――きっと、楽しい一日になる筈だった。

――聖君と一緒なら、いつまでも楽しいと思えた。

――いつまでも、普通で居られると思っていた。


「でもそれは、私の願望でしかなかったんだね……」


――心の何処かで望んでいた、その想い。

――普通の女の子で居たい、唯それだけなのに……。

――それでもやっぱり、神様は私の存在を認めてはくれなかった。


「……ぁ」

「聖君?」


――ボロボロになりながら尚、私を守ろうとしてくれた人。

――私の膝の上で眠っていた彼が、漸く目を覚ました。

――穏やかな寝顔をもう少し見たかったけど、不謹慎だから蓋をする。


「大丈夫? 痛い所ある?」

「あぁ、問題無い。つーか、こんなの日常茶飯事だって」


――苦笑いしながら口ずさむ言葉に、ホッと安堵の息を吐いた。

――それが強がりだと分かっていても、笑い掛けてくれる彼に悪い気はしない。

――すると聖君は、キョロキョロと辺りをゆっくりと見回し始めて……ある一点を見詰めた。


「クレープ、駄目にしちまったな」

「えっ……?」


――何か物悲しげな視線の先、食べ掛けたまま地面に落ち崩れたクレープがあった。

――その言葉の意味が、今の私には分からない。


「最後まで、楽しいままで居たかったのに……」

「――っ!?」


――でも、その一言で気付いてしまった。

――彼は最初から最後まで私達の、私の願いを叶えようとしてくれた。

――それが故意であったとしても偶然であったとしても、聖君にとっては何も変わらない。

――家族や友達に向ける彼の想いに、嘘偽りなんて無いから。

――あのクレープはきっと、今日一日という日を表してるんだろう。

――甘さたのしさが目の前で崩れ去った、という事の暗喩。

――聖君は最後まで、私と一緒に……。


「ったく、俺もお前もさ……」


――ツイてねぇよな。

――その弱々しい笑みは、儚げに映って……。


「そうだね」


――私はそう答えるしかなかった。

――見たくなかった、聖君の自虐的な顔は。

――見たくなかった、傷付いた聖君を。

――見たくなかった、私の所為で傷付いてしまった事実を。


「……」


――だから私は、心に決めてしまった。

――神様が、私を人として認めてくれないなら……。

――私の存在が、皆を傷付けてしまうなら……。

――私は、…………人に愛されないと決めた。

――だって私は………………『夜の一族バケモノ』なんだから。










少年の誓い

〜魔法少女リリカルなのはAs〜


SルートgU「自覚と決意」











 ボロボロになった土曜日が明け、日曜を越え、そして今に至る。

 少しばかり痕は残ったものの、他は全く問題無い状態にまで回復した。

 昔から気にはなっていたが、俺の自然治癒力は異常なんじゃないかと疑ってしまう。

 まぁ、都合が良いから構わないけどさ。

 そんなこんなで月曜日、学校に来た訳だ。


「なるほど、かなり手酷くやられたようだな」

「別に良いだろ、そんな事」


 目の前に立つ『地球上の異端分子』高杉信也は、何を悟ったのか上から目線の発言をかましやがった。

 ニヒルに笑む姿は、正直ムカつく。


「お前がここまでやられたのだ。人質を取られたか、滝川道場の師範にでもやられたのだろう」

「いや、後者は無いだろ」


 前者は当たっているけどさ……。

 言い訳をするつもりは無いが、あの状況ではあぁするしか無かった。

 俺が傷付くのは構わないが、すずかが傷付くのだけは堪えられない。

 だから自分の行動に後悔は無いし、アイツに責任を押し付けるつもりも毛頭無い。

 ――ついでだがコイツの言っていた滝川道場とは、海鳴にある剣道場である。

 地元の少年少女が日々鍛錬に勤しむ、とても神聖な場所。

 そこの師範である滝川当真さんは、無類の強さを有す強豪だ。

 俺も数度、教えを請う事もあったりする。


「そうだな、あの人は必要以上の手は下さない」

「フン……」


 どうやら、コイツは相手の検討が付いてるようだ。

 俺がとことんボロクソにやられた事を察知したようだし、事実を知るのも時間の問題か。

 まぁ、余計な事はしないだろうから放っておいても問題は無いな。

 と、教室に入ってきたあの姿は……。


「ハラオウンとバニングスか」


 ん? 何か様子が……。


「アイツ等、どうかしたのか?」

「何がだ?」

「いや、いつもと少し違うような……」


 隣の高杉は気付いていないようだが、俺には何となくだが分かる。

 表面上は普段通りを装っているが、どこか浮かない様子が垣間見えたのだ。

 毎日顔を合わせてる俺からすれば、その事実は首を捻るしかない。

 ――今まで一度たりとも、そんな風景を見た事が無かったから。


「……」


 否が応にも気になってしまう。

 友人として聞くべきか、敢えて聞かざるべきか……。

 と考えていると、ハラオウンが俺の前の席に着く。


「おはよう、聖」

「おう、おはよう」


 その笑顔は、少し無理してるように見えた。

 うむ、やっぱり聞かないのは無しだ。

 余計なお世話だろうが、こんな顔を見るのは嫌だ。


「何かあったか?」

「……やっぱり分かっちゃう?」


 アハハ、と力無い笑みで答えるハラオウンに、心の中の心配が大きくなる。

 こんな弱気な少女は、出会ってから初めて見た。


「今日ね、すずかが休みなんだって」

「――――えっ?」


 数瞬、その言葉を理解し咀嚼。

 すずかが、休んだ?

