シャマル（以下シャ）「祐一さん」

祐一（以下祐）「あ…………シャマルさん？」

シャ「……今の微妙な間と名前を言ったときの疑問形については敢えて聞かなかったことにします。
　その代わり、次は（フォークで）刺しますから」

祐「あ、ああ（……怖い）それで、今日は何か用？」

シャ「はい、差し入れです。祐一さん、最近忙しくて食事もロクにとっていないんじゃないかって思いまして」

祐「ああ、助かった。本当、こっちに詰めっきりで食事をとってなかったからなぁ。
　じゃあ、いただきます……んぐんぐ」

シャ「……祐一さん、お味の方はいかがですか？」

祐「ん、普通にいけるが？」

シャ（おかしいわね、もしかして遅効性だった？）

祐「うん、シャマルさんの料理は当たり外れが激しいけど、今回は当たりだったみたいだな」

シャ「私にとっては外れだったりするんですけど、しくしく……」










なのは（以下な）「あれ、はやてちゃん。何持っているの？」

はやて（以下は）「この小瓶？」

な「うん、な、なんか怪しい色してるけど……」

は「これは砂糖や。なのはちゃん」

な「ふぇ？　砂糖って普通白――」

は「砂糖や。私が言うんやから、間違いあらへんて」

な「そ、そうなの、珍しい砂糖だね？」

は「うん、女の子だけじゃなくて男の人もメロメロになっちゃうくらい、甘ーい甘ーい砂糖ちゃんや」

な「そうなんだ。それでなんでそんなのを持っているの？　ここはキッチンじゃないけど」

は「ちょっと、な。うちの子がこれでおイタしようとしとったから、ちょちょいと入れ替えてきたんよ」

な「え、でもこれって砂糖なんでしょ？」

は「ああ、砂糖や、だからさっきから砂糖って言ってるやない」

な「あ、うん、そうだよね。あはは……」

は「あはは、おかしななのはちゃんやね」

な「うん、そうだよね……じゃ、そういうことで、そのお薬こっちにもらえないかな？」

は「そんなにこの砂糖が欲しい？　本当にただの砂と――」

な「嘘だっ！」

は「？！」

な「にゃは、そんなわけないよ？　だってその小瓶から、


　この前私が作ろうとしたけど、あなたに阻止されて失敗しちゃったお薬の匂いがぷんぷんしてきやがるんだよっ！！」


は「……はっ、さすが泥棒猫ちゃん、人様より匂いに敏感なとこなんか特にな！」

な「いいから、その小瓶を渡すんだよっ！！」

は「家族のもんは私のもん、私のもんは私のもんや！　なのはちゃんでも、これは渡すことはできへん！」

な「それなら実力行使させてもらうんだからっ、レイジングハート！！」

は「望むところや！！」

二人「「おおおおおおおおおおっ！！」」

フェ「あれ、こんなところに小瓶が落ちてる……？」

二人「「へ？」」

フェ「綺麗な色……ひ、拾っちゃってもいいよね？」

二人「「ま、待――」」

フェ「あとで祐一にも見せてあげよっと、ふふっ」

二人「「……」」