この日の出逢いがなければ今の私は無い。



 きっとこの出逢いは宿命だったのだろう。



 今日の私から明日の君へ



 約束の安らぎを送る










「五番テーブルお願い!」

「はーい……あ、誰かお会計行って!」

「二番テーブルオーダー入りまーす!」


 昼、喫茶店というのはある意味『戦場』である。

 普通、落ち着ける場所といえば喫茶店、というイメージがあるのだがここに来てそれは幻想だと知る。

 喫茶兼洋菓子店『翠屋』、高町士郎、桃子夫婦によって経営される人気店である。

 人気店故に昼のこの時間、この場所は落ち着ける場所から修羅場と変化を遂げる。

 戦場で必要とされるものは何か。

 火力か? 確かに大きな壁にぶつかるなら火力はいる。

 戦略か? 確かにどんな強大な敵も戦略次第で打ち崩せる。

 だが今、この場に必要なのはそのどちらでもない。

 それでは何が必要なのか。それは戦力、即ち――人員である。


「悪いわねー、今日お休みだったのに来てもらっちゃって」


 この店の店主の妻にしてパティシエの桃子が手を動かしながら謝ってくる。

 同様にこちらも手を動かしながら答える。


「構わないさ。どうせ家で本を読むか公園でギターを弾くかのどちらかだ」


 実際、タイミングは良かった。

 愛用の詩を何度も読み返すのもそろそろ飽きてきた頃だ。

 いや、内容そのものに飽きは無いが読み返すという作業が面倒に思えて仕方ない。

 そこに書かれてる内容が全て頭に入るほど読み返した故に、読むという作業は既に必要としない。

 そんな心境に入りかけてきてギターの練習でもするかと思った矢先にピンチヒッター要請である。

 丁度良いといえばこれほど丁度良いタイミングは無かった。

 翠屋で働くことは家計を稼ぐことと同時に暇潰しの意味もある。

 私にとって働くことは別段苦と感じることはない。

 というかあまりに過去に苦を味わい過ぎたせいで大したものに感じない。

 ……情けない話だが。

 
「じゃあ引き続き頑張ってね、レイル君」

「了解」


 やはり手を動かしながら私は答えた。










「お疲れ様」

「そっちも」


 客足がひけてようやく一息吐く。

 慣れたとはいえ、ずっと張り詰めた空気の中にいたら精神的に疲れる。

 持ってきておいたペットボトルを傾ける。

 こんな修羅場を乗り切るには水は必需品だ。

 大分時間経って温まってしまったのが勿体無いところだが。


「それにしても本当に悪いわね、折角のお休みなのに」

「別に気遣いはいらないさ。どうせ暇だったしな」


 桃子の言葉に思ったとおりのことを答える。

 忙しい時ならともかく、やることが無い時に呼んでくれると逆にありがたい。

 こちらは暇を無駄なく潰せ、あちらは店の手が回る。

 双方にとってもこれは良いことだ。

 だから感謝される必要は無いし、謝られる必要も無い。


「ねぇ、レイル君この後予定ある?」

「あったら此処に来ると思うか?」

「……それもそうね。じゃあ少しお願いがあるんだけれど」

「お願い?」


 桃子からのお願い……というのは何となくだが面倒な事な気がしてならない。

 というか、彼女のお願いとやらに付き合って面倒事に首を突っ込まなかったことがない。

 直接的か間接的かは別としての話だが。

 息子の性格なんとかしてやってと言われては勝負吹っかけられたり。

 娘のおっちょこちょい直してと言われては勝負吹っかけられたり。

 小学生の方の娘の面倒見てと言われてはその友人に勝負吹っかけられたり。

 ……勝負事と縁が切れない名前なのだろうか、私の名前は。


「あ、安心して。大した事じゃないから」

「……恭也に勝負挑まれた時も同じ事を言っていたが」

「大丈夫よ、今回は本当に簡単だから」

