※この作品は一応ALLエンドで「双恋」とのクロスです。

祐一達は一年進級しています。

双恋のメンバーは高校生という設定です。

……あんまり、Kanonキャラは出てきませんが、そこん所をご了承ください。

なお、桜月姉妹は指定や説明が無ければキラ、ユラの順で台詞を書いております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、名残惜しいけれど今日はここで」

「本当はあなたと一緒に帰りたかったのだけど、今日はお稽古があるから」

「そりゃ残念だ、稽古頑張れ」

「じゃあね、桜月さん。祐一、わたしも部活に行ってくるんだよ」

「おう、寝るなよ。名雪」

 

昇降口でお稽古に向かうキラちゃん、ユラちゃんと、部活に向かう名雪に別れを告げる。

 

「うー、幾らなんでも部活中には寝ないよ」

 

と名雪本人は言っているが奴のことだ、もしかしたら人知れず走りながらも眠る術を身に着けているかもしれん。他の人ではありえないと即答できるが、名雪の眠ることに関する能力は人間の想像を凌駕しているからな。やりかねん。

 

「ふふ、二人とも仲がいいよね。ユラちゃん」

「うん、羨ましいな……一条さん達もそうだけど、私達も幼馴染だったら名雪さんみたいなやり取りができたのかな?」

「でも私達も運命的な出会いをしたんだもの、これから挽回すればいいのよ」

「そうだよね、キラちゃん。私達も頑張らないと」

 

そんな俺達をうりふたつな顔に、同じくうりふたつな微笑ましい表情を浮かべて見ているキラちゃんとユラちゃん。リボンの色以外ほとんど同じ顔の作りである二人は双子である。

始業式の時に転校してきた二人は、転校初日にいきなり俺に告白してきた。

彼女達曰く、『キレイなコートを着て、にっこり笑って私達に手を振った』らしいのだが、俺はイマイチ覚えていない。

肝心の告白の方はあまりにもいきなり過ぎたので、ひとまず友達からということでOKを貰い、今の関係が続いているのだが、ずっとこのままなのも拙いかなと思っている今日この頃である。

 

閑話休題

 

「その為にもユラちゃん、今日は作戦会議よ。一条さん達に負けないように」

「うん、でもキラちゃん、その前にお稽古も頑張ろうね」

「……は〜い、それじゃあね。祐一さん」

「ごきげんよう」

「じゃあね、祐一」

 

と、名雪は部室棟へ、キラちゃん達は護国寺さんが待つリムジンの方へと去っていく。

さて、稽古なんて習っていない帰宅部の俺のやることなんて街に行って鯛焼き怪人うぐぅをからかうくらいしかない。俺もさっさと帰るとするかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校門を出て少し歩いたところだろうか。

住宅街をぼちぼちと一人で下校していると、前におろおろと困った表情で左右を見渡している少女がいた。

容姿は薄い白金髪を黒いリボンでツインにした可愛い系の少女で、パーツが整っているからか、困った表情にもどこか可愛らしさが溢れている。制服はうちのものじゃない。他校生だろうか?

うちの連中も可愛い娘がいると遠巻きには見ているが、さすがに他校生に声をかけるのは躊躇われるのか誰も声をかけない。彼女の方も他校生に話しかけるのは抵抗があるのか声をかけられないようだ。ううむ、気持ちはわからんでもないが、ちょいと可哀想じゃないか?

 

「あー、そこの少女」

「はい、あ……双樹のことですか?」

「そうそう、何か困っているのか? まるで挙動不審な人物だぞ」

「あの、沙羅ちゃん……妹とはぐれてしまって、道に迷ってしまって……」

 

声をかけると、おどおどとした口調ではあるが、はっきりと答えてくれる。

なるほどそういうことか。ここは目印らしい目印もない住宅街。初めてだと迷うというのは頷ける。かくいう俺も三ヶ月に一回は迷っているしな。

 

「商店街まで行ければ、道わかるか?」

 

というわけで下手な道を行くと深みにハマる俺が、それでもこの娘を助けてあげたいって気持ちと妥協した結果がこれだ。

 

「はい、そこからならわかります」

「よし、ならそこまで案内しよう」

「ありがとうございます! お兄さんって、とってもいい人です」

 

