日も既に落ち、暗闇が占める部活棟。
その中の一室でそれは行われていた。
「…………」
妖しげな魔法陣の中心で、魔女が身につけていそうな黒の帽子とマントという風貌の少女がなにやら呟くと、魔法陣が淡く輝きを放つ。
その魔法陣から生じた光は彼女の持つ水晶玉へとまるで誘われているかのように集まり、一つの風景を映し出す。
「……見つけました」
風景の中を一人歩いている青年を見て、それまで全くの無表情だった顔を少しだけ和らげる少女。
それまでの怪しげなオーラも年相応の少女のそれに変わる。
「――には……ない」
誰にとなしに呟いた少女の言葉は、コーヒーに入れた角砂糖のように、すぅっと暗闇の中に消えたのだった。
相沢さんの結婚騒動(Kanon×ToHeart)
by.JGJ
「名雪っ! あと何分だ?!」
「縮地を使えばあっという間だよ〜」
「頼むから現実を見よう、な?」
名雪、生憎だが俺は仙人じゃない。
いつもの通学路をこれまたいつものように爆走する俺と名雪。
この手の掛け合いも最初の頃と比べると随分と慣れたものになった。
着実に人外への階段を登っていると考えると少し哀しいものがあるのは秘密だ。
「で、何分だ?!」
「このまま行くなら100メートルを7秒で――」
「わかった、もういい。それ以上言うな」
つまりそれは世界新で、このまま行くなら遅刻確実だということだな。
……ん? 待て。
「名雪、今『このまま行くなら』って言わなかったか?」
「うん。このまま行くならそうしないといけないけど、この前、学校に行くのにちょうどいい近道を発見したんだよ」
スピードを落とさずに、寧ろ更に上げながら名雪に問いかけるとそう返ってきた。
近道……この前の光景が頭をよぎる。
この前は歩いて20分くらいの道を通ったはずなのに何故か数時間かかったからな。
俺と名雪だけの状況で近道と聞いても安心が出来ない。
「……今度は何時間かかるんだ?」
「何言ってるの祐一? 近道なんだからそんなに時間がかからないよ〜」
同じ轍は踏まない自信があるのか、それともただ単に覚えていないのか。
激しく前者であって欲しいが、名雪のことだからおそらく後者だろう。
まぁ、このまま走れば遅刻は確定なのだから、名雪の言う近道を通るのも一つか。
それで遅れたら名雪のせいにすればいいしな。
「じゃあ、その近道とやらを案内してくれ」
「うん! ここを左だよ」
「よし、先に行くぞ。名雪」
体内のギアをトップからローに無理やり戻す。
がくんと身体が揺れてバランスが崩れるのをなんとか立て直し、前に走りながら体を90度左に向ける。
完全に左側に身体が向くと同時に足に力を入れて加速。
見事に脇道に入ることに成功する。
「ふっ、己の才能が怖くなるな」
「ゆ、祐一! 前っ! まえっ!」
後ろから聞こえた名雪の叫びに、自己陶酔していた頭を切り替えて前を見ると――
「……?」
――誰かの胸があった。
どごぉぉぉぉぉっ!!
