「とにかく、突入するよ。準備はいい?」

「おう!」

「はい、いつでもどうぞ」

「こっちもOKです」

「じゃあ、開けるよ」

 

 

ガァァァァァァッ

 

 

管理室の扉がゆっくりと開く。

 

「ようこそ皆さん、待ちくたびれましたよ」

 

機材に囲まれた少し広めの部屋の真ん中で、足を組んで椅子に座っている男が1人、こちらに笑みを送っていた。

 

 

 

 

 

魔法青年 相沢祐一

26幕「本局(7)〜対決〜」

 

 

 

 

 

「お前がこの事件の黒幕か?」

「えぇ、そうです」

 

杖を構えつつクロノが問うと、臆面もなく答えてのける男。

 

「なんで……なんでこんな事を!」

「それは私の存ずる所ではありませんね。私の主人がここを占拠する様に命令したので」

「主人……だと?」

 

主人という事はこいつの裏に真の黒幕がいるという事か?

それにこいつのこの余裕そうな笑み……

なんだろう……この嫌な胸騒ぎは……

 

「そうそう、申し遅れました。私の名前はNo.7『copy』、元はユンカースと呼ばれる魔石です。

まぁ、この体はコントロールタワーにいた人から奪ったものですが」

「copy……ということは、お前のマスターは!?」

「えぇ、3つの魔石の内の1つを所持しております」

 

俺の問いにそう答えるcopy。

まさかとは思ったが、フィアの世界の魔法使いが真犯人だったとは……

 

「祐一さん、ということは……」

「あぁ、一度封印されてるなら、そのマスターを倒さなければ封印をする事は出来ない。

こいつの口からそいつの居場所を吐かすしか無さそうだ。

だけどわからないな、ユンカースは守護者以外には意志は無いはずだ。けれど、あんたには意志がある。何でだ?」

 

少しばかり殺気を込めつつ、レイバルト・バリアントの先をcopyに向ける。

 

「おーおー、怖い怖い……では、その質問にお答えしましょう。

私は主人にこの意志を与えられたのですよ」

 

何!? 主人に与えられたって!?

魔石に悪意を持たせることが出来る……まさか、ユンカースの暴走も……?

 

「余裕なのも今のうちだ。

いくらユンカースだろうと、僕達全員を相手に立ち回れるとは思ってはいないだろう?

君を捕まえてボスの居場所を吐かせる」

「やれるものならば」

 

不敵な笑みでクロノにそう答えるcopy。

 

 

ヒュン……

 

 

「!? 危ない、なのはちゃん!!」

「えっ? きゃっ!」

 

 

ピシィィッ!!

 

 

そんな音がしたのとほぼ同時になのはちゃんを力一杯にこちらに抱き寄せる。

なのはちゃんのいた場所には、少し太めの針で開けたような穴が開く。

あと少しこちらに寄せるのが遅かったら当たっていただろう。

 

「は、はぅ〜〜〜〜(///」

「あ、すまん……なのはちゃん。苦しかったか?」

「い、いえ、こちらこそ助けてくれてありがとうございます」

 

とほんのり顔を赤らめてお礼をいうなのはちゃん。

むぅ……少しきつく絞め過ぎたかな?

 

「外しましたか……ことのほか、こいつの制御は難しい物ですね。

(それに予測を遥かに超える能力……勝つ望みは薄そうですね。これは時間稼ぎを出来れば上出来でしょうか?)」

 

copyの方を向くと、彼の周囲には握り拳くらいの大きさで銃身が付いた簡易砲台のような物が数基、宙に浮いていた。

 

「なんだありゃ? クロノ、心当たりはあるか?」

「いや、僕はあんな兵器は知らない。最低でもあれは本局で作られた兵器じゃない」

「ユーノ君は?」

「僕も見覚えはありません。ただ見た所、あの兵器は魔力によって遠隔操作が可能な兵器のようです」

 

遠隔操作兵器……少し厄介だな……

 

 

ピシィィィィッ!! ピシィィィィッ!! ピシィィィィッ!!