帰るのが遅れてしまうが、特に予定もない。

道を教えて丸投げというのも気が引けるし、夕方の住宅街とはいえ近頃物騒だ。

もののついでにと案内をかってでると、彼女がそれを笑顔で承諾してくれた。

それにしてもお兄さんか、なんか呼ばれ慣れていないからムズムズするな。

 

「それにしてもなんでまたこんな所に?」

 

ここが住宅街である以上、ここら辺で見るところなんてそれこそうちの高校くらいだ。

こういうところで迷うとは珍しいという気持ちもこめて彼女に尋ねると。

 

「はい、ここの近くにある高校に行きたかったんですけど」

「ま、そんなところだろうな。もし時間があるなら高校まで案内してから街まで向うが?」

「あ、いえ、もう目的は果たしましたし、妹を待たせるわけにもいかないので……」

 

ということは高校に行った帰りに迷ったって感じだろうか?

一体どんな用で我が高校に来たのか興味があるが、人様のことをあれこれと掘り下げるのは良くない気がして遠慮することにした。

 

「そか、じゃあ行くか」

「はい」

 

商店街までの行程は特に迷うこともなく、大きな問題もなく無事に辿り着くことができた。

長くもなく、短くもないその行程は会話するには丁度良く、互いに話題の種が尽きることもなく実に和やかなムードでここまで来ることができた。

 

「お兄さん、ありがとうございます」

「いやいや、ここまでしか案内できない不甲斐ない俺を許してくれ」

「そんな、あの時お兄さんに声をかけられなかったら、ずっと迷い続けていたと思います。お兄さんは双樹の白馬の王子様です」

 

白馬の王子様とはまたメルヘンチックな。

まあ、男からこんな言葉が出たら問答無用でぶっ飛ばすが、この娘からそういう言葉が出てくると逆に微笑ましく感じる。

というわけでお姫様をお城まで連れてきた王子様は晴れてお役御免だ。

もう少し話していたいとも思ったが、向こうは待ち人がいる、長く引き止めてしまってはいけないだろう。

 

「はは、それじゃあ王子様はこれでおさらばさせていただくとするかな」

「はい、本当にありがとうございました! また今度お会いしましょう!」

 

片手を挙げてさよならの合図をすると、元気に手を振ってお別れの挨拶をしてくれる少女。

うう、いい子や。この子、天然記念物指定レベルに素直で純粋や……、ヨゴレな俺にはその一挙一動が少し心に痛い。

俺は振り返っていた視線を前に戻して帰路についた時にふと気付いた。

 

 

『また今度』?

 

 

その訳を聞こうとしてまた振り返ったが、既に彼女はそこにはいなかった。

…………まあいいか。あまりいい予感がしないんだが。その時はその時さ。

 

 

 

 

 

 

「白馬の王子様みたいに助けてもらったし、それにあんなにお話もできちゃった。

……ふふ、沙羅ちゃん嫉妬しちゃうかな? でもいいよね。やっとお話できたんだもん。

きっと沙羅ちゃんも許してくれるよね? お兄さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Are you Twins? <part4>

by.JGJ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、そこのお前!」

 

あの迷子娘事件から数日後のお話。

また稽古やら部活やらのみんなと別れて一人で校門を出て少し歩いたところ、というかこの前迷子娘に声をかけたところで唐突に誰かの呼び止める声が聞こえた。

女の子の声みたいだが、俺には聞き覚えはない。

まあ、これだけの帰宅部同志が歩いているんだ。きっと俺じゃなくて他の奴に声をかけたんだろう。

と思い、無視して足を進めようとすると。

 

「おい、お前だって!」

 

くいっと制服の裾を掴まれる。

振り返ればそこには裾を掴んでこちらを下から睨み付けている少女がいた。

なんか不機嫌そうなんだが、俺、何かしたか?

