ノエル(以下ノ)「祐一様」
祐一(以下祐)「あれ、たしかすずかちゃんのところの」
ノ「はい、ノエルです。祐一様」
祐「そうそう、ノエルだったな。ごめんな、あんまり名前覚えるの得意じゃないんだ」
ノ「いえ、これから覚えていただければ」
祐「おう、ノエルノエル……よし覚えた」
ノ「これから妻になる人の名前なのですから」
祐「なんか言ったか?」
ノ「……いえ、空耳ではないでしょうか」
祐「そっか、それならいいんだけど、それで俺に何か用か?」
ノ「はい、祐一様にすずかお嬢様の家庭教師をやっていただけないかと」
祐「家庭教師? なんでまた俺なんですか。すずかちゃんの家なら優秀な塾や家庭教師を頼めるはずでは?」
ノ「お嬢様は家に居る時間を大切にしたいとおっしゃっておりました。
それで家に居る時間を減らさず、かつ勉学の効率を上げるために家庭教師を雇うことにしたのですが、
やはり家庭教師を雇う上で重要なのはお嬢様に危害を加えないお方ということが一番です。
そういった危険のない見知った人物だとすれば、祐一様にお願いするのが一番だということになりまして。
祐一様の成績も決して悪いわけではありませんし、よければやっていただけませんでしょうか?
勿論謝礼もちゃんと出させていただきますので」
祐「そういうことなら喜んで引き受けるぞ。他ないすずかちゃんの家の頼みだ」
ノ「ありがとうございます。それでもう一つお願いが……」
祐「ん?」
ノ「もしよろしければ、その、次の模試も近いことですし、お屋敷に泊まりこみでご指導をお願いすることはできませんでしょうか?」
祐「ええ?!」
ノ「あ、無理を承知だということはわかっているのです。
ただその方がお嬢様もいつでもご指導を仰げることですし、私も常に監視下におけますのでいろいろと便利ですし」
祐「んー、そういうことなら」
な「祐一さーん……あれ? ノエルさん」
ノ「ご無沙汰しております。なのはお嬢様……ちっ」
な「祐一さん、何かあったんですか?」
祐「ノエルさんにすずかちゃんの家庭教師をやてもらえないか頼まれていたところさ。
いや、でも参ったよ。次の模試まで泊まりこみで指導してもらえないかって」
な「……そうなんですか、ならちょうど良かったです」
祐「ちょうどいいって?」
な「私もその『模試』が近いので、祐一さんの家庭教師に参加しようかなって。
あ、そうなると泊り込みになりますね。ちょっと準備してきま〜す」
祐「あ、な、なのはちゃん?!」
ノ(……この小娘が)