 どうして?


「体調を崩したって聞いたんだけど、今までこんな事無かったから」

「心配だって事か」

「……うん」


 そりゃ確かに、コイツでなくとも心配になるさ。

 声には出してないが、俺もその言葉に動揺を隠せていない。

 だって件の少女は、2日前に一緒に居たのだから。


「そっか……」


 もう何年もの付き合いなんだ、俺以上に心配な筈だ。

 それは、バニングスも同じだろう。

 教室の端の席に目を向けると、少し神妙な顔付きで机を見つめてる。

 きっと今まで無かった事態に、アイツも何か不安なんだろう。

 そして、俺もまた……。

 昨日の事が脳裏を過ぎって、気が気ではなかった。










〜Interlude side:SUZUKA〜



 窓の奥に見えるのは、季節に似合った晴天。

 雲一つ無いそれは、今の私には眩し過ぎる。

 いつもだったら何て事は無い、いつも通りの青空だった。

 それが今は、こんなにも……


「眩しいなぁ」


 あまり見過ぎると、気分が滅入ってしまう。

 この世界は、私には綺麗過ぎる。

 私のような、人間でない者には……。


「でも、あの人は……」


 私の家族、姉である女性――――月村忍。

 あの人は私と同じなのに、自分自身を偽らない。

 自分の存在とこの世界を、きちんと見据えた上で生きている。

 私には分からない、それがどういう意味を持つのか……。

 それでも思うのは……、純粋に羨ましいという事。

 何でお姉ちゃんは、あんなに真っ直ぐに生きられるんだろう。

 数年前までは何に対しても冷めていたのに、何がそこまで変化させたのだろう。

 ………………きっと、恭也さんのお陰なんだろう。


「好きな人、か……」


 誰かを好きになる、誰かに好きになってもらう。

 それは友愛などではなく、相手を只管に想う愛情。

 純粋で綺麗な、人の持つ原初の感情。

 ……なら私も、好きな人が居れば変わるのだろうか?


「でもそれは、唯の真似事」


 自分を変えたいから、誰かに恋をする。

 そんな下心で手に入れるモノに、本当の輝きは無い。

 そしてその輝きは、私には不釣合い。

 あぁ、どうすれば良いんだろう……。

 いつまでも学校を休む訳にもいかないし、今後の対応を考えないといけない。

 なのはちゃん達は今まで通りで大丈夫。

 でも、彼だけは――――


「聖君……」


 勉強机の上にある本を見詰める。

 ハードカバーで装丁された数冊のそれは、彼から借り受けたもの。

 様々なジャンルを網羅した彼の家には、私の心を揺さ振る作品が幾つも存在した。

 ……これも、もう返さなくちゃいけないよね。



『これ、約束の物だ』




「……」


『今回も、中々良い物を揃えてきたぞ』




「……」


『この前のヤツはどうだった? 個人的にはかなり良作だと思ってるんだが……』




「……」


『やっぱりなぁ。お前もそう思うよな!!』




「……」


『今度さ、お前の本も貸してくれよ』





 色々、本当に色々思い出す。

 本が視界に入った、唯それだけなのに。

 それだけ『本』というものに、私と彼の繋がりがあったのだろう。

 なのはちゃん、アリサちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃん、4人とは違う繋がり。

 特別でも何でもないそれが、私には酷く特別に見えた。

 本を借りる度、彼の知る世界を見る度、私自身が聖君に近付く感じがした。

 嫌いじゃなかった、その感情。

 でも分からない、それが何なのか……。

 ――一体、これは何?