「……まぁ、用件によるな」


 面倒そうなら速却下だ。


「デリバリーサービスなんだけど、貴方の住んでる場所の帰り道にあるのよ」

「……あぁ、ついでに私に注文の品を届けて来い、と」

「正解♪ というわけでよろしくね」


 ポンッと自然に私の手に握らされたその品。

 あぁ、私に拒否権は最初からあるようで無かったのか。


「……時々」

「ん?」

「君のそのマイペースな考え方が羨ましく思う時があるよ」

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」


 ……皮肉のつもりだったんだがな。










「ご注文、ありがとうございましたー」


 形だけの礼をいい、家を出る。

 桃子の言うとおり帰り道にその家はあったため手間はかからない。

 後はこのまま何事も無く帰れれば無事に万歳、だが……。


「あ、てか代金届けに店戻らなきゃならんのか」


 持ったまま帰るわけにもいかないし、来た道を引き返す必要がある。

 帰り道だから手間掛からないと思っていたが結局戻らねばならないとは……何故気付かなかった。

 というか、桃子も気付いてなかったな……。


「仕方ない……戻るか」


 店の方向へと足を向けその一歩を踏み出した時。


「ちょっとそこのアンタ!」

「あ?」


 タタタッと駆ける足音と共に少女の声が聞こえ振り向く。

 一瞬見えたのは長い黒髪だった。

 何故一瞬しか見ることが出来なかったのはその少女は私の背後へと隠れたからだ。


「おい?」

「ちょっと変な奴らに追われてるの、助けてくれない?」

「変な奴ら?」


 ちょっと待ってくれ。

 一体何がどうなっているというんだ。

 これは桃子に『お願い』された時の恒例の厄介事なのか。


「いたぞ! 例の物も持っている!」

「おい、こっちだ!」


 黒服のどう見てもカタギじゃない男達が近付いて来る。

 おい、このむさ苦しい状況はなんだ。

 しかもやばそうな空気が思いっきり漂っているんだが。


「これは一体どういうことなんだ?」

「だから! アイツらに追われてるのよ!」


 男達から視線を逸らさず状況を少女に尋ねると予想通りの言葉が返ってくる。

 話からしてどっちが悪いのかよく分からん。

 いかにも悪そうな男達をまず疑うべきなのだろうが……。

 男達の言葉によるとこの少女の持っている『何か』を狙っているようだ。

 問題はその『何か』とやらの所有権はどちらにあるか、だ。


「おい貴様、そこを退かなきゃ怪我するぜ?」


 ……なんというヤラレ役の台詞。

 まぁ、取り合えず探りを入れるべきか。


「君達は一体何の理由があってこの子を追っている?」

「テメェには関係ねぇだろうがっ!」

「……話にならんな」


 僅かに視線をずらして少女の方に意思を確認してみる。

 伝わったのか、少女は首を横に振った。


「私の持ってる物を強引に奪おうとしてきたのよ!」

「……なら、奴らが悪いということで良いわけか」


 ということは遠慮する必要は無いな。

 あとはもう一つ、必要な事があるわけだが……。


「おい若造、そこ退かなきゃ怪我するぜ?」

「若造て……歳食ってるわけじゃないがそこまで若くもないんだがなぁ」


 こう見えても結構大人のつもりでいる。

 少なくとも、高校生には見られたくないくらいには。


「んなこたぁどうでも良いんだよ。退くのか? 退かないのか?」

「あぁ、それはシンプルな質問だな。答えは『退かない』だ」

「そうか……なら」


 カチャ、という音と共に銃を構える一番手前のオッサン。

 いやいや、ここ日本なんだが? なんでそんな物持ってるのさ。

 まさかとは思ったが本当にヤ○ザ系列の人間なのか?