 

 

と考えていると連続して射撃が放たれる。

 

「のわっ!!」

「さあ、ドンドン行きますよ!!」

「これじゃあ、安易に近づけない」

 

簡易的にバリアを張って凌いでいるユーノ君が悪態をつく。

 

「ここは僕に任せて」

「クロノ、1人で大丈夫なのか?」

「大丈夫、単独任務は得意なんだ」

 

そういうとクロノはcopyの前に飛び出す。

 

「痺れを切らして飛び出してきましたね。それ、狙い撃ちにしてあげなさい!」

 

 

ザザザッ

 

 

機材の陰に隠れていたのか、copyの掛け声を合図に3、40基の遠隔砲台が現れる。

 

「まだこんなに砲台が!?」

「さぁこれだけの砲台、一度に相手が出来るものならしてもらいましょうか!!」

 

待ってましたとばかりにこちらを抑える物以外の遠隔兵器をクロノに向け、撃ち始める。

それらの第1射をよく解らない機械の上に乗って回避し、クロノは魔法を発動させた。

 

 

『スティンガー・スナイプ』

 

 

電子音声の後に杖から一本の糸のようなものが現れ、新体操のリボンのように波打つ。

 

「動きの速さなら僕の魔法も負けてはいない」

 

 

ドドドドドドドォォォォン!!!

 

 

クロノが杖を振るうと、その魔力の糸は目にも止まらぬ速さで遠隔兵器に向かっていき、第2射を発射する前に次々と落としていく。

こりゃ、すごい芸当だな……

 

「なかなか!!」

「俺も援護する!『light』!」

 

俺は攻撃を避けながらcopyに対して牽制の意味を込めた電撃を発射する。

 

「その技、頂きますよ! 『レプリカ』!」

 

それを体を右に傾けることでかわしたcopyは手のひらから先程俺が放った電撃と全く同じ物を撃ち返してきた。

 

「祐一さん危ない!」

 

 

Protection

 

 

防御魔法を展開しようとした矢先に、なのはちゃんが俺の前に出て防御魔法で電撃を防ぐ。

 

「サンキューな、なのはちゃん」

「いえ、祐一さん達を守るのが私の仕事ですから」

 

それにしても……見ただけの魔術をそっくりそのまま返されるとは。

でも、

 

「これで僕が接近出来る」

「!? 少し、向こうに気がいっていた様ですね」

 

機械の上を飛び移りながら接近していたクロノが杖をcopyに振り下ろす。

 

「その杖、貰います。『レプリカ』」

 

 

ガキィィィン!!

 

 

唱えるとcopyの手にクロノの持つ杖と全く同じフォルムの杖が現れ、それでクロノの攻撃を抑える。

 

「中身まではコピーできませんがね、杖の攻撃なら形だけの模造品で十分ですよ」

「これなら……」

「!?」

 

 

『ブレイク・インパルス』

 

 

ズゴゴゴォォォォン!!

 

 

クロノの杖から多少威力を抑えたのか少し小さめの衝撃波が発生し、偽物の杖を破壊しながらcopyを壁まで吹き飛ばす。

吹き飛ばされて動かないcopy。

というかこりゃ圧倒的すぎるだろ? 俺達要らないし。

これが時空管理局のトップレベルの実力というわけか?

 

「けほっ……まさか、このような魔術を持っていたとは……油断していました」

「これで勝負はついた。すぐにその体から出て行き、我々に投降するんだ」

 

あっ、無事だった。体は動けないみたいだけど、口はよく動くよなぁ……

クロノが杖をcopyに向けながら通告する。しかし

 

「ははははっ! この体は元々はあなたの同胞ですよ? 私がこの人の中ににいる限り、あなた達は私にこれ以上の攻撃は出来ない。違いますか?」

 

そうだった。余裕の笑みはそれが理由か。

あの人は元々時空管理局の局員だったよな。それじゃあ、こっちも攻撃できないじゃん。

……クロノはお構い無しにしてたけど

 

「……」

 

クロノは無言で杖を握る力を強める。

……おいおい、それって……

 

「まさか、クロノ。あの人を見殺しにする気じゃないだろな」

「……仕方ないだろう? ここであいつを見逃せば大惨事が起きる。その為の犠牲なら『ダメだよっ!!』……なのは?」

 

クロノがみなまでいう前に声を荒げそれを制するなのはちゃん。

 

「そんなの絶対ダメ……確かにクロノ君のいう通り、そうすればこの事件は解決するよ?