 

「俺には見知らぬ少女に呼び止められるような覚えはないんだが」

「私にはあるんだ」

 

そうなると俺が知らない内に知り合っていたのか、それともただ忘れていただけか。

裾を掴んでいた手を離させて少女をまじまじと見る。

肩までかかった薄い白金髪にここらでは珍しい他校の制服。目筋がちょっときつめではあるがその姿は俺の記憶の中のある人物に似通っている。

 

「な、なんだよ、恥ずかしいからじろじろ見るなって」

「あー、もしかしてこの前の迷子娘の親類か何かか? 具体的には迷子娘の妹とか」

 

それは数日前に助けてあげた迷子娘だ。

そういえばあの時彼女は妹を待たせているとか言っていた気がする。

 

「へぇ、よくわかったな。よく私の方が姉と間違えられるんだが」

 

俺の言葉に驚く迷子娘の妹。

いや俺も迷子娘の言葉がなかったら普通に間違えていたと思うぞ。

 

「いや、迷子娘が妹を待たせているって言っていたからな」

「なるほど……ってそんな話をしに来たんじゃない! いいからついて来い!」

 

迷子娘妹に制服の裾を再び掴むとずるずると引きずられる。

迷子娘の親類が出てきたということは、迷子娘関連のことで何かお礼してくれるとか? 

いやさすがにそれは虫のいい想像か。だってこの子不機嫌ぽいし。

まあとにかく行けばわかるだろう。俺は制服が伸びてしまわないか不安に思いつつも、迷子娘妹の引っ張られるのに身体を任せることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迷子娘妹に引きずられて数分。やってきた所は住宅街の合間にある小さな公園だった。

小さな敷地に滑り台と砂場、そして憩いのベンチが一基。目当ての人物もそのベンチに腰掛けていた。

 

「あっ、お兄さん!」

 

引っ張られてきた俺を見るやいなや、勢い良くベンチから立ち上がる迷子娘。

 

「やっぱり迷子娘だったか。数日振りだな」

「もう、お兄さんいじわるです」

「おいお前、双樹にそういう呼び方止めろよ」

 

と妹が俺に厳しく指摘する。いや至極ごもっともなんですけどね。

まあ、例え自己紹介されていたとしても、名前を忘れるのが特技みたいなもののような俺が覚えていられるかはまた別の話だ。

 

「沙羅ちゃん。お兄さんに自己紹介してないんだから仕方がないよ。

 お兄さん、私は白鐘双樹って言います。この子は妹の沙羅ちゃん」

「ふん!」

「双樹ちゃんに沙羅ちゃんだな。あ、俺は――」

「相沢祐一さん、ですよね。お兄さん」

 

こっちも自己紹介しようとすると、向こうから俺の名前が出てきた。

あれ? こっちは自己紹介なぞしたかな?

 

「ほら、双樹」

「さ、沙羅ちゃん、えっと、その……」

 

沙羅ちゃんに背中を押されて双樹ちゃんが前へ出る。

双樹ちゃんは何か言いたそうな顔なのだが、顔を赤くしてしまって声に出すことができないみたいだ。

 

「今日お前を連れてきたのは、双樹からお前に伝えたいことがあるからなんだ」

「伝えたいこと?」

「双樹、私ができるのはここまでだからな。あとは自分で言葉にするんだ」

「う、うん……」

 

沙羅ちゃんに励まされて双樹ちゃんが意を決した表情に変わる。

こういう光景を見ていると、双樹ちゃんよりも沙羅ちゃんの方がしっかりとした姉に見えてしまうのは仕方ないことだと思いたい。

 

「お、お兄さん!」

「お、おう?」

「お兄さんのことが好きです! よかったら双樹を彼女にしてくれませんか!」

 

ザワールド、時は止まる。

イマコノコナニイイマシタカー?

 

「おい、大丈夫か?」

「ああ、俺はどうも疲れてるらしい。今、この子に好きだと告白された夢を見たんだ」

「それはきっぱり現実だ! 目を覚ませ!」

 

沙羅ちゃんにオラオラと肩をがくがく揺さぶられて再起動する。

ゆ、夢じゃない……? なぜなにホワイ?