「邪魔をする奴は消しても構わないとのことだ……悪く思うな」

「むしろそっちが思え。そんな物を躊躇い無く抜く罪悪感を感じろ」

「……貴様、よく銃を見てそんな減らず口を叩けるな」

「全くね……アンタ良い度胸してるわ」


 相手からも少女からも呆れられた。何でさ。

 ついでになんで落ち着いてるのかと聞かれると、見慣れてるとしか。

 あとはもう一つ。


「こんな所でそんな物、撃ってみろ。一発で近所にバレて大騒ぎだ」

「心配はいらない。サイレンサー付きだ」


 なんでそんなもんまで付いてるんだよ。

 いつからこの世界はそんな高性能なもんがホイホイ手に入る時代になったんだ。


「だが、大声で叫べば近所はどう思うかな……?」

「安心しろ、二人同時に一発ずつで仕留めてやる」


 カチャガチャガチャ、と更に音をたてて他の男達も銃を抜いた。

 どいつもこいつもサイレンサー付きの高性能な銃ばかりだ。

 ……だからなんでそんなもんをたくさん持っているんだ。


「はぁ……穏便に済ませたかったがそうもいかないか」

「そういうわけだ……消えてもらおうか」


 ガチャリ、とその凶器の狙いが私の眉間の辺りに動く。

 全く。


「そんなもので――」


 懐に手を入れ


「――私を殺せると思ったか?」


 物を投げる――動作だけをした。

 その一瞬の動作が黒服達の体を緊張させ、動きが麻痺する。

 時間において僅か一、二秒だがその一瞬の隙で一番近くに居た男の手を蹴り上げた。

 銃が弾き飛ばされ宙を舞う。

 唖然としているうちに更にもう一人、上げた足をそのまま踵落としに利用して再び手を狙う。

 素早く落ちた銃を広い――更に宙から落ちてきた銃をもう片方の手で掴む。

 二丁の銃のうち一丁を今まで話していた男に、もう一丁を残りの男達に向ける。

 
「銃を見て焦らない、ということは免疫があるということだ。もう少し考えるべきだな」


 ニヤリ、と笑ってみせる。

 男達は動けない。

 何故なら私の銃の片方が男の一人に向いており、一瞬でも手が強張れば引き金を引くからだ。

 どうやら仲間意識は強いらしく、味方を切り捨てるようなことは出来ない人間らしい。


「貴様……何者だっ!」


 銃を突きつけられた男が吐き捨てる。

 その言葉になんと答えたものか……少し迷ってこう答えることにした。


「答えるわけ無いだろう。報復でもされたら迷惑だ」

「……最もだけど、そこはもっと格好良く名乗るものじゃない?」


 ……なんで君に呆れられなくちゃならいのかね、私は。

 そもそもこの男達に絡まれた原因は君なのだがな。


「フッ……しかし愚かだな若造」

「だから若造って……まぁいい、何がだ?」

「自分で言ったことだ。この状況で我々が叫べば住人はどう思うだろうな?」


 このコワモテの男達が叫ぶという自体がまず異様に思われるだろうがな。

 ただ、銃を突きつけている辺りでこっちも疑われるだろう。

 なら。


「こうすればいい」


 二つの銃を男達に向かって投げつけた。


「は?」


 誰の言葉か、あるいは全員の言葉なのだろうか。

 いきなり持っていた銃を投げるという行為に驚き戸惑っている。


「逃げるぞ」

「え? あ、うん!」


 その間に少女の手を引いて走り、すぐに曲がり角を曲がる。

 直線状に居なければ銃は当たらないというのが世の常識である。

 さて……取り合えず翠屋まで逃げるか。





 Interlude



「クソッ! 逃げられたか!」


 男達は唾を吐き捨てた。

 目的の物は手に入らず、おまけにコケにされて逃げられた。

 彼らのプライドは十分以上に傷付いていた。

 それでも組織の――ひいては自分の身のために必死になって二人を探していた。