でも、その為に誰かが犠牲になるなんて私には耐えられない!

……私の甘い考えだって事はわかってる。でも、もしもクロノ君があの人を攻撃するのなら……私はクロノ君に敵対してでもあの人を守る」

「なのはがいいたい事もわかる。

でも、そんな情に流されてはいけない時もあるんだ。ここで失敗したらフェイトやアルフ、他の人達の努力を無駄にする事になるんだ。

だからこのチームの指揮官としてその場において最善の策を見つけなければならない」

 

確かに、この作戦は重要な役割だ。

きっとクロノだって、止む終えない苦肉の策と考えているんだろう。

……でも、

 

「クロノ、自分が指揮官だっていうなら部下の意見も聞くもんだぞ。

最低でも指揮官にはそうする義務があるだろう。そんな頭ごなしに否定してたら助けられるものも助けられないだろうが」

「祐一さん……」

「俺も、なのはちゃんに賛成だ。

俺はなのはちゃんやユーノ君やクロノだけじゃなくて、他の人達もみんな大切な人だと思ってるんだ。

1%でもその可能性があるかもしれないならそれに懸けようじゃないか?

それだけの力を俺達は持ってるはずだろう?」

「そうですね。2人のいう通り、あの人を助ける為にまず精一杯努力してみるのがいいと思います」

「ユーノ君……」

 

俺やユーノ君もなのはちゃんの意見に賛同する。

クロノは暫し考えていたけどおもむろに顔を上げ、

 

「……君達の熱意には負けたよ。けれど、どうしてもダメだった場合は……覚悟を決めるんだ」

「うん……わかってる」

「そ、それで、方法はどうするんだ?」

 

暗くなってきたムードを切り替えようと話題を少し転換する。

するとなのはちゃんは口を開いて、

 

「私に1つだけ考えがあります。

レイジングハートの封印には暴走した魔力を強制的にストップさせる効果があるんです。

原則的に術者の魔力が封印対象よりも高くないといけないんですが、ガードロボの大量複製で魔力も多少なりとも減っていると思うから不可能じゃないと思うんです」

「……つまり封印ではなく停止させる為に封印を使うって事か?」

「そういうことです。封印は元のマスターを倒さないといけないけれど、魔力を停止させる事なら可能なはずですよね」

 

そこら辺はフィアに聞いてみないと詳しくはわからないけれど、確かに魔力を停止させればあの意志も消え去るだろう。

やってみる価値はある。

 

「やってみよう。今はその手しかない」

 

幸い、copyは動けない。絶好のチャンスだ。

 

「そういうわけだから、よろしくね。レイジングハート!」

 

All Right.  Sealing mode -Set up-

 

 

なのはちゃんはレイジングハートをシーリングモードに変形させる。

 

「リリカルマジカル、ユンカースNo.7……封印!」

 

Stand by ready. Sealing

 

 

電子音声とともに杖から光が放たれる。

光はcopyに向かって真っ直ぐ向かっていき…………copyに当たらず途中で霧散をした。

 

「!?」

「き、消えた?」

 

一体、何が起こったんだ?

すると、霧散したところから空間の穴が開き、1人の男が姿を現した。

おいおい、転移は使えないんじゃないのかよ?

金色の髪に青の瞳……見る者を魅了するかのような容姿を持ったその男は倒れたcopyを見やってからこちらを睨みつける。

 

 

ゾクゥゥゥッ!!

 

 

男が睨んだ途端、物凄い寒気に襲われる。

な、何なんだ? この凄い殺気は……

 

「あ……あぁ……」

「な、なに……あ、あの人……」

 

なのはちゃんやユーノ君は完全にあてられてしまったみたいで腰を抜かしてしまったようだ。

 

「我の配下を可愛がってくれたようだな? 礼はたっぷりさせて貰おうか?」

「マスター!!」

「お、お前は誰だ! それにどうやってここに!?」

 

殺気に当てられているにも関わらず、果敢にもクロノが男に問う。

改めて、クロノは凄いと思う。

 

「我が名はディアボルガ……貴様らの世界でいう所の『魔王』と呼ばれるものだ。

どうやってとは移動手段の事か? それならば空間結界をその一部分だけ消した。ここのガードシステムは紙同然だな」

「ま、魔王!? その魔王がここに何の用だというんだ!?」

 

クロノが驚いた様子でそう問う。

そんなファンタジーな世界じゃあるまいし、そんな物いる訳が無いだろ?

