体から出ていた手が引っ込むように消えた。

 

その後糸が切れた人形のように力なく倒れるキラ。

 

「キラ!キラ!!」

 

必死に呼びかけるが、キラは目を閉じたまま動かない。

 

死。

 

その文字がアスランの頭をよぎる。

 

だが、

 

 

 

ブゥンッ!

 

 

 

「え・・・?」

 

アスランは自分の視界に入ったそれを目で追う。

 

すると次は自分の体にさっきの手が出ていた。

 

 

 

「蒐集、開始」

 

 

 

「うわあああああああああああああっ!!!!!!!」

 

悲鳴を上げるが、誰も助けには来てくれない。

 

ふと視界に入ったのは横たわったまま動かない友。

 

「・・・・キ・・・ラ・・・」

 

友の名前を切れ切れに呼びながらアスランの意識は闇へと落ちていった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continued・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき。

はい、と言うわけで始まりました。

魔法少女リリカルなのはと機動戦士ガンダムSEEDのクロスオーバーSS。

基本構成はなのはですが、主人公はキラとアスランです。

ですが、C.E.はまったく関係してません。

登場人物の名前と設定ぐらいで、C.E.からの転移とかではなく、

オリジナルのキャラとしてキラとアスランが転校してくるという設定です。