明らかに人と人が衝突した時の音じゃない効果音を発して、吹き飛ばされる。
背中からコンクリートに当たったので痛い。
「ゆ、祐一、大丈夫?」
「あぁ、俺は大丈夫……」
心配そうに近づいてきた名雪に大丈夫と手を挙げると、俺はぶつかってしまった人を探す。
どこをどう考えても俺の過失。もしぶつかった人がどこかの組のあんちゃんなら、簀巻きで海に沈まされて、ごぅとぅへる間違いなしだ。
とりあえず、足は逃げるためにいつでもバーニアを吹かせるように構えながら探していると、その人はすぐに見つかった。
スーツを着ているけれど、怖いあんちゃんではなくて女の人だったので内心ほっとする。
「あの、すいません。大丈夫でしたでしょうか?」
「あ、あっと……こちらこそすいませんでした」
「はい」
見た目年上っぽいので言葉に気をつけて聞くと、首を静かに横に振る女性。
どうやら見た目は細いけど意外とタフらしい。
「……」
「あ、あの、俺の顔に何かついてます?」
「……いえ」
俺の顔を凝視していたような気がしたんだけど、どうやら自意識過剰だったようだ。
「祐一! 遅刻しちゃうよ!」
「あ、あぁ……じゃあ、本当すみませんでした」
名雪に引っ張られてその場を後にする。
はぁ、どんなに急いでも遅刻は確定だろう。
「そういうことじゃないけど……なんかよくない予感がするよ。女の勘というやつだよ」
「いつもぽけぽけの名雪の勘なんて当てになるとは思えないけどな」
「……もう!」
「――、発見しました。どうやら、地元の高校に通っているようです」
――だけど、まさかこの名雪の勘が当たるとは、この時は露にも思わなかった。
「全く……お前らは進級する気があるのか?」
「すいません」
「ご、ごめんなさい」
教室で石橋に雑巾も裸足で逃げ出すくらいこってりと絞られて自分の席に座る俺達。
「頼むからあと少し早く起きる努力してくれ」
「努力はするよ」
「努力は実らなければいくらしても実益はないということを理解して欲しいんだが」
「そうね。努力しても実らないとね」
「さすがにそれで相沢が報われないと可哀想だな」
「う〜、どういう意味?」
「言葉通りだ」
「言葉通りよ」
「言葉通りだろ?」
俺と既に着席していた香里と北川の返しに可愛く睨み付けてくる名雪。
まったく、唸って遅刻が減るならいくらでも唸って欲しいものだ。
「さて、突然なんだが、本日は転校生がいる。
男子は喜べ! 転校生は女子、それもかなりの美人だ!」
石橋の言葉にとたんに喧騒に包まれる教室。
まぁ、騒々しいのはいつもの事な気がしないでもないが、そこは敢えて触れない。
「まぁまぁ、落ち着け。それでは入ってきてもらおうか」
音を立てて扉が開く。
紺に近い長髪、少しタレ気味な瞳、まだ制服が届いていないのか前の学校の制服であるワイシャツに薄黄色のベストとリボンの制服。
入ってきた少女に俺は見覚えがあった。
――この北の街に来る前に知り合った先輩の妹で、エクストリームとかいう総合格闘技のチャンプな来栖川財閥のお嬢様。
「お、お前……」
「というわけで今日からこの教室で一緒に勉強することになった」
「来栖川綾香。特技は格闘技、そして――」
そこで少女――いや、綾香は言葉を区切ると、俺の方を指さす。
「――そこにいる相沢祐一の婚約者よ。よろしくね」
「「な、なんだってーー?!」」
さらっと大嘘を吐いてくれる綾香様。お約束のように大騒ぎになる教室。
OK、名雪。お前の女の勘とやらが凄いのは認めよう。
だから今度は俺の中でのお前の信頼度が上がっている時に発揮してくれ。
ま、今頃そんな後悔をしたところで後の祭り。
とりあえず、今は教室を騒がしている誤解を解くところからはじめることにする。
「ちょっと待て、俺はお前と婚約した覚えはないぞ!」
「してもらわないとこっちが困るの」
「は、どういうことだ?」
「す、少しいい? 相沢君。そっちでは話が通じていても、あたし達にはさっぱりなんだけど……」
俺と綾香の口論に遠慮気味に香里が口を挟む。
見るとクラスメートもみんなうんうんと頷いている。
「す、すまん。なんかいきなり過ぎて頭がごっちゃになって説明するのを忘れていたみたいだ」
「そこまで畏まらなくてもいいけど。それでその子……えっと来栖川さんだっけ?」
「綾香でいいわよ。」
「そう、なら綾香さんと呼ばせてもらうけど、綾香さんと相沢君は本当にそういう関係なのかしら?」
「そうだ、羨ましいぞ。相沢」