だけど、ディアボルガと名乗った男は魔王と名乗っていても遜色無い程の殺気を俺達に放ち、実際に空間跳躍をしてきている。

 

「何、copyが押されているのを見て、助太刀に来たまでよ。

仲間を助ける、それは当然の事であろう? それに我も運動不足でな。久々に骨のある奴と戦いたかったのだよ」

 

……待てよ?

 

「おい! お前は魔王っていったよな?」

「そうだ……我は混沌魔王ディアボルガ。召喚界で3人しかいない魔王を冠する者だ」

 

召喚界? 初めて聞く名だな。

フィアが住んでいた世界みたいなのが他にもあるのだろうか?

 

「じゃあ何故、copyは3つの魔石といっていたんだ?」

「何、ユンカースという物はこの魔石が無ければ使えんというではないか?

だから、奪ったまでよ。まぁ、その者は今何処にいるかわからぬが……な。

まぁ、人間などゴミほどの価値も無い。我はゴミはゴミとして相応の場所に送ったまでよ」

「……様……」

「ん?」

「貴様ぁーーーー!!」

 

俺は怒りの臨界点を突破した。

人間がゴミだと? ふざけるな!

 

「『light』!!」

 

ディアボルガに向かって雷撃を放つ。

 

「そのような小さい魔術で我を倒せるとでも思うか……やはり、脆弱なる人間よ」

「なにっ!?」

 

ディアボルガはその雷撃を何をするとも無しにただ睨みつけただけで雷撃を霧散させてしまった。

 

「この程度の力しか無いとは……人間を少し買い被っていたようだ……もういい、このまま足掻いている所を見てもつまらん。死ね」

「舐めるなぁーーー!!」

「祐一さん落ち着いて!」

 

なのはちゃんの制止を振り払い、魔力を一気に解放する。

 

「『fire』『wing』『chain』!!! 3つの魔石を融合して新たな魔術として生まれ変われ!!」

 

杖から羽が生まれ、炎に包まれる。

ここまではただのアカシックバスター、だけどここからが違う。

その後、杖の先から長さ20m位の1本の鎖が出てそれを短く掴み、ぶんぶんと上で振り回す。

 

 

ブォンブォンブォン……

 

 

「人間、一体何をしようとしている?」

「受けてみろ! これが今の俺の魔術の中で最強の威力を誇る技だ!!」

 

なのはちゃんとの戦いで弱点がわかったアカシックバスター

俺はそれからアカシックバスターの弱点を補う為にいろいろと試行錯誤をし、ついに完成させたのがこの魔術。

 

「いっけぇぇぇっ!! アカシッククラッシャーァァァッ!!」

 

 

ブォォォォッ!!

 

 

振り回した勢いを利用して杖をディアボルガに向かって鎖を持ったまま放り投げる。

鎖は杖から掃除機のコードみたいに杖の中から際限なく出てくる為、長さが足りずに勢いが落ちるという現象は無く、そのままの勢いでディアボルガに向かって襲いかかる。

 

「なるほど、遠心力を利用して威力を高めているのか……考えたな人間……確かに相殺は難しそうだが!」

 

アカシックバスターよりも勢いを増したその一撃とディアボルガが前方に展開したバリアがぶつかり合う。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

「何っ?」

 

全開にした魔力が鎖を通じて杖へと伝わっていく。

魔力を餌に先程よりも巨大になった火の鳥は、ついにディアボルガのバリアにひびを入れた。

 

「ぐぬぅ……なかなかやる! だがしかし!!」

「いっけぇぇぇぇ!!」

「我の足元にも……及ばぬわっ!!」

「ぐっ!?」

「ガアアアアアアッ!!」

 

咆哮。

続いて彼の腕から淡い水色の光線が放たれる。

放たれたそれはアカシッククラッシャーでひびを入れるのが精一杯だったバリアをいとも容易く貫き、火の鳥をも呑み込んでこちらに向かってくる。

避けられない!!