 

「ははは、沙羅ちゃんとやら、いくらなんでもほとんど面識のない双樹ちゃんが俺のことを好きだと言う訳ないだろう?」

「私だってなんでお前なのかわからないけど、双樹がお前のことが好きなんだって!」

「はい、双樹はお兄さんのこと大好きです! いつも遠くからお兄さんのことを見ていて、あの日は勇気を出してお兄さんの学校まで行ってみようって思ったら迷ってしまって……」

 

こういう真っ直ぐな好意はやっぱり照れる。キラちゃん達で慣れたと思っていたのだが、俺もまだまだらしい。

 

「そんな時にお兄さんが助けてくれたんです。あの時のお兄さん本当にカッコよくって、双樹、お兄さんのことがもっと好きになってしまいました」

「そ、そーなのかー」

「情けないやつだな、本当、双樹もなんでこんな奴好きになったんだか」

「もう、沙羅ちゃんだってこの事を話した時、お兄さんのこと――」

「わー! わーっ! それ以上言わなくていいから!」

 

双樹ちゃんの口を慌てて押さえる沙羅ちゃん。

ううむ、何と言っていたのか気になるような、結局罵声だったりするんだろうから気にならないような。

 

「そ、れ、よ、り! お前の返事だよ。双樹みたいな可愛い子がお前の事を好きって言ってるんだから、当然OKだろう?」

 

と顔を近づけて若干脅迫紛いな感じに俺に言い寄る沙羅ちゃん。

 

「沙羅ちゃん! お兄さん、沙羅ちゃんの言っていることは気にしないでください。

私はお兄さんの答えがどんなでも受け入れる準備はありますから」

「いいからお前は「はい」か「イエス」か「ウイ」と双樹に言えばいいんだ!」

「ちょ、ちょっと待て、展開が早過ぎてついていけないんだが、さすがに会って間もない人の告白を受けられないぞ?」

 

月並みだがこういうのはお互いを知ってこそだと思うし、何より俺には告白を待たせているキラちゃん達もいる。

決着のついてないキラちゃん達を差し置いて、告白を受けるなんてことできない。

 

「そ、そうですか……」

 

明らかにしょんぼりとした表情の双樹ちゃん。

うう、そういう顔されると弱い。

キラちゃん達のときもそうだったのだが、こういう悲しい顔をされるとどうにも罪悪感が。

 

「そんなこと――!」

「いいの沙羅ちゃん。お兄さんの言う通りだと思う。

双樹だってあまり知らない人にいきなり告白されたら困っちゃうもの」

「本当にごめんな、双樹ちゃんは可愛いから、きっといい人見つかると思うぞ?」

「――っ!!」

 

双樹ちゃんには悪いけど、これでいいんだ。

断られても涙を流さない双樹ちゃんはとても心が強い子だと思う。この芯の強さがあれば、もっといい恋愛ができる。

これで話は終わったと俺は踵を返そうとすると、沙羅ちゃんが口を開いた。

 

「だ、だったら! お前が双樹のことを理解できればいいんだな!」

 

沙羅ちゃんの一言に呆然とする。

いやそれはそうだけど、今すぐにはそれが無理だからこうやって断ろうとしてるんじゃないか?

 

「お前が言ったんじゃないか。双樹とはお互いのことがわかってないから付き合えないって」

「いや確かに口にしたが」

「つまりお前が双樹のことをわかってやるだけの時間があればいいんだろう!

 だったら暫く双樹と友達として付き合ってもらって、双樹のことを知ってから答えを出してもらえばいい!」

「へ?」

「え、えええっ!」

 

沙羅ちゃんの提案に双樹ちゃんも驚いている。

俺はキラちゃん達の前例もあるから、双樹ちゃんほどには驚かなかったが、それでも沙羅ちゃんからそういう言葉が出てくるとは思わなかった。

 

「双樹は身内の掛け値なしで本当に良い子なんだ。知ってもらえれば、絶対好きになる。

断られてこんなこと言うのは図々しいってわかってる、だけど知り合って間もないなんて理由だけで双樹の初恋を終わらせたくなんてないんだ!」

「沙羅ちゃん……」

 

沙羅ちゃんの言葉を重く受け止める。

そこには沙羅ちゃんの溢れんばかりの双樹ちゃんへの愛情と覚悟が詰まっている。

俺にはこれを軽々しく突っぱねることなんてできなかったし、知らないからとそれだけで断ろうとした自分を恥じた。

そうだよな、キラちゃん達の時だってお互いを知らなかったからお友達から始めようと言ったのは俺だった。

キラちゃん達と決着がついてないからこそ、双樹ちゃん達を知らないからとすぐに断るのは何か違う気がした。

もしかしたらこの選択はもっと傷つけてしまうような選択かもしれない。

だけど、だからといって一世一代の告白を無碍に扱っていい理由にはならないんだ!

