〜属性A〜
休み時間、廊下を歩いていると前から小牧が歩いてきた。
「おっ、小牧」
「あ、河野君、ごきげんよう」
「は?」
俺に向かって丁寧に礼をする小牧に口が塞がらない。
ご、ごきげんよう?
平日の一時くらいにやってるサイコロ転がしてくっちゃべるあれか?
「あ、河野君にわかりやすく言えば『こんにちは』でしたね」
「いや、意味はわかるんだが、いきなりどうしたんだ? 小牧」
たしかに小牧は以前から意味がわからなかったが(決して悪い意味ではなくてだぞ。ほ、ほんとだよ?)、今回はどうしたのだろうか?
「少しお嬢様ぽくしてみようかなって思いまして」
「お嬢様ぽく……ねぇ」
小牧の風貌を上から下までじっくりと見てみる。
まぁ、頑張れば見れないことも……ない、かなぁ?
「以前、不幸とか非力とか言ったと思うんですけど、あれって昔の卒業生に先客がいたらしいんですよ。
だから今回は趣向を凝らして、『お淑やか』と『お嬢様』路線で行こうかと思って」
「……」
神様、なんで小牧はこんなに黒いのですか?
黒い愛佳さん 略して黒マナ3 <2ndいぐにっしょん>
〜ToHeart2 ショートショート〜
〜盲点〜
「でも、それも先客いるでしょ? タマ姉とか久寿川先輩とか」
「は、はうぅ〜〜!!」
「あっ、こら! やめっ、悪かった、悪かったから、噛み付くな!」
〜打開策〜
「じゃあ、いっそのこと卒業しても制服で校内に入り浸って、時々『まなかんキック』を喰らわすような破天荒キャラに」
「残念だがそれも先客がいる」
「……」
「……?」←身構えているが何も起こらないのを不思議に思っている。
「……」
「……」
「は、はうぅ〜〜〜!!」
「うわっ?! 時間差かよ!」
〜名言〜
「おぉ、小牧に河野じゃないか」
「あ、先生」
「小牧、河野が困るから電波の使いすぎには気をつけろよ? はっはっは」
「……先生?」
「どうした? 小牧」
「古い『者』でもきっと誰かが必要としてるはずですよね」
数日後、この先生は網走の学校に飛ばされたらしい。
〜埋め〜
「んしょ、んしょ」
「どうしたんだ? またスコップで大きな穴を掘って……も、もしかして! ま、また由真を埋めようとしてるんじゃ―――」
「嫌ですよ。そんなことするわけないじゃないですか」
「ほっ……そうか」
「由真なら既に埋めちゃいましたから♪」
「由真ぁぁーーーーーーーーー!!」
〜埋めA〜
「冗談です。いっつ あ セントビンセントおよびグレナディン諸島ジョークです」
「はぁっ……はぁっ、なんだよその世界で二番目に長い名前の国のジョーク」
由真を探して学校中を探し回ったため、ぜぇぜぇと息をつく俺に対し、にこやかな笑顔でジョークとのたまう小牧。
ちなみに一番はグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国らしい。
つまりはイギリス。
「本当はこれを埋めようとしたんです」
と小牧が見せたのは―――
「ぬ、ぬいぐるみ?」
ぬいぐるみなら大丈夫だな。
いや、埋めるという行為自体が大丈夫じゃないか。
……だんだんと毒されてる自分がいるのに気付くなぁ。
「それなら、まぁ……よくはないけどいいかな」
「そうですか。それならよかったです。
本当、後付けで胸を3cmも増やそうなんてそんな羨ま―――げふんげふん、許しがたいこと許せませんよね〜」
「あぁぁぁぁぁっ!! すまんクマ吉ぃぃ!! 全然っ! 気付かなかった!!」
『……(泣』
〜光明〜
「おーい、小牧!」
「どうしたんですか?」
「小牧の新しい属性を発見したんだよ!」
「本当ですか?!」
「あぁ、聞いて驚くなよ。実は小牧はヒロインの中で一番ヒップが大きいんだ!」
「へ?」
「だからこれからは通称デカ尻いいんちょ―――」
「いやあああああああああっ!! そんなカレー好きと一緒にしないでくださいぃぃぃっ!!」
あとがき
ぼくはしっています。
いいんちょはいっぱいぞくせいをもってるんです。
ただそれがぜんめんにでてきていないんです。
そうしんじてます。
でも最後のヒップがヒロイン中最強なのは本当の話。(まーりゃん先輩が不明だが
にしてもまーりゃん先輩って面白い人ですよね。XRATED、高校卒業したら絶対買ってやるんだ(ぉ
2006年2月22日作成