 

「下がって! 相沢さん!」

 

『ラウンドシールド』

 

斜線上にいる俺の前に出てきて防御魔法を唱えるクロノ。

しかし、強大な攻撃を全て相殺できずにバリアは無残にも破壊されてしまった。

 

「ほう……人間にしては中々見所のある奴もいるものだ。

まぁ、見所だけで実力は伴わないみたいだが」

「……くっ! いわせておけば!」

「落ち着くんだ、相沢さん。戦うにしても、まずは相手の動きを『そんなもんのんびり見てたらやられちまうよ!!』……相沢さん!!」

「うぉぉぉぉぉっ!! 『speed』、『sword』!!」

 

杖を背中に括り付けて、右手に剣を具現化させると、そのまま一気に加速して肉弾戦に移行する。

 

「ふん、魔術戦が無理とわかれば肉弾戦か……つくづく人間には呆れるな」

「何だと!?」

「貴様には『退く』という言葉は持ち合わせていないのか?

これだけ実力の差がはっきりと出ていても引かぬとは本当に愚か過ぎる」

 

答える代わりに剣を高速に横薙ぎに振るう。

しかし、ディアボルガはそれをバックステップで避けると、鋭く磨がれた爪で刺す様に突く。

 

「ちぃっ!」

 

体を左に90度捻って避けるが服の部分が掠り、少し破けてしまう。

千切れ飛ぶ服の断片。

そして俺はその突きのモーションの隙を突いて剣を振り上げる。

……狙いは奴の頭部。

 

「やぁっ!!」

「甘い」

 

しかし、そうは問屋は卸さないとばかりにディアボルガはそのまま体勢を低くして剣をやり過ごす。

おいおい、これだけ高速に剣を振るっているのに見切れてるって事かよ!?

振り返りざまに先程バリアを破ったものよりも小さい光線が襲いかかる。

warpで逃げたいところだが、ここには転移無効の結界が張ってあるのを思い出し、受ける事を選択した俺はこの状況で一番適している魔石を探す。

 

「『shield』!!」

 

何も持っていない左手に盾を生み出すとそれをそのまま前に突き出す。

 

 

ドォォォォォォン……

 

 

「うわぁぁぁっ!!」

 

接触によって巻き起こった爆発によって壁まで吹き飛ばされる俺。

 

「ここまでやるとは……すまない。先程の失言については謝ろう……貴様、名は?」

「……相沢祐一だ」

「ならば祐一よ。これはせめてもの礼だ。

我の最大級の技で貴様を屠ってやろう。あの世で自慢するがよい」

「ぐっ……」

 

立ち上がろうにも衝突の時に足を捻ったみたいで上手く立ち上がれない。

 

「貴様に永遠の闇を見せてやろう……デスピアー・ボルト!!」

 

ディアボルガが天井に手をかざすと頭上に黒い雲が広がってくる。

あれは……雨雲? いや、雷雲か!?

証拠に雲の周囲にはバチバチと雷が渦巻いている。

 

「奴の希望を喰らい尽くせ……絶望の雷! ヘル・ランサー!!」

 

 

ピシャャャャャャャッ!!

 

 

頭上から襲い掛かる漆黒の雷を成す術もなくただ呆然と見る。

その雷を見ていると、希望が吸い取られていくようで、守る気も無くなってしまった。

 

「ぁ……」

 

まだ、雷が当たらない。

もうとっくに当たっていると思っていたのに……どうやら死ぬ直前だと雷も遅く見えるらしい。

こりゃ、勉強になった……人間死ぬまで勉強という言葉は本当みたいだな。はははは……

 

 

ドンッ!

