ヴ「いいかお前ら、これからあたしと祐一で苦手な距離へ入り込まれた時の対処法ってゆーのを教えてやる」

祐「これは訓練校でも教わる基本的なことだが、実地で理論通りに行くことなんてまずないもんだ。
 例えば使用している術式だけでも得意距離は変わってくるし、デバイスの形状、魔法の種類でもかなり違ってくる」

ヴ「そういった時は臨機応変に対応しろってよく言うけど、
 戦闘経験も少ないお前らには無理な話だし、そこまでのもんをあたし達も求めねぇ」

祐「だから今回は俺とヴィータ副隊長がそういった一連の対処法を演習を行いながら教えていこうと思う。
 ベルカ組のスバルやエリオは副隊長の、その他は俺の動きを見て、自分なりの対処法の参考にしてくれ」

ティ「相沢さん」

祐「なんだ? ティアナ」

ティ「ベルカ組がヴィータ副隊長を参考にするのはわかるのですが、何故あたし達は相沢さんなのですか?
 相沢さんはベルカでもミッドでもなかった気がするのですが……」

祐「あー、俺もそう思ったんだがな。副隊長曰く
 『祐一は魔法の引き出しが多いから様々な対処法を見せるのには都合が良い』そうだ」

ティ「なるほど」

祐「それにミッド式は訓練でなのは分隊長から散々味わってきただろう?
 だから今回はベルカを中心に訓練をしようというのもある」

キャ「な、納得できたような、できないような……」

祐(副隊長の面子のために、なのは部隊長とやると命が幾つあっても足りないと言っていたのは内緒にしておこう)

「……ふーん、だから私に声がかからなかったんですね」

ヴ「よっし、さっさとはじめるぜ! アイゼン!」



『Raketen hammer』



ティ「って、本気でやるんですか?!」

祐「そりゃあ、本気で攻撃してこない敵なんていないだろ? あ、俺なら大丈夫だから心配しなさんな」

ヴ「そういうことだ! アイゼン! ……手筈通りに頼むぞ



『Ja.』



ヴ「あー、ラケーテンハンマーの制御が利かないぜー」

祐「お、おい、大丈夫か?」

ヴ「わ、わりぃけど、体で止めてくれねぇか?」

祐「体でか?!」

ヴ「お、おう、だ、だだ抱きしめて無理矢理止めるとかでさ」

祐「そ、そんなこと言われても、そんなんで止まるのか?」

ヴ「あたしの方で何とか威力は弱めてみるからさ!
 あ、多少荒っぽくても大丈夫だぜ? あたしは守護騎士だからな。
 むしろきつく抱きしめて欲しいくらいだぜ

祐「わ、わかった! 俺の胸に飛び込んで来い!」

ヴ「お、おう!(勝った!)」



『Short Buster』



ヴ「なっ?!」




ドオオオオオオン!




な「多少荒くても良いんだったら、これくらいしても大丈夫だよね?」

ス「な、なのはさん、目が怖いです」

な「何か言ったかなー? スバル

ス「イエ、ナニモイッテナイデス」