美由希(以下美)「あ、祐一くん」
祐一(以下祐)「あれ、美由希も帰りか?」
美「うん、もう受験生だからねー……祐一くんも去年はそうだったでしょ?」
祐「志望校をギリギリまで決めなかったから人一倍苦労した記憶がある」
美「あはは、最終的になのはが無理矢理決めちゃったらしいね。ごめんね、うちの妹が」
祐「気にしなくていいさ。あのままいってたら流される感じでぐだぐだになってただろうし。
それになのはちゃんが紹介してくれた大学、結構いいところだしな」
美「そう言ってくれるとありがたい、かな」
祐「ああ、なのはちゃんには本当いろいろ助かってるよ」
美「……祐一くんってさ、ロリコン?」
祐「はぁ?! なんでそういうことになるんだ」
美「いやだって、なのはと仲良いみたいだし、懐かれてるときもなんか満更でもない感じだし。
それにあたし、なのはと祐一くんの出会った経緯とかも全然知らないんだもん」
祐「そ、そりゃ、なのはちゃんは妹みたいな感じだしさ、出会ったのも本当に偶然で――」
美「ふうん、ま、いいけどね」
祐「俺だって同年代の子の方が話しやすいし、美由希みたいな子が可愛いと思える人並みの感情は持ってるさ」
美「え、そ、そうかな?」
祐「おうとも、俺が言ってもなんの保証にもならないと思うけどな」
美「そ、そんなことないよ! ……でもそれならさ、あたし達――」
な「祐一さーん、お姉ちゃーん」
フェ「こんばんは」
祐「おう、二人も帰りか?」
な「はい、すずかちゃんのところへ遊びに行ってきたんです」
美(祐一くんにとって二人は妹、祐一くんにとって二人は妹、祐一くんにとって二人は妹……)
フェ「祐一、いっしょに帰ろ?」
美(祐一くんは同年代の子が好き、祐一くんは同年代の子が好き、祐一くんは同年代の子が好き……)
祐「ああ、そうだな」
な「えへへ、フェイトちゃん、今日、家に行ってもいい?」
美(祐一くんはあたしのこと可愛いって言った、祐一くんはあたしのこと可愛いって言った、祐一くんはあたしのこと可愛いって言った……)
フェ「(本当は招きたくないけど、祐一がいるもん、我慢我慢)……うん、いいよ」
美(……ということは祐一くんはあたしのことが好き?)
な「そう、素直にそう言えばいいんだよ……それじゃお姉ちゃん、そういうわけだから」
美「ふ、ふぇ? う、うん、わかったよ。伝えておくね」
祐「ゴメンな、なんか使い走りみたいなことさせちゃって」
美「祐一くんが謝ることじゃないよ。それに家に帰るついでにできることなんだから、使い走りってわけじゃないし」
な「そういうことですよ。さっ、行きましょう、祐一さん」
フェ「毒薬は痕跡がバレるし、睡眠薬……シャマルに頼んで……その前に母さんに連絡して対策を……」
美「(そうなんだよね。二人は妹的存在なら、あたしにもチャンスがあるんだよね)
あ、やっぱりあたしもフェイトちゃんのところにお邪魔してもいいかな?」
な・フェ「「ダメ」」
美「そんなこといわないでさぁ。祐一さん、いいですよね?」
祐「そうだぞ、二人とも美由希をそんなに苛めるなって。それに夕飯はみんなで食べた方が美味いだろ?」
な「祐一さんがそこまで言うなら……」
フェ「緊急対策会議を開かなきゃ……うん、わかったよ」
美(妹という立場じゃ恋愛では勝てないってこと、お姉ちゃんが教えてあげるよ)