「北川君、話がややこしくなるから少し黙っててちょうだい」
「……はい、美坂様」
香里の一睨みであっさりと黙る北川。さながら蛇に睨まれた蛙だな。
だけどな、香里。その視線のままで俺の方を向くな。正直言ってマジで怖いから。
「さて、説明してくれるわよね?」
「お、おう、俺と綾香はそういう関係ではなくてだな。
前いた街で綾香のお姉さんと俺が同じ高校だったんだ。それでその人づてに知り合ったというわけ。婚約者云々はタチの悪い冗談だ」
「あら、こっちは冗談にする気なんてさらさらなかったんだけど?」
俺の弁解を無に還すような発言は出来るだけ慎もうな。
そうしないといつか必ずしっぺ返しを喰らうぞ? 主に俺がだが。
「お祖父様が言ったのよ。『二人とも結婚が出来る年齢になったわけだし、そろそろ結婚相手を探さねばな』って、私はこの歳で身を固めるのなんてまっぴらごめん。
だから言ってやったの。『私には好きな人がいて、その人と結婚を前提に考えて付き合っています』って」
なんか話が読めてきた。
ついでにそれは俺にとってロクでもないことだってことも読めてきた。
「で『ならそいつを連れて来い』っていう流れになったと?」
「ぴんぽーん、なかなか察しがいいじゃない」
「だったら浩之でいいだろ!」
「それはダメ、私、あのハーレムに割って入る勇気はないわ」
前の街の親友をだしにして、真っ向から反論してはみるのだが、綾香は涼しい顔でそれを却下する。
「あー、もう! 祐一が首を縦に振るだけで問題が無事解決なんだから、黙ってついてくればいいの」
と、イライラ顔で俺の肩をがしっと掴む綾香。
さりげなく顔が近づいてくるのはきっと気のせいだと信じたい。あぁ、そうだとも。
逃げたいけど、肩を万力のようにギリギリと掴まれていては逃げるに逃げられない。
最早これまでと諦めて、このまま流れに身を任せようとしたその時。
バァァァン!!
あと数センチで唇が触れ合うといったところで、教室のドアが大きな音を立てて開かれる。
そこに立っていたのは、同じく制服が届いていないのかピンク色のセーラーに赤のリボンの可愛らしい制服を纏った、綾香と全く同じ容貌をした少女。綾香の姉である来栖川芹香先輩だった。
「……」
「芹香先輩?」
「……」
先輩らしからぬ行動に戸惑いを覚えている俺やクラスメートを尻目に、無言で綾香にプレッシャーをかけている先輩。
無表情の顔も心なしか怒っているように見えるのが不思議だ。
「な、なんか先輩が怒っている気がするんだが、綾香、お前何かしたのか?」
「……」
「あ、綾香?」
返事がないので振り返ると、綾香も同じように先輩を睨み付けるように見ている。
こっちは先輩とは違って不機嫌のオーラを隠そうともしていない。
それに当てられて腰を抜かしているクラスメートもちらほらと見えた。
気持ちは分かるぞ。かくいう俺も腰を抜かしそうだ。
「……」
「『やっぱり考えることは同じでした』?……そうね。血の繋がった姉妹ですもの」
「……」
常人には聞こえないんじゃないかってくらいの小さな声で話す先輩。
でもそれに慣れている俺達から見ると、その口は確実にこう言っていた。
「『あなたはただ自分が自由になりたいから祐一さんを利用しようとしているだけ。
でも私は違う。私は真剣に彼を愛している。だから彼を私に譲って欲しい』……ね。
バカを言わないで、姉さん。私がただ自由になりたいだけでこんな所まで来ると思うの?
私だって真剣な想いでここに来たんだから。そう易々と渡してあげるわけには行かないのよね」
当事者を置いてきぼりで修羅場が形成されている教室。
さり気なく大胆な告白をされて頬が熱くなるのがわかる。
「知ってるでしょ? 私、格闘技やってるの。このまま退いてくれないと姉さんに何するかわからないわよ?」
「……」
「『それなら私が黒魔術を趣味にしているのを知っていますか?』……えぇ、勿論」
「…………」
「『あなたの攻撃よりも私の攻撃の方が速い、退いてくれないと怪我するかもしれません』
……上等よ。武術と魔術、どっちが上かはっきりさせてあげようじゃない」
と手をポキポキと鳴らしながら先輩に怖い笑顔を向ける綾香と、無表情に且つ黒いオーラを放ちながら魔法の杖らしきものを取り出す先輩。
このまま行けば血を見るのは火を見るより明らかだ。
二人が傷つけあうのを見るのは忍びないし、それが俺が原因だというなら尚更だ。
なんとかして止めないといけないよな。で、でもどうやって止めれば?