 

「わかった! そうだよな、知らなかったら知ればいいのか。

沙羅ちゃんに言われて目が覚めた気がする。ありがとう」

「べ、別にお前のためにしたことじゃない。双樹が悲しむ顔が見たくなかっただけだ」

「で、だ。もし双樹ちゃんがいいなら、お友達から始めてもいいか?

 俺も双樹ちゃんのことを知ってちゃんと答えを出すことにするから」

 

俺は双樹ちゃんの顔をうかがいながら尋ねてみる。

沙羅ちゃんと俺の間ではそういう流れにはなっていたが、周りがどう騒いでも当事者の双樹ちゃんはどう思っているのかが重要なのだ。

 

「はい、勿論OKです。双樹達のことお兄さんに知ってもらえるように頑張ります!」

「その意気だぞ、双樹……まて、双樹『達』?」

「うん、沙羅ちゃんだって、お兄さんのこと大好きでしょ?

 お兄さん、沙羅ちゃんも身内の掛け値なしに本当に良い子なんです。沙羅ちゃんのことも知ってもらえたら、お兄さん絶対沙羅ちゃんのこと好きになります」

「そ、そそそそ双樹?! 私は別にこいつのことなんて好きじゃ――」

「もう、沙羅ちゃんたら、素直じゃないんだから」

「違う!」

 

二人のやり取りがなんか微笑ましい。

姉妹の絆というのだろうか。お互いがお互いを大切に思っている。

それにしても、双樹ちゃん。沙羅ちゃんが俺のことを好きっていうのはないと思うぞ?

ほら、だって俺、嫌われているみたいだし?

 

「そんなことないですよ。双子の双樹にはわかるんです。双樹が大好きなんだからきっと沙羅ちゃんもお兄さんのことが双樹と同じくらい大好きなんです」

「へ、二人って双子だったのか?」

 

キラちゃん達、薫子ちゃん達、親戚にも一組いるし、どうも俺は双子にほとほと縁があるらしい。容姿は似ているとは思ったがまさか双子だったとは。

 

「まあ、性格は似てないとはよく言われるな。双子だから何でも似るとは限らないだろう?

そういうことだから、双樹の言うことを真に受けたりするなよ。双子だから好みも同じとは限らないからな」

「うふふ、沙羅ちゃん素直じゃないんだから」

「ツンデレだな。わかるぞ、双樹ちゃん」

「ふふ、わかります?」

 

顔を赤く染めて反論する沙羅ちゃんに、それをニコニコ笑顔で見る双樹ちゃん。

自然に俺の顔も綻んでいるのがわかる。うむ、弄られ役。弄りがいがありそうだ。

 

「お前も反論してくれ! 俺が好きなのは双樹だけだとかさ!」

「それはお兄さんに双樹達のことを知ってもらってからだよ。沙羅ちゃん」

「うむそうだぞ、双樹ちゃんを知るためには沙羅ちゃんを知らないといけない!

 ねー? 双樹ちゃん」

「ねー? お兄さん」

「そ、そんなわけあるかー!」

 

勢いよく飛んできた沙羅ちゃんの蹴りを食らい、俺の意識は華麗にすっ飛んだ。

う、ぐ、ぅ、からかいすぎたか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

※今後白鐘姉妹は指定がない限りは、双樹、沙羅という順で台詞を書いていきます。

 

 

あとがき

双恋を知った最初の頃は白鐘姉妹の魅力にほとんど気付きませんでした。

双恋が終わって、たまにゲームをしたりすると白鐘姉妹の魅力にものすごく気付かされました。

つまり白鐘姉妹を書きたかっただけ。そういうこと。

一応次回に続きます。次の話じゃ桜月姉妹と邂逅あるかも。

お、今更だけどいよいよ双恋らしくなってきたぞ!

 

 

 

 

 

 

2009年3月28日作成