 晴れ渡る空は、強い日差しは、流れる清風は、何も答えてはくれない。



〜Interlude out〜










「ちょっといい?」


 4時間目の授業が終わり、さぁ昼休みだという時。

 唐突に、バニングスが声を掛けてきた。

 瞳は真っ直ぐに、表情は真剣そのもの。

 とても昼飯時の談笑をするとは程遠いと、彼女の顔が物語っていた。


「あぁ、別にいいが……」

「それじゃ中庭に行きましょ」


 手に持った弁当箱を見せながら、俺を促す少女。

 あまり急かしてはいないが、「モタモタしてないで早く来なさい」というプレッシャーを感じた。


「フェイト、そういうワケだから、アタシと瑞代はそっち行けないから」

「う、うん。なのは達に言っておくね」


 鞄から弁当箱を取り出してる間に、バニングスは前に居るハラオウンに声を掛けていた。

 こっちの会話が聞こえてたらしく、それだけで納得して席を立つ。

 少しどもってたのは、バニングスの圧力に屈したからではないだろう…………多分。

 ともあれ、俺とバニングスは中庭へと向かった。










 中庭にある木陰のベンチに、俺とバニングスは腰を下ろす。

 最近はめっきりと暑くなり、木陰でなければまともに飯も食えない。

 涼風が吹いてくれるのが唯一の救いだと感じながら、隣の少女が口を開くのを待つ。

 元々、此処に来たのはコイツが俺を呼んだからだ。

 そしてコイツが、意味無く俺を呼ぶとは考えられない。

 故に俺が出した回答は、俺に聞きたい事があるという事。

 しかも、ハラオウン達には聞かれたくないという条件付きの。

 まぁ、大体予想出来るのだが……。


「単刀直入に聞くわ。――――一昨日、何があったの?」

「まぁ、そうだよな」


 あまりにもそのまんま過ぎて、思わず声が漏れてしまう。

 今まで休んだ事の無い月村が体調を崩し、学校に来なかった。

 長年の付き合いがあるバニングスからすれば、それは疑う余地のある状況なのだろう。

 そして原因となれば、一昨日のデート(もどき)を疑うのが一番。

 つまり、俺がすずかに何かしたのだろうと踏んでいる。

 だが俺には、アイツがそこまで避けるような事をした憶えも、された憶えも無い。


「それじゃあ、その薄っすら残ってる痣は何よ?」

「あぁ……これか」


 言われて漸く気付く辺り、本人も殆んど気に掛けなかったコレ。

 触っても痛みも無いし、正直あるだけ無駄だろうとしか言えない。

 瀬田やハラオウン達に心配掛けるだけだし、刺青は趣味じゃないし……。


「ちょいとバイオレンスな場面に出くわしてなぁ」

「本当の事言いなさい」

「……はい」


 視線にナイフのような鋭さを込めて、俺を睨み斬るバニングス。

 ったく、俺としてもすずかとしても、あまり言いたいものじゃないんだが……。

 しかし目の前の少女が真剣なのもまた事実で、これ以上は誤魔化せない。

 仕方ない、そんなニュアンスの息を吐いて口を開いた。

 あまり語りたくない、2日前の事態を……。










 …………

 ………

 ……


「と、こんな感じだ」


 数分後、俺は話すべき事を話し終え、その一言で締めた。

 隣で一字一句漏らさずに聞き入っていた少女は、苦虫を噛み潰したような顔で俯いている

 まぁ、流石に飯時に話すには、少々場違いな部分があったのは否定しない。

 だがもう過ぎた話で、俺もこうしてピンピンしてるし、そこまで思い詰める必要も無いだろうに。


「瑞代……」

「ん、どした?」

「もしアタシがすずかと同じ立場だったら、きっと同じ事をするかもしれない」


 静かに、ゆっくりと語りだすバニングス。

 敢えて相槌も横槍も入れない。


「折角の楽しい日にそんな事があって、正直な所、気が気じゃない」


 組まれた手はギュッと握られていて、何かに耐えるような辛さを見せていた。


「自分の所為でそこまで傷付いて、アタシじゃ顔を合わせるのも辛い」


 歯を食いしばって言葉を紡ぐ姿は、あまりにも歯痒い。

 そんな顔をして欲しくない、すずかにもコイツにも。


「でも俺は、こうしてピンピンしてる。自分が傷付いた事に対する責任だって、押し付けるつもりも無い」

「分かってる。アンタならきっとそうするって分かる」

「だったら、そこまで負い目を感じる必要は――」

「――理解出来ても、納得出来ない事だってあるのよ」


 その言葉に、口を紡ぐしかなくなる。

 俺にも分からない訳じゃない、その気持ち。


「アンタなら絶対に他人じゃなく、自分に責任を負わせる。自分を傷付ける、自分だけの所為にする」

「それは……」

「そんなの嫌に決まってるじゃない。すずかだけじゃない、アタシだって、なのはだって、フェイトだって、はやてだって…………誰も、そんな事を望んでない」

「……」


 その通りだ。

 あの時、もっと自分に力があれば、すずかを守れる人間だったならと願った。

 そして、何で自分はこんなに弱いのだろうと、誰一人守れない人間なのだろうと呪った。

 ――あの事態に陥ったのは、全て自分の責任だ。

 ――この傷は、全て自分の弱さが招いた当然の結果だ。

 でもその想いは、相手にとっては身勝手なものでしかない。


「でも、それを急に変えろって言われても……」



 誰かに責任を押し付けて、誰かの所為にして、そんな事で自分が成長するなんて思えない。

 今までそういう風に意識してきたから、今更変えろと言われても困るのが事実。

 言われた位で変わる程、俺は柔軟な神経はしていない。

 だったら、どうすればいいのだろう……。

 グルグルグルグル、まるで出口の見えない迷路だ。


「別に変えろってワケじゃないの」

「えっ……?」


 だがバニングスの言葉は、俺の迷路をものの見事にぶち壊した。

 まるで悩んでる事自体が馬鹿げてるかのような、見事な破壊魔っぷりである。

 その答えに呆けている俺を見ながら、彼女は言葉を続ける。


「分かって欲しいのよ。アンタにとって当然の考えが、アタシ達にとっては許容出来るものじゃ無いって事」

「……」

「人の考えなんて簡単には変わらない。だからアンタには、そう思う人も居るって事を心に留めておけって言いたいの」

「…………そう、だな」


 全く以ってその通り。

 自分は自分、他人は他人なんて言っても、俺達はお互いに不干渉なままで生きてはいけない。

 俺達は色んな人達と係わりながら、前に進んでいくのだ。

 そこに自分勝手な意見を押し通すだけの行動は、あってはならない。

 自分の行動が、相手にも強弱関係無く影響する事を常に理解する。

 それが、自分勝手な俺が何よりも気に掛ける事柄。


「ほら、だったら早くすずかに電話しなさいよ」

「あ、あぁ。分かった」


 バニングスに促され、俺はポケットから携帯を取り出した。

 アドレス帳を開いて特定の相手を探す。

 すずか……すずかっと……。

 最近はめっきりと手馴れた手付きで携帯を操作し、彼女へと発信する。


Prrr Prrr Prrr Prrr......


