氷の弾丸をかいくぐり、栞に急接近するフィア


「ちょこまかとすばしっこいですねっ!」

 


ズガガガガガガッ!!


 

さながらマシンガンのようにばら撒かれる氷の弾丸。


「これ程度で私は倒せないです!」

「なら、これならどうです?」


栞は地面に手を当てて叫んだ。


「アイス・ヴァース!」

 


ピキピキピキピキッ……


 


瞬く間に地面が氷漬けになっていく、それが加速しているフィアの所まで近づくと


 


ブァァァァァァン!


 

突如炸裂して氷のツララのようになりフィアを囲むように壁になった。


「!?」

「これはおまけですっ!」


更に上から無数の氷の雨を降らせる。


「きゃあっ!」


フィアは必死に回避を試みるが幾つかはかわしきれずにフィアの服を斬りつける。

 








……この時、フィアの中で何かが弾けた……

 


「あなた如きのレベルじゃ、私に敵うわけありませんよ」

「…………ふふふふっ」

何がおかしいんですか!?」

「ふふふふ……これがおかしくないわけ無いじゃない。あなた如き一介の魔石風情がこの私に本気で敵うと思ってるの?」


容姿とは裏腹な不気味な笑みを浮かべるフィア

心なしか口癖も消えている。


「!? 私の聞き間違いですかね? どうも最近耳が悪くなったようです」


ちなみにこの魔石は彼女に乗り移ってから数時間しかたっていない。


「あぁ、あなたは気にしなくても大丈夫よ。もうすぐあなたは消えるんだから体のことは気にしなくてもいいわ……」

 

 

 

魔法青年 相沢祐一

第六幕「覚醒」

 

 

 

「!? 潰れろ!!」


巨大な氷塊をフィアに向けて放つ

フィアはツララに囲まれていて身動きが取ることはできない。


(勝った……)


栞はそう確信した。

この状況であの少女に回避する術はないと悟ったのだろう。

しかし、その予想は大きく裏切られた。


「ふんっ!」

 


ガキィィィィィィッ!


 

フィアは掛け声一声片手で巨大な氷塊を受け止める。


「!!」

「……一分よ、一分であなたを片付けてあげるわ……」


氷塊を栞に向かって放り投げる。つららを壊しながら突き進む氷塊。


「ふん、冗談がうまいですねっ!」


投げられた氷塊を容易く避け、氷弾をフィアに向かって撃―――


「……いない!?」


しかし先程までいた所はもぬけの殻になっていた。


「どこへ行きまし『50……』……そこですか!」


背後にフィアの声を察知し振り返るが


「……ここにもいない!?」

「37……36……」

 


ドガッ! ドガガッ!


 

「えぅ……一体どこへ……」

「30……29……」

 


ガガガガガガガガッ


 

闇雲に氷弾を放つ栞だが、全く当たる気配が無い。


 

ドムッッッッ!


 

「かはっ……」


何もわからないまま、ボディブローを浴びて壁に叩きつけられる栞。


「20……19……」


その栞に向かってゆっくり歩いてくる一つの影


「あなたは……私に一体何を……」

「簡単な事よ。あなた如きじゃあ逆立ちしても認識するのが無理な位の速度で動いてただ思いっきり殴っただけ。どう? 『如き』にボコボコにされる気分は? 屈辱?」


普段の彼女からは到底想像が付かないような邪悪な笑みを浮かべる

その笑顔を見た時、栞……いや栞の中の魔石は悟った。

この娘にはどう足掻いても敵わない……逃げる事もできない……そう、私は今まな板の上の鯉なのだと


「ふふふふっ……11……10……」


確実に一歩一歩近づいてくるフィア。


「い、いやぁ……来ないで……来ないで……く、来るなぁっ!」


初めて感じた圧倒的な力の差。

初めて感じた恐怖。


「8……7……」

「来ないで……お願いだから……本当に来ないで……」


逃げたくても、恐怖のあまり腰が抜けて動けない。


「5……4……」


そんなことはお構い無しといわんばかりに一歩一歩近づいてくるフィア


「いやぁ……いやぁ……」

「2……1……」

「いや……いや……いやああああああああああああああああああああああっ!」



そこで栞の意識は途絶えた。

 






 

 

「……カウント前に意識を失いましたか……まぁ、魔石にしてはよくやった方ですです」


元に戻った私は少女の体の上にある魔石を拾い上げ、そう呟く。


「さて、祐一さんは無事かな? ちゃんといった通りに魔石を使えば心配ないと思うですけど……」


……うん、やっぱり心配だから行って来よう。

なんか祐一さんって結構無茶しそうだから放っておけないんだよね……あはは、私に人の事をいえる義理は無いかな? なんか私らしくない事をいってるね……

 

とりあえず、この女の子を水瀬家に置いてきたら祐一さんの様子を見に行こうと心に決め、私は魔石をポケットに入れ、少女を背負うと水瀬家へと歩き出した。

 

 

 

後書き:フ「とりあえず、死んでくださいです」

 

バキッ

 

J「ぐふっ……世界を狙えるぜ、その黄金の左……」

フ「まず、ひとこというですけど、なんで私の性格が豹変しているですか?」

J「それは、フィアが切れたから、ほら某ガンダムのパイロットみたいに種がぱぁぁぁぁっと

フ「私はキ○やアス○ンですか……」

J「まぁ、これから追々わかってくる事だからあえてここでは語らない事にする」

フ「やっぱり私のキャラは作りだったんですね……」

J「まぁ、あれが地なのは辛いだろ?」

フ「ま、まぁ……確かにこの年であのキャラは正直きついです」

J「本家はこの年でも使っているがな(ボソッ」

フ「私は天使じゃないので(即答」

J「では、感想・指摘・質問がありましたら是非BBSかmailに報告を下さい」

二人「それじゃあ、さよーならー」

 

 

 

P.S.

J「やっぱり戦闘は苦手だわ……」

フ「誰かコツをこの駄目作家に教えてくださいです」

 

 

2004年11月19日作成