 

 

「ク、クロノ!?」

「相沢さん……なのは達の事を……頼むよ」

 

 

 

ズゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

 

クロノの体を絶望の雷が貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

J「またもや支離滅裂な展開になった気がする」

フ「いつもの事です。JGJ、そんなに気を落とさなくてもOKです」

J「それはそれで聞いてて凄く情けないんだが……でも、今回自分は凄く頑張ったような気がするぞ?」

フ「努力と実力が比例すればいいですけどね」

J「…………うぐぅ」

フ「でも、いいんですか? クロノさんをこんな所でこんな風にしちゃって……」

J「あぁ、相当やばいかもしれないが」

フ「下手するとリリなのファンからクレーム来るですよ?」

J「まぁ、一応死なすつもりはないから……多分大丈夫だ。

これ以上キャラが増えると自分の実力じゃ動かしきれないし……」

フ「このヘタレ作者」

J「…………何も反論はありません」

 

 

 

 

人物説明

 

 

ディアボルガ

 

年齢は6万歳くらい。召喚界の魔王で混沌魔王と呼ばれる。

魔王は召喚界で3人(?)しか名乗っていない程の高位な階級。

姿は肩位までの金色の髪に青の瞳、端正な顔立ちで人々を魅了するような美男子。

最後の3つの魔石を持ち主を殺して奪う。

だが、彼はユンカースの使用・制御のみにしか魔石は使わず、主に雷の魔法を得意にする。

実力は間違いなくトップクラスであろう。

 

 

魔術解説

 

 

オプション 使用者:copy

 

これは魔術ではなく兵器なのですがここに記載します。

遠隔操作兵器、おそらく召喚界で作られた(ここら辺は少しいい加減)。copyの使っているオプションの攻撃型と見てくれればよし。

この点からcopyはこういう外部の兵器の遠隔操作の制御も出来る魔石らしい。

 

 

スティンガー・スナイプ 術者:クロノ・ハラオワン

 

杖から魔力を糸状にしたものを出し、それを操って攻撃する魔法。

鞭のように振り回す事もできるため攻撃範囲が広く、非常に使いやすい。

 

 

レプリカ 術者:copy

 

その名の通り複製する。

但し1度見なければ複製は出来ないし、複雑な魔力構成によって作られる魔法は複製できない。(複製な構成をした物体は形だけは真似る事ができる)

作中では、lightは魔力構成が簡単なため真似されたが、S2Uは構成が非常に複雑なため、外見だけそっくりに真似た。

 

 

ブレイク・インパルス 術者:クロノ・ハラオワン

 

杖が接触した面から衝撃波を放つ魔法。

原作では巨大な敵を一撃で倒していた。

 

 

アカシッククラッシャー 術者:相沢祐一

 

『fire』『wing』『chain』の複合魔法。

アカシックバスターの状態になった杖に鎖を付け、鎖を持ってブンブン振り回し、勢いをつけて相手に投げる。

祐一がなのはとの練習試合(Ryoさんの番外編を参照)において判明したアカシックバスターの弱点を補う為に作った。

 

第1に距離の短さ。

これはハンマー投げのようにする事により距離は飛躍的にUPした。

 

第2に攻撃の単調さゆえの命中率の低さ。

これは鎖を付けることによりその鎖を操作する事で若干の軌道修正ができるようになり、外れた後のリスタートも早く出来るようになった。

 

第3に競り合いでの弱さ。

番外編のように長く防御魔法に粘られ、威力が低くなるような事が無いように、鎖を伝導させて魔力を絶え間なく送り続ける事を可能にさせた。

 

ちなみに鎖は魔力がある限り、ほぼ無尽蔵に伸びる。

本人曰く「現時点での俺の最強の魔術」

 

 

ラウンドシールド 術者:クロノ・ハラオワン

 

前方に魔法陣型の防御壁を展開した防御魔法。

前方からの魔法防御には相当な性能を誇るが、今回は破壊されてしまった。

 

 

デスピアー・ボルト 術者:ディアボルガ

 

空に雷雲を呼び起こす魔術。

ディアボルガはこの魔術から色々派生させるのが得意である。

 

 

ヘル・ランサー 術者:ディアボルガ

 

デスピアー・ボルトの派生の1つ

1発限りの大技で、デスピアー・ボルト内の全ての雷を1点に集めて落とす。

ディアボルガの中では最高レベルの魔術だが、威力はそんなに高いわけではない。

(ただ殺傷能力は高い為、人間や生き物にとっては最高レベルの魔術)

 

 

 

※感想・指摘・質問がございましたらBBSかmailにてお願いします。

 

 

P.S.

J「やべぇ、本当にどうしよう!? クロノ君倒しちゃっただよもん!?」

フ「今頃になって慌てふためかないで欲しいです……(呆」

 

 

2005年3月28日作成