※一応、愛佳ルートのイベントとは特に関連性はないということでお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜属性〜

 

 

「うぅ、うぅ、う〜ん」

 

放課後。

特にどこに行くというわけでもない俺は帰宅しようと校門の前までやってくると、大きな荷物の数々と格闘してる小牧を発見した。

 

「委員長?」

「えっ、わ、河野君」

 

持ち上げるのに力を入れているのか、顔を真っ赤にしたままこちらを振り返って小さく礼をする小牧。

 

「これって……?」

「図書室に入る新刊です」

「検品は?」

「あ、それは既に終わりましたから、今はこれを図書室に運ぼうと思って」

 

そう言うと再び荷物と格闘する小牧。

されど荷物は上がらない。

ぱっと見でも十数キロはありそうな箱だから、普通の女性の細腕じゃ中々上がらないのだろう。

 

「手伝うよ?」

「いえ、大丈夫です。問題無し。無問題ですから」

「この状況で余裕かまされてもな」

 

顔を赤くしながら荷物を持ち上げてる姿は余裕とは程遠いものだ。

 

「これ、委員長一人で?」

「いえ、あたしの仕事は受け取りの確認だけだったんですけど―――」

 

小牧が指差した先にはうっすらと鉛色の雲が広がっている。

 

「あの天気ですから」

「なるほどね。じゃあ、余計に俺が手伝った方がいいんじゃないか?」

「いえ、本当にいいんです。さっきも図書委員に手伝おうかって聞かれたんですけど」

「そ、そうなのか? じゃあなんで―――」

「だって、ここで荷物を持てなくて雨に濡れれば『不幸』『非力』の両属性をゲットできるじゃないですか」

 

 

いつの間に小牧はこんなに黒いキャラになったんだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒い愛佳さん、略して黒マナ3

ToHeart2ショートショート集

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜壮大な計画〜

 

「……いや、手伝う」

「そんなっ! そしたらあたしの『ToHeart2 最萌ヒロイン君臨計画』はどうなるんですかっ?!」

「そんな計画、宇宙空間にでも捨ててしまえ」

「そんなことしたら、地球の重力に引かれて落っこちてきます……なのよ?」

「……アク○ズかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜いいんちょ〜

 

「そういえば……」

「どうしたんだ? 小牧」

「さっき、あたしのこと『委員長』って呼びませんでした?」

「い、言ってない言ってない! そんなこと言ってないって、委員長

「……」

 

俺に向かって優しい微笑を向ける小牧。

しかし、放たれる威圧感はタマ姉がマジ切れしたときのそれを遥かに凌駕してるのが肌でひしひしと伝わってくる。

 

「……」

「……」

「……」

「……あっ、手が滑っちゃいました」

 

どさっ

 

「のぐぅ?!」

 

持っていた小さ目の箱を俺の持っているは箱の上に乗せる小牧。

しかもこれが異様に重い。

何が入ってるんだよ。これ。

 

「な、何が入ってんだよ、いいん―――」

「あぁ、このままだともう一回手が滑ってもう一つ箱を乗せてしまうかもしれません」

「……」

「あっ、手が滑りました」

 

どさどさっ

 

「のがぁ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜いいんちょA〜

 

「違うって! 委員長なんて言ってない!」

「また言いましたね? もう一箱、乗せますよ?」

「おい、さっきのは手が滑ったんじゃ―――」

「あっ、手が滑りそうです」

「ありませんよねぇ! いやはや本当、なに言ってるんでしょうね。ボク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜いいんちょB〜

 

「ところで、この小さい箱。何が入ってるんだ?」

「なに言ってるんですか……………………………………………………………………本、なのよ?」

「なんだよ。その微妙な間と変なタメ口」

 

 

がさっ、がさがさっ……

 

 

「おいっ、ちょっ、まっ、なんか動いたぞ?! この箱!」

「なんでもな〜い、なんでもな〜い」

「あ○きちゃんのOPかよ!」

ワシントン条約をちょっと違反しているくらいですから、大丈夫です。

おいちゃん、嘘つかないし」

「大丈夫なわけあるかぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜MTG〜

 

「黒が3マナあれば惑乱の死霊を召喚できるんですよ?」

「いや、意味わからんし」

「それじゃあ、異形の騒霊を召喚できます」

「余計こんがらがるだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜出る杭は打たれる〜

 

「んしょ、んしょ」

「どうしたんだ? 小牧。スコップで穴なんか掘って」

「はい、ちょっとお仕事を」

「仕事?」

「はい、ちょっといろいろイベントやフラグを起こされて目障りだったものですから」

「イベント? フラグ?」

「危ないところでした。あと一歩でダニエルが出てくるところでしたから。

 でしゃばらずにあたしの誕生日を教えておくだけにしとけって感じですよね?」

「ゆ、由真―――――――っ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜いいんちょC〜

 

「あ、委員長」

 

廊下ですれ違った小牧にそう挨拶してから、己の失態に気付く。

見ると、小牧はまるで幽鬼のようにゆらりとこちらを見据えている。

しっかりとリスニングしてましたか……

 

「……また、言いましたね。河野君」

「ち、違う! 断じて違う! い、今のは……そう! 委員長じゃない、『いいんちょ』って言ったんだ!」

 

我ながら酸素欠乏に陥ったモルモット以上に苦しすぎる言い訳だ。

もしボコられたら絶対雄二を殴ってやる。

思いっきり責任転嫁な八つ当たりだが。

 

「……」

「……だ、ダメか?」

「まぁ、今回は許してあげます」

「おっしゃあ!」

「でも」

「へ?」

 

 

ぎりぎりぎりぎり

 

 

「あっ、痛っ、か、肩、肩に、食い、食い込んでる、からっ!」

「次はありませんよ?」

「……は、はひ」

 

こ、怖ぇ……

 

「もし、次、その言葉を口にしたら……」

「口にしたら?」

「図書委員長に後ろの童貞、散らせますよ?

 彼、BLに興味があるそうですから」

「い、いやあああぁあぁあぁあああああっ!!」

 

 

それから三日間。俺は小牧と図書委員長から避けるように生活したのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわっとけ

 

 

 

 

 

 

あとがき

なんてものを書いているのだろうか。

駄文も駄文、妄想垂れ流しの小説と呼ぶにもおこがましい出来、お許しください。

これで面白ければいいのだけれど、面白くないから質が悪い。

 

初めは某HPのブラック愛佳に触発されて、ダークな感じの黒い愛佳が書きたいって思っただけなのに。

いつの間にこんなコメディっぽい黒愛佳に?

なんか黒なのはと競演させてみたくなったのはここだけの秘密(ぇ

あ、でも、これなら愛佳ファンに刺されなさそうだ(それはない

 

 

 

 

2006年2月15日作成