 その時。


「……何をしている」


 酷く重苦しい声が響く。

 男達の体がピタリ、と一斉に止まる。

 ギギギと擬音が聞こえてきそうなほどゆっくりと首を振り向く。


「何をしていると、聞いている……」

「り、リーダー……」


 紅く、突き刺すような瞳がそこにいた。

 黒いマフラーで口元は隠れ、黒い髪も無造作に伸ばしている。

 服も上から下までこれでもかというくらいに黒く、ただそれだけにその紅き瞳が恐ろしく見えた。


「目的の物は……どうした……」

「す、済みません……変な奴に邪魔されまして」


 男の一人が膝を地に付け頭を下げる。

 そして同時に他の男達も同様の姿を取った。

 紅き瞳はそうか、と呟き続ける。


「邪魔をした奴とは……何者だ……?」

「分かりません。ただ、あの男の特徴だけはハッキリと覚えています」

「……探せ。ただ深追いはするな。お前達を出し抜く程だ……最悪物は手に入らなくても構わん」

「ハッ!」


 一寸の狂い無く同時に声を上げ、男達は散る。

 ただ一人残った紅き瞳はふと呟く。


「奴らを出し抜く程の男……まさか、な……」


 そして彼もまた姿を消した。



 Interlude Out





「で、君は一体何なんだ?」


 なんとか振り切り、翠屋まで戻ってきた。

 代金を桃子に渡すと少女の「おなか減ったー!」発言によりそのまま昼食タイムとなった。

 突然見知らずの少女を連れて来たためか、桃子が過剰に反応したのはウザかった。

 確かに女性と縁が無い生活送ってるかもしれんが、だからといって大騒ぎすることでもなかろうに。

 しまいには「何処から攫ってきたの?」と真顔で聞くから殴り飛ばそうかと一瞬考えた始末だ。

 少女はというと平然と座席に座って注文を終えていた。

 先ほどの質問は一通り桃子を黙らせてからのものである。


「何って……どう見ても普通の女の子でしょ?」


 何を当然のことを、と言わんばかりに普通に返してスパゲッティを食べる少女。

 ちなみに代金はコチラ持ち、金に困ってるわけじゃないが色々と納得がいかない。

 ちなみにこの少女、落ち着いてみるとそれなりに可愛らしい外見ではある。

 外見年齢10代前半、それにしては長い黒髪と少々ツリ上がった目、気の強そうな顔付き。

 走ったために上着は脱いでるが白のタンクトップとデニムのスカートもよく似合ってると言える。

 それはともかく。


「普通の少女はあんな明らかにヤクザっぽい連中に追われたりはしない」


 ついでに普通の少女は助けてもらった人間に食事をたかるようなことはしない。


「そうは言われてもねー……本当、わけ分からない状況で追われてたし」


 んーと考え込む仕草をしながら答える。

 その様子から見て嘘偽りではなく、本当に何が何だか分からない様子だった。

 男達の言っていたことを少し思い出し、それについても尋ねる。


「彼等は君の持っている『何か』を狙っていたようだが?」

「『何か』って言われてもねぇ……私、お金もそんなに持ってないわよ?」


 だろうな、むしろその歳で持ってたら逆に驚きだ。

 だからこそそのスパゲッティも私が代金を支払っているわけだしな。


「あ、ここ甘味もあるんだ」


 その少女はスパゲッティを食い終わった後でそんなことを言った。


「……君は遠慮という言葉を知らないのか」

「何よ、ちょっと呟いただけじゃない」

「どうせ頼むのだろう?」

「もちろん、当然でしょ」


 ……何がどう、当然なのかが疑問で仕方ないんだが。


「はぁ……もう好きに食え」

「え? 良いの?」


 さも意外、という顔。

 いや、駄目だと思うなら何故あんなことを言う。