「すずかのヤツ、出ないか……」


 数回のコールの後、聞こえたのは『留守番電話サービスセンターへ、接続します』という、馬鹿丁寧な声だけだった。

 というか、今気付いたんだが……


「繋がったとして、俺は何を言えばいいんだよ」


 バニングスの言いたい事は分かったつもりだけど、だからといってすずかに向ける言葉はすぐには出てこない。

 彼女の言葉に促されて行動したが、正直その場の勢いみたいなもんだ。


「知んないわよ、アンタが決める事じゃない」


 だが隣の少女は、さも当然のようにその言葉を突きつける。

 何だろう……凄く理不尽な気がしてならない。

 しかし、コイツには色々と教えられたのもまた事実。

 あまり口答えを出来る立場じゃない。


「それも、そうだな……」


 それに、自分自身も必要性を感じている。

 顔を合わせられないなら、せめて声だけでも聞きたい。

 一昨日、あんな顔をさせてしまったからな……。

 俺の心情的にも、気が気じゃないのが正直な所だ。


「まぁ、折を見て掛け直すさ」


 それだけ告げて、膝に乗せたままの弁当箱を広げる。

 昼休みは有限だし、これ以上時間を掛ける訳にもいかない。


「そんじゃ、さっさと飯食おうぜ」

「それもそうね」


 バニングスも納得した顔で答えて、俺と同じく弁当箱を開く。

 少しばかり強い夏の陽気は、木陰に遮られて丁度良い。

 髪を靡かせる涼風は心地良く、静かな時間を刻んでいる。

 その穏やかな時間の中で、俺は――――たった1人の少女の事を想っていた。

 この時間のような安らぎをくれる、優しい微笑みを絶やさない少女を……。










〜Interlude side:SUZUKA〜



「ぅ……ぅん…」


 緩いまどろみの中、意識が現実に浮上した。

 赤い景色が視界に飛び込み、開きかけた瞳を思わず閉じてしまう。


「そっか、もう夕方だったんだ……」


 窓から差し込む光の色に、時間の経過を否応無く理解する。

 時計を見れば、『PM6:03』と表示されていた。

 横になったのがお昼だったから、かなりの時間眠っていたようだ。

 これ以上は生活リズムが崩れてしまうから、柔らかな感触のベッドから立ち上がる。

 気だるい体に鞭打って、二本の足に力を込めた。


「う〜ん、良く寝たなぁ」


 寝不足だった訳じゃないけど、こんなに睡眠を取ったのは初めてかもしれない。

 今まで学校を休んだ事無かったし、休日も規則的な生活を心掛けてる。

 今まで不便に感じた事も無かったから、自分自身で気にしてなかったんだと思う。

 ――――つまり、今の状態がそれだけ異例だと言う事。

 昨日、一昨日と、まともな睡眠も取れず、疲れやネガティブな思考だけが蓄積していった。

 だからこそ、今日はこんな時間からグッスリと眠れたのだろう。


「何か、不謹慎だな。私って……」


 2日間の時間を掛けて、考えに考え抜いて出した結論。

 不思議なもので、出てしまえば気分が幾分か楽になった気がした。

 苦しかった胸のつかえが取れたような、そんな感じ。

 一眠りしたから、もう普段通りになれる。

 家族皆に心配掛けちゃったし、もう大丈夫だって姿を見せなくちゃ。

 ……と、不意に時計の隣にあった携帯に目が留まった。


「あれ、着信がある……」


 ランプの点灯が、それを教えてくれた。

 着信を聞いた憶えは無いから、多分寝ている間に来たのだろう。

 誰だろう、アリサちゃん達からは朝の内に掛けてくれたけど……。

 携帯を開いて履歴を見ると、3件の着信。

 そしてその全てが――


「……聖君」


 たった1人の少年によるものだった。

 1時頃、3時過ぎ、そして1時間前。

 それぞれに彼からの連絡があったと、画面に記されていた。

 そして最後の1件には……


「留守録、入ってる」


 時間を見ると、3分弱。

 録音時間の制限は無いけど、こんなに使う人は今までに居なかった。

 どんなメッセージを残しているのだろうと気になる反面、怖くて聞く事を躊躇ってしまう。

 聖君が私に向ける言葉なんて、好意的なものであってはならない。

 彼を傷付けたのは間違い無く自分で、そんな言葉を向けられる資格は無い。