そんなムードは一触即発、俺の頭は五里霧中な中、唐突に北川が俺に話しかけてきた。
「婚約者云々で忘れてたけど、来栖川ってメイドロボのあれだよな? 相沢」
「あぁ、メイドロボのあれだ。ちなみに綾香は格闘技の方でも有名らしいぞ?」
「そういえば、テレビで見たことあるような……たしかエクストリームって総合格闘技で優勝したのが来栖川……ってまさか?!」
「そう、そのまさかだ」
「……はー、すげぇな。一体、何をしたらそんな人と知り合いになれるんだ?」
それは俺が聞きたい。そうすればこんな状況にならなかったというのに。
俺は登校途中にたまたまぶつかってしまったところから始まり、その後ちょくちょくと雑談をしたり、彼女の趣味である黒魔術に付き合ったりしていただけ。
綾香においては先輩から紹介された時と、街で偶然会った時の数回しか話をした記憶が無いというのに。
人生というのは不思議なものだ。
でも今の北川との会話のおかげで、それまで混乱していた頭が幾分か冷静さを取り戻せた。
それだけはやつに感謝しておこうと思う。
「二人ともやめろ!」
「「?!」」
二人の間に割ってはいる。
このつまらない諍いの原因なのは俺。だから二人の好意に答えを出さないといけない。
「俺は――」
「お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺の言葉は、窓を轟音を立てながら突き破ってきたそれに掻き消された。
スーツ姿のそれはごろごろと床を転がるとぴたりと止まる。
し、死んでないよな?
「な、なぁ、大丈――」
「お嬢様、この私めに黙ってこのような遠いところまでくるなど、言語道断でございます」
「……」
「お嬢様、私はお嬢様たちを危険から守るためにもいるのです。お手を煩わせないでくださいませ」
俺の心配もどこ吹く風か、窓から飛び込んできた初老の男はさっと先輩の下へと移動すると、おいおいと泣きはじめていた。
この声、この体間違いない。俺、この人あまり好きじゃないんだけどな。
窓から飛び込んできたのは来栖川家史上最強の執事、長瀬源四郎、通称セバスチャンだった。
というかここ3階のはずなんだが……どうやって入ってきたのだろう、謎だ。
「あー、やば……」
見ると、綾香がしまったといった顔をしている。
どうやらセバスには黙ってきていたらしいということが窺えた。
先輩の方はと見ると、邪魔をされたのが相当頭に来ているのか、無表情なのに目は『殺すよ?』と語っていた。
しかもセバスは目的のお嬢様が見つかった喜びかそれに気がついていない。
……骨は拾ってやるから成仏してくれ。
「おい、小僧」
「……久しぶり。セバスチャン」
「ふん、お前のせいでわしはこんな所まで迎えに来なきゃならなくなった。
どう責任とってくれる?」
相も変わらず、先輩方と親しい俺を目の敵にするセバスチャン。
前の街にいた頃から、二人に邪な虫が近づかないように妨害してたし。本当、仕事熱心なことだ。
「いいか、小僧。お前とお嬢様は身分も違えば格も違う。おとなしく諦めるのじゃ」
「ちょっと! 勝手に言っちゃってくれるけど、例え祐一が諦めても私は諦めるつもりなんて毛頭無いわよ?」
「……」
セバスチャンの言葉に猛然と噛み付く綾香。
後ろでは先輩も首をこくこくと縦に揺らしている。
「いくらお嬢様方が諦めないとおっしゃってもこればかりは譲れませぬ。
何故なら――」
「なに? お祖父様直々の命令だとでも言うのかしら?」
だからって従う気はさらさらないけどね、と笑う綾香。
セバスチャンはそれに対して首を振った――縦にではなく、横に。
「何故ならこやつはうちの由真と結婚してもらいたいからじゃ!」
……へ、由真? え、誰?
