なのは(以下な)「――なことがあったんです」
祐一(以下祐)「へぇ、そうなのか」
槙原院長(以下槙)「あれ、たしか高町なのはちゃん、かな?」
な「あ、院長先生」
祐「院長先生?」
な「ユーノ君と初めて会ったときにお世話になった獣医さんなんです」
槙「槙原愛、なのはちゃんが紹介通り、近くで動物病院を開いてるの。
え、えっと、こちらはなのはちゃんの知り合いかな?」
祐「あ、相沢祐一です。なのはちゃんの友達っていうか、話し相手というか、そんな感じのことをやってます」
な「院長先生。私の名前覚えていたんですか?」
槙「なのはちゃんが連れてたフェレット、あまり見ない種類だったからね。
それに小学生が三人連れ添ってやってきたから印象に残ったの。どう? あの子は元気にやっているかな」
な「はい、もう凄く元気です」
槙「あはは、それはよかった。ところで祐一君、でいいかな?」
祐「あ、はい。なんですか?」
槙「祐一君、彼女とかいたりするかな?」
祐「へ?! いないですけど……」
槙「ふーん、そうなんだ……お互い独り者同士、気が合いそうかな?」
な「え、えっと、院長先生も彼氏さんはいないんですか?」
槙「こういう仕事していると出会いって少なくて。だから『少ないチャンス』を活かしていかないと」
祐「苦労しているんですね」
槙「わかってくれるなら、ちょっとうちでお茶でも飲んでいかないかな?」
な「あああーっ、私達予定があるんでした。ね、祐一さん。だから行きましょう、はーやーくー」
祐「わわ、なのはちゃん引っ張るなって、すみません、槙原先生、お茶はまた今度の機会に〜
……というかそんな急ぐほどの用事あったか?」
な(まさか院長先生まで参戦してくるなんてっ……)
槙「……ようやく来た少ないチャンス、今度こそ逃すわけにはいかないよね。ふふっ、本気の恋愛なんて何年ぶりかな?」