 例え聖君が、そう思っていなくても。

 私は、そう思わずにはいられないのだから。


「でも……」


 彼の言葉を聞く事で、漸く最後の決心が付くと思う。

 最後の最後まで迷っていた、彼との今後の付き合い方。

 聖君の言葉を聞けば、本当の意味で決められると思うから。

 私は、ボタンを押して、メッセージを再生した。


『あぁ……えっと、聖だけど………』


 第一声は、何処か遠慮したような控えめな様子。

 普段の堂々としたものでは無く、何処か緊張して萎縮したような声だった。

 受話器越しの彼を容易に想像出来てしまい、少し頬が緩んでしまう。


『本当は面と向かって話したいんだけど、きっとお前は……俺に会いたくないだろうから、我慢する』


 それもすぐに消えてしまう。


『一昨日の事、改めて謝る。…………ゴメン』



〜Interlude out〜










〜Interlude -before one hour- side:HIJIRI〜



 ひなた園にある自室で、俺は1人で言葉を紡ぐ。

 向けるべき相手は、受話器の先に……。


「言っておくけど、ゴメンってのはお前の思ってる事じゃないぞ」


 これから聞くであろう相手は、どのような想いでいるのだろう。

 反応を知る術の無い以上、俺は自ら思うままに言葉を発するしかない。


「俺の力不足でお前を守りきれなかったってのは事実だけど、それだけじゃ駄目なんだって……教えられた」


 自分自身だけの都合で物事を完結してしまってはいけない。

 自分の意志や行動が他人に影響を及ぼす事を、俺は理解しなければならない。

 例えそれが実行出来なくとも、知っているという事と知らないという事では大きく違う。

 これも、バニングスのお陰か……。


「バニングスが言ってた。自分の意志が、周りに影響する事を理解しろって」


 その上で、自分の行動に責任を持つ。

 行動による自分への反動だけでなく、他人への影響も全て……。

 それが本当の責任なのだと思う。

 だとするなら俺は、誰が見ても無責任な奴だ。


「俺は今まで、自分の尻拭いだけで充分だと思っていた。だからこんな事態を招いた」


 思えば此処でも、俺の未熟さが露呈するようだ。

 他人に迷惑掛けなければ……、そんな言葉が既に身勝手だった。


「だから気付かなかった、お前を傷付けた事に」


 そんな事、したくなかった。

 笑っていて欲しかった、悲しまないで欲しかった。

 俺はすずかを、守りたかった。


「時間は戻らないし、後悔しても意味は無い。だから、……決めたんだ」


 意を決すると共に、緊張で喉がカラカラになってきた。

 でも、言わなければいけない。

 俺は間違ったとしても、それを受け入れて正していくと決めたのだから。

 あの日……、夜の校舎で誓った。


「俺はそう簡単には自分の考えを変えられない。だから必ずしも、変われるかは分からない」


 これは誰も分からない問題。

 知らない内に多くの人に迷惑を掛け続けてきた俺が、受け入れるべき事実なのは理解している。

 だからその事実から目を逸らさず、進んでいくと言った。

 それでもやっぱり、感情に根付いたモノを簡単には取り除けはしない。


「だからさ……」


 でも、きっと大丈夫だと思う。

 これは1人の問題じゃないのだから。

 そして俺は――


「お前も少しだけでいい。俺の事を理解して欲しい、知って欲しい」


 ――1人じゃないからな。



〜Interlude out〜










〜Interlude side:SUZUKA〜



『お前も少しだけでいい。俺の事を理解して欲しい、知って欲しい』


 耳に入ったその言葉は、あまりにも意外だった。

 傍から聞けば当然と言わんばかりの、自分勝手な言葉だろう。

 でもそれは、知らない人の言葉だからそう思うのだ。

 彼が、瑞代聖という少年が、自分の存在を誰かに訴えている。

 その変化は、私の心を揺さ振るには申し分無いものだった。


『押し付けるつもりは無い。お前に唯、俺を見て欲しいと思うだけだから』


 何で……?

 何でそんな事を……?