「どうせ勝手に頼むんだろう? なら遠慮せず注文するといい」

「じゃ、メニューのココからココまでを……」

「頼んでも良いが食えるのか?」

「……シュークリーム二つで」


 妥当な所に落ち着いた。冗談でも出来ないことは言うものじゃない。

 手早く注文をし、ついでに空になったスパゲッティの皿も回収させて話を戻した。


「それで、他に何か思い当たる物は無いのか?」

「う〜ん……他にあるって言ったらお財布とお姉ちゃんのとこへ持ってく本くらいしかないのよねぇ」


 まぁ、確かにただ歩き回るのに余計な物を持っているはずがないだろう。

 となると現時点で一番怪しいのはその姉の本とやらか。


「本ってのは?」

「ん、これ」


 と言うと少女は傍らに置いておいたポーチのジッパーを引っ張り開いた。

 すると何処にでも売ってそうな小さいポーチから随分と分厚い本が出てきた。

 小さいわりにやけに膨らんでると思ったら、その中にそんな物入れてたのか。


「入院してる友達に持ってきて、って頼まれたのよ」

「コレは……随分と分厚いな」


 入院中の読書としては確かに向いてるかもしれない厚さだ。

 昔、一時期私も入院した時に『ソフィーの世界』という哲学書一つで過ごしたことがあった。

 ちなみに『ソフィーの世界』とは学校の図書室にも置いてある本だがその厚さに驚く人間は少なくない。

 とにかく内容が濃く、それでいて半端の無い長さで読書好きの人間でも最低一週間は読むのに要する本だ。

 人間、重たいだけの本は嫌いで映画化でもされれば読むが基本的にこういうのは読まないものだ。

 だからこそ、そういう分厚い本を入院中に持ってきてくれと頼むのは不自然ではない。

 なにせ『入院する』というのはとてつもなく暇なもので、とにかく娯楽に飢えるものなのだ。

 それ故に読書というのは一番効率の良い時間潰しではあるのだが……。


「しかしコレは……何だ? 普通の本じゃないだろう?」

「だよね……なんでコレ持ってきてって頼んだのか、私も不思議なくらいよ」


 そんな分厚い本は鎖で思いっきり縛られていた。

 当然、そんな状態で読めるはずもなく、そもそも鎖で縛られてる時点で普通じゃない。

 外そうにも外れないうえ、表紙に書いてある部分の文字も読めたものじゃない。

 白と黒を基調とした外観に剣十字の装飾も普通の本とは逸脱している。

 どう見てもまともな物ではないだろうし、逆にこれならあの連中が狙うのも納得が行く。

 本を返し、しまうのを待ってから口を開く。


「十中八九、彼等はその本を狙っていたのだろうな」

「う〜ん……お姉ちゃんがそんな危険な物を持ってこさせるってのが想像し難いんだけどね」

「その姉とやらも狙われていると知らない物なのかもしれない」

「だとしたら……相当危なくない? この本」


 その意見には同意するまでもなく、先ほどその身に味わってることだ。

 しかしそうなると私も相当に厄介な出来事に巻き込まれたことになるわけで。

 ……桃子の『お願い』は本当に厄介事を持ち込むな、オイ。


「シュークリーム、お待ちどうさまです」

「ん? あぁ、サンキュなのは」


 コトンと置かれたシュークリームが二つ乗っかった皿を持ってきたのは幼い少女だった。

 名を高町なのは、翠屋店主夫妻の次女であり、唯一の良心である。……いや、だと思いたい。

 自信が無いのは彼女の周りでやたら問題が発生するからである。

 士郎には「娘に手を出したら殺す」的な念を押されたり彼女の友達から勝負吹っかけられたり。

 ちょっとからかったら恭也がマジな目で切りかかってきたり桃子に色々ネタでからかわれたり。

 ……桃子の『お願い』云々よりも私の今の人生そのものが厄生なだけな気がしてきた。


「……その子は? 妹さん?」