「由真って、たしかセバスの親戚よね?」
「その通りでございます、綾香お嬢様。
お嬢様方とは結婚させられないとはいえ、相沢様を他の者にやるのは惜しい気がしましての。ちょうどダニエルの孫に女子がいたのを思い出しまして、相沢様の写真を見せましたら、いたく由真が気に入りましての。
それならばお嬢様方との邪魔をしてしまったお詫びとして、由真とそういう関係になってくだされば、一石二鳥と考えたのでございます」
しれっとした顔で俺達に説明してくれるセバスチャン。
いつの間にか二人称が相沢様になってるし。
「ささっ、相沢様。由真も楽しみに待っておりますし、私と共に参りましょう」
「そうはさせないわよ、姉さん!」
「……」
「のわっ?!」
綾香が俺の右腕を、先輩が左腕を掴んで引っ張る。
俺を掴もうとしたセバスチャンの腕が空しく空を切る。
「お、お嬢様?!」
「逃げるわよ!」
「へ? え?」
「祐一は知らない娘といつの間にか結婚させられてましたなんて嫌でしょ?」
それはそうだが、いきなり力強く引っ張らないでくれ、腕がもげるかと思ったぞ。
「……」
「『私ではダメですか?』なんて、そんなわけないじゃないですか」
「なら決まりね」
「お、おい、相沢?」
「すいませーん、私達今日限りで転校します」
「……お世話になりました」
「は、おい?」
「逃がしませんぞぉぉぉっ!!」
綾香達は石橋に勝手にそう挨拶をすると、俺の腕を掴んだまま走り出す。
後ろからはセバスチャンが猛然と追っかけてくる。
「すまん、名雪!」
「祐一、晩御飯までには帰って来るんだよ〜」
「それは難しいと思うわよ、名雪」
すまん、それは無理そうだ。名雪。
それと適切なツッコミありがとう香里。
他のみんなにもお世話になったと伝えといてくれ。
「祐一、一気に撒くわよ!」
「……そうですね」
「お、おう」
セバスチャンに追いかけられながら走る俺達。
今日ほど朝のダッシュをしてよかったと思う日はないよ、本当。
「これから始まるんだから、私とあなたの物語が、ね」
「ん、そりゃ違うだろ?」
そりゃあ、いきなり結婚だとかそういうのにはビックリした。
まだ俺の中では結論なんて出てやしないし、こんな速さで身を固めるつもりもない。
ましてや俺自身、二人のことが好きなのかと聞かれると困ってしまう。
でも、嫌いというわけじゃなくて、友人としては寧ろ好意に値するわけであって。
あー、自分でも何を言いたいのかわからなくなった。だからなにがいいたいかっていうと――
「私じゃなくて『私達』だろ?」
「……」
ほら、先輩もこくこくって頷いてる。
「『今はそれで我慢しておくことにします』ね。それはこっちのセリフよ。
いつでも諦めていいから安心してね、姉さん」
「……上等です」
「あーもう、喧嘩するなって」
今はそんなことより、もう少し両手のぬくもりを感じながら、何もかも忘れて走っていたいってことだ。
あぁ、現実逃避さ。悪いか?
あとがき
自分の文じゃないみたいや。展開が、展開が……・゚・(ノД`;)・゚・
というわけでかなり遅れてしまいましたが、芳野さんのリクエストで『来栖川姉妹と祐一』で書かせていただきました。
リクエストを受けたのが6月の後半、現在10月中盤。
本当ごめんなさい。遅れに遅れすぎてしまって忘れてしまったかもしれませんが。
しかもこれだけ待たせてこんなクオリティorz
ごめんなさいとしか言えない自分が悔しいです。
次回はもっと速く仕上げたいですね。つーか仕上げたいorz
というわけで芳野さん、こんなんなりましたけどどうでしょ?
またのご利用お待ちしてます。
PS.実はセバスチャンエンドとか考えてました。ごめんなさい。
2006年10月16日作成 17日改訂