 発される言葉の一つ一つが、私の心にストレートに届く。

 曲がらず、捻れず、折れず、砕けず、只管に真っ直ぐな想い。


『でもさ、俺……思うんだ。きっとこのままじゃ、俺達は妥協し合いながら生きていくんじゃないかって……』


 そんなのは、嫌だ――

 言外にその意味を持たせた声は、決して凛々しさには満ちていない。

 でも、それを伝えたいという気持ちは分かる。


『そんなの嫌なんだよ。相手の事ばかり考えて、自分の意見を蔑ろにするのは……妥協なんじゃないかと思う』


 相手の意見を尊重するあまり、自分の意見を封じ込める。

 相手への遠慮した気遣いは、行き過ぎれば拒絶に等しい。

 確かにそれは――妥協と言えるんじゃないかと思う。

 でも、それは……仕方のない事

 それが私達にとっての、最高の立ち位置なんだから。


『それだけは嫌だ。お前とは、きちんと理解し合いたい』


 それでも彼の声は、私の想いを否定する。

 私が何度も考えて、苦しみ抜いて考えた末の答えを、認めてくれない。

 私はこれ以上、聖君を傷付けたくないと言うのに……。


『言いたい事を言い合える、一切の妥協も必要無い関係になりたい。お前がどう思ってるか分からないけど、少なくとも俺はそう思ってる』


 やめて、ヤメテ、止めて…………。

 それ以上、想いをぶつけてこないで。

 それ以上、私にそんな言葉を掛けないで。

 私の心に触れないで、優しく包み込まないで……。


『……って、何か言ってて恥ずかしいぞ俺。べ、別に深い意味がある訳じゃないぞ!? 唯、その、あれだ……俺はだな………』


 恥ずかしそうな声で、一生懸命に話さないで。

 貴方の優しさが、私に一縷の望みを与えようとする。

 あり得ない、そんな筈は無い。

 貴方が――――私を受け入れてくれるなんて、ある筈が無い。


『いつも居る奴が居ないのってさ、結構寂しいもんなんだよ。俺だけじゃなくて、ハラオウン達も……』

『だから、無理する必要無いから、気持ちが落ち着いたら学校来てくれよ。――――――待ってるから、俺……』

「っ――――何、で……」


 どうして貴方は、そこまで……。

 私の意志を簡単に崩してしまうの?

 持つべきではない希望を、無自覚の内に私にくれるの?

 この内から込み上げてくる想いは何?

 私はソレを持ってはいけない、その筈なのに……。

 どうして――――


「ひっ……じり、くん………」


 ――――貴方を信じたいと、思ってしまうの?


「っう…うぅ、ぁぁぁ、…な……んで」


 決壊する、胸の内で押し殺していた想いが……。

 溢れ出す、瞼から流れ出る透明の雫が……。

 決めたのに……。

 自分の生き方、誰も傷付けない方法を……。

 決めた………のに……。

 ――どうしてまた私は、迷っているの?



〜Interlude out〜










「兄ちゃん兄ちゃん」

「んぁ……、どうした?」


 ひなた園の庭で繰り広げられる、子供達の遊び姿。

 和気藹々としたそれらは、見るだけで心を和ませる不思議な力がある。

 その中で俺は、夕焼けに染まる空をボンヤリと見上げているだけ。

 子供達の中心に立っていた平太に声を掛けられたのはそんな時だった。


「さっきからぼぉ〜っとして、どうかした?」

「いや、別に何もねぇぞ」

「ふ〜ん……」


 何やら納得出来ていない様子の弟の視線が、何故か痛い。

 訝しげな瞳は真っ直ぐに俺を射抜き、逃がすまいと訴える。

 うぅむ、本当に何も無いのだが……。


「……まぁいいや。具合悪かったら、師父の所行かなきゃ駄目だぜ」

「分かってる。だから気にせず遊んで来い」

「おう!!」


 そう元気の良い声を発して、皆の輪に戻っていった。

 元気が有り余ってるようで、何よりだな。

 ――――さて。


「どうしたもんかな………」


 隠してたつもりだったが、平太には勘付かれていた。

 俺が考えに耽っていた事に……。

 掌の上で弄んでる携帯がその証拠。

 あれから一時間が経過したのだが、すずかは聞いてくれただろうか?