「レイルさん……その人は?」


 二人同時に尋ねてくるのはやめてもらいたい。

 返答が凄く面倒だから。


「妹じゃなくて、この子はこの店の店主の娘さんだ」

「高町なのはです」

「よろしくー!」

「で、こっちは……」


 説明が簡単ななのはの方を紹介し、ペコリと頭を下げるのを見てから少女を見る。

 だが……何と言って説明すべきかかなり迷うな。


「あー、……通りで変なオッサンに絡まれてたのを助けた見知らずの少女だ」


 大部分を端折ったが概ね間違いではないだろう。

 実際は絡まれてたのではなく付け狙われており、助けたのではなく巻き込まれただけなんだが。

 が、そんな事より少女はというと何故か私をジッと見ていた。


「……なんだ?」

「アンタ、レイルって名前なの? 変わった名前ね」


 ……そういえばお互いに名乗りあってすらないことに今更気づいた。

 最も、名乗りたい名前じゃないから名乗らなかったというのもあるが。


「確かにレイルさんって変わった名前ですよね」

「君まで言うかなのは。自覚していることながら言われると結構キツイぞ」


 最近の親は子供に変な名前を付ける傾向にある。

 酷ければピ○チュウだとか○ーミンだとか、キャラクターのものをつける始末だ。

 レイル、という名前も間違いなくこちらのカテゴリに入るものだろう。

 最も字だけを見ればそれほど悪い名前ではないのだが。

 その辺りを考えると幼馴染はもっと悲惨なんだが……本人のためにも黙っておくとしよう。


「ね、レイルってどんな字書いて読むの?」

「……こぼれるに涙、だ」

「こぼれる……ってどんな字だっけ?」

「……数字のゼロだ」


 と、言っても分からないだろうからなのはが持ってきたレシートの裏に書いてやる。

 レイル――『零涙』、と。


「へぇ、字だけ見るとカッコいいわね!」


 それは褒めてるのか?

 それとも貶してるのか?


「……で、そっちは?」

「何が?」


 いや、何がじゃなくてさ。


「君の名前を聞いてる。人の名前にあれこれ言ったんだからせめて自分の名前くらい名乗ってくれ」

「あー……そうよね、助けてもらっといて名乗らないのも失礼か、うん」


 と、一人で勝手に納得しうんうんと頷く。

 ……名乗るならとっとと名乗ってもらいたい。


「ゴメンゴメン、私はこちはら れん。字は分かる?」

「れんは恋愛の恋だろうが……こちはら、東の風に野原の原か?」

「正解っ! 東の風の原の恋と書いてコチハラ レン! 良い名前でしょ?」

「はぁ……そりゃまた、珍しい」


 珍しくはあるが同時に羨ましい。

 私よりもよっぽど名乗って不自然じゃないし、堂々と胸張って名乗れる名前だ。

 恋と書いてレン、可愛らしくて良い名前だ。

 それに対して零れる涙と書いてレイル……意味は綺麗だが名前となると微妙過ぎる。

 名前というのは唯一、自分自身で得ることの出来ないものだ。

 だからこそ、マトモな名前の人間が若干輝いて見えてしょうがない。

 ……汚れてるわけでもないのにな。


「あー……レイル? なんでちょっと遠い目してるの?」

「……あぁ、スマン。ちょっと自分の名前にちょっと……って人の名前をいきなり呼び捨てか」


 歳の差は明らかなのにこうも簡単に呼び捨てされるとは。

 まぁ、桃子や士郎を呼び捨てしてる辺り私も人のことは言えないんだが。


「良いじゃない、別に。それほど年上ってわけでもないでしょう?」

「……いや、多分干支が一回りするくらいには年上だと思うが」

「え、嘘っ!?」


 心底驚いた、という表情をするレン、ついでになのはも。

 さっきの男達もそうだが私は一体何歳くらい若く見られているのだろうか。


「てっきり十八歳くらいかと