 繋がらなかったのは故意によるものか、はたまた偶然か……。

 そんな事はこの際どうでもいい。

 留守録には俺の言葉を吹き込んでおいた、すずかがいつでも聞けるように。

 それだけが重要なのだ。


「最悪、聞く前に消されるってのもあるよな」


 フッ、と自嘲気味に笑みを吐き捨てる。

 あれから考えた、休み時間も、授業中もずっと……。

 本当なら一晩中考えた方が良いのでは、とも思った。

 でも、時間を掛ければ良いってもんじゃない。

 今の俺が出来る事、言える言葉を出すしかないんだから……。

 だから留守録アレには、その全てが入っている筈だ。

 …………それでも、やっぱり不安は拭えない。

 相手の気持ちを重んじたって、それは分からないなりの行動でしかない。

 上手くいくならいいが、もし彼女の求める言葉がそこになければ……。

 もう二度と、彼女に近付く事は出来なくなるだろう。

 物理的にも、精神的にも……。


「拙いなぁ。……うっわ〜、何か自信無くなってきたぞ」


 自虐が高じて馬鹿みたいに不安になる。

 頭を軽く抱えてる姿は、さぞ滑稽な事だろう。

 最早、過ぎてしまった事。

 間違っても後悔はしないと決めたのに……。

 やっぱり、言い知れぬモノが取り除けない。

 今までだったら、きっとここまで悩まない。

 ――――つまり、『すずか』という少女が特別だと言う事。

 その事実が、俺自身の感情を揺さ振る。


「聖、どうしたんだ?」

「あっ……師父」


 視界に差す赤い光を遮る影。

 見上げればそこには、俺より一回り大きな体躯を持つ男性。

 優しい笑みが良く似合う、俺の最も尊敬出来る人でもある。


「珍しく難しい事を考えてるみたいじゃないか」

「珍しいって、何気に傷付くんですけど…………本当の事でも」

「ハッハッハッハッ、そんなに落ち込むな。良い事じゃないか」


 俺の落ち込み具合を、一笑で吹き飛ばす師父。

 あまりに爽快過ぎて、こっちまでそれがうつってしまいそうになるから不思議だ。

 ――本当に不思議だよ、この人は。


「少しだけ、いいですか?」


 だから、勝手に口が動いていた。

 自分が持て余すこの感情を、師父なら知っている筈。

 師父は答えを教えない、それでもヒントはくれるから。

 ゆっくり頷く姿を見て、俺は話し始める。


「笑顔にしたかった人が居た。自分がどんなに傷付いたとしても。でもその考えは、相手に対して自分勝手なものなんだって教えられて……」


 ポツポツと語り始める横で、師父は一つ一つの言葉にゆっくりと頷く。

 どんな表情をしてるか分からないが、それでも安心して話せるのは、この人の人柄ゆえか。


「自分でも心の何処かで分かっていたんです。師父やシスターに心配を掛ける度、それは自分の弱さが原因だって言い訳を作って誤魔化してただけで……」


 そうすれば誰かの所為にしない。

 自分だけの問題なら、何も深く考える必要は無い。

 俺がもっと強くなればいい、唯それだけだから……。

 自身にのみ向けられたソレは、しかし他人への影響はあったのだ。


「アイツから教わった……変えなくちゃいけないじゃなくて、自分の意志で変えたいと思ったんです。簡単には出来ない、もしかしたら不可能かもしれない」


 それでも、やれる事だけはやってみせる。

 それがどんな困難だろうと、やる事に意味があるのだと知ったから。

 それが――――前に進む力。


「それでも、俺はすずかに笑って欲しい」


 そう、唯それだけが欲しいんだ。

 アイツの笑顔をもっと見ていたい。

 穏やかで、それでいて華やかな微笑み。


「そして、俺も笑いたい」


 アイツと一緒に笑い合えれば、きっと楽しい。

 そこにはハラオウンもバニングスも、高町も八神も……。

 瀬田や遠藤、金月…………オマケとして高杉。

 皆が揃えば、どんな時だって楽しい。


「……でも、まだ自分の行動には自信が持てないんです」


 自分の行動は、果たして正しかったのか?

 俺の言葉は、すずかに届いたのだろうか?

 内心、ビクビクしてる自分が情けない。


「そうか……」


 その声に振り向けば、そこには穏やかな笑みを湛えた師父。

 いつも俺に向ける、親としての優しさがあった。


「そこまで見付けていれば充分だ」

「師父?」

「お前は充分変わったさ。だから、そこまで不安がる事は無い」


 その言葉は、一体どういう意味だろうか……。

 俺は変わったのか? 変われたのか?


「お前の想いは彼女に届くと、私は信じている」

「……どうして」


 何故この人は、これ程までに自信を持って言えるのだろう?

 どうして、こんなに俺を信じてくれるんだろう?

 根拠の無い自信は、唯の虚言でしかないのに……。

 ……この人の言葉は、打算無く信じたくなってしまう。


「俺はそんなに誇れる人間じゃ……」

「――私は唯、お前の意志を尊重しただけだ。彼女と共に笑いたいという、お前の想いを、な」


 本当にこの人は……


「誰かと笑い合いたい、お前がそんな想いを持つ事が出来たんだ。これからだって、真っ直ぐ進める筈だ」


 どんな時だって……


「お前は『ひじり』なんだ。この意味が、分かるだろう?」


 俺の迷いを払ってくれる。

 『聖』の意味――――自分の想いにただしく生きる。

 自分のただしささえ見失わなければ、きっと恐れる事は無い。

 何故ならそれは正義であり、聖義ただしいことなのだから。


「お前は私の自慢の息子だ。だから、大丈夫だ」


 ポン、と頭に手を置かれる。

 師父の優しさが、触れた場所を通して伝わってくる気がした。

 心に、全身に、ソレが染み渡ってきて……思わず目頭が熱くなる。

 俺はこんなにも、優しい人達に守られてるのだと改めて理解した。


「――――はい」


 だから、その言葉に迷いは無かった。

 どれだけ難しい道でも前へ進もう。

 足許だけ見るのは、もう終わり。

 これからは真っ直ぐに、顔を上げて前を見据える。


「うむ、これならもう心配無いな」

「ありがとうございます、師父」


 いつだって俺の力になってくれる師父には、全く頭が上がらない。

 自分の未熟を痛感すると共に、この人の凄さを感じずにはいられない。

 心の底からの感謝を込め、一礼。

 だが師父は、どうしてかニヤついた顔で俺を見ていた。


「気にする事は無い。息子の色恋事情には、首を突っ込みたくなるものなんだよ」


 新しい玩具を見つけた子供のような顔で、そう言い放つ。

 予想だにしないその言葉に、俺の脳内が思考を急加速させる。


「い、色恋って……」

「何だ、違うのか?」


 至極当然のように聞いてくる姿は、まるで此方の方が間違っているのではと錯覚する。

 だが――――


「いえ、多分……そうだと思います」


 自分でも知らずにいた感情。

 けど、完全に忘れ去った訳じゃなかった。

 すずかと一緒に居て気付いた。

 ――アイツと居ると、楽しくなる。

 ――アイツと居ると、心が穏やかになる。

 ――アイツと居ると、ドキッとする。

 ――アイツと居ると、もっと近付きたくなる。

 その感情はきっと、間違い無く一つだ。


「俺はアイツが……すずかが好き、なんだと思います」

「誰かと笑い合いたい、その感情は間違い無く『好き』というものだよ。曖昧に答えてはいけないぞ」


 俺の間違いを指摘するような、厳しい一言が向けられる。

 そうだ、そんな答えは相手に失礼だ。

 曖昧な言葉は、そこに込められる想いすらも曖昧にしてしまう。

 俺の想いは曖昧…………そんな筈は無い。

 すずかへの気持ちは、誰にも負けない自信がある。

 ハラオウン達がどれだけの時間を掛けて絆を育んできたとしても、それ以上の絆をこれから育んでみせる。

 その意志は、誰に何を言われようと曲がりはしない。

 ならばそれは――――


「俺は――――アイツが好きです」


 隣の師父に、真っ直ぐの瞳で言い放つ。

 相対する師父はそれを逸らす事無く、同じく真っ直ぐに見返してくる。

 だがその瞳には、どこか嬉しそうな色が見えた、気がした。


「良い答えだ」


 握り拳を俺の胸にコツンと当て、満面の笑みを見せてくれる。

 これだけで、自分の選択が間違ってなかったと自身を持てる。


「それじゃ、あの子達の事頼んだぞ」

「はい、分かりました」


 それだけ言うと師父は、踵を返して家に戻っていく。

 もう言う事は無い、その背中が語っていた。

 それは颯爽と現れた正義の味方のように、当然の如く誰かを救う姿。

 今はまだ遠い、願いの先。


「いつか、必ず……」


 その先へ届いてみせると、幼い頃より決めていた。

 胸にジンワリと残る、あの人の温もりを握り締めて思う。

 だからその為にも、すずかの事から解決していかないと。


「すずか…………」


 彼女は今、何をしてるだろう?

 本当に体調を悪くしてないだろうか?

 きちんと静養してるだろうか?

 留守録は聞いてくれただろうか?

 学校に来たら、すぐにでも声掛けないとな。

 だから早く、逢える事を祈ろう。

 最早この胸に過ぎるのは、彼女へ向けられるものだけだった。

 きっと、この想いが……



――好きって事なんだろう――












 だがその想いも虚しく、今週の学校で俺がすずかに逢う事は…………無かった。










―――――――――――――――
あとがき


どうも、おはこんばんちはです。

SルートgU、如何でしたでしょうか?

最近、漸くルート前の聖に慣れてきまして、執筆も少々ですが進み易くなっています。

まぁ、前途多難ではありますが……。

それでは、今回の内容について。

聖の決意とすずかの苦悩、その2つが今回の主だった点です。

アリサの指摘による聖の歪み、それを理解した時、聖はまた一歩前へ進む。

一方のすずかも、自分の覚悟が聖の言葉を聞く事で揺らぎ、更なる苦悩に苛まれる。

完全に対極する2人の物語は、どのように収束していくのか……。

作者的な考えでは、後2話で完結しそうです。

なので、もう少しだけ首を長くして待っていて下さるととてもありがたいです。

僕自身も、早く魔法の出て来る話が書きたいので……。

しかも魔法ルートの『運命篇』では、4ルートに分岐するという現状。

完結出来るのか分からない状況ですが…………させます。

では、今回は以上です。

感想や意見、その他諸々は掲示板やWeb拍手にてお待ちしております。

それでは〜。










――拍手へのお返事――


拍手へのコメントは僕と書かれた本人様しか分からないので、他の方々からすればどうでもいいものでしかありません。

ですが折角頂いたコメントにお返事出来ないのは心苦しいので、此処に書いておこうと思います。

興味が無い方はそのまま戻って下さって構いません。

それでは、お返事の方をさせて頂きます。


>草之様へ

最大1000文字可能と言う事で、沢山書いて頂いてとても嬉しいです。聖の違和感も無かったようで、此方としても安心です。

僕もとらハはやった事は無いですので、探した情報を基に作っています。

原作をプレイ済みの人が見れば矛盾が生じる箇所があるかも知れませんが、そこは大目に見て貰うしかありませんね。

自分の知識不足なので……。

アリサは恋のルートで、すずかは愛のルート、中々深い言葉です。

聖もすずかもまだ子供なので、愛というものをどれだけ理解出来るかは分かりません。

ですが彼女の全てを受け入れるには、恋というものだけでは足らないかも知れませんね。

『好き』だけではなく、それ以上の『愛する』という感情の力が必要なのでしょう。

今回はまだ、聖がすずかへの想いを認識しただけに留まりました。

次回以降の物語にご期待下さい。

>新規の方へ

現在はAルートとSルートですが、今後はNルート、Fルート、Hルート、そして…………ゲフンゲフン、兎に角どんどん広がっていきます。

なので、そちらも楽しみに待っていて下さい。


今回はこれだけにしておきますが、以前のメッセージも当然全てに目を通させて頂きました。

残念ながら数は少ないですが、一つ一つがとても大切なものです。

なのでこれからも皆さんのお声を聞かせて欲しいです。

今後は魔法関係のルートに入るので、そちらでのシチュエーションのリクエストも承ります。

序盤は形になっているのですが、なのは、フェイト、はやての3人のルートに分岐するとネタが減ります。

なので、皆様のお力をお借りしたいと思います。

あまり深く考えず、気軽に書き込んで下さい。

以上、今回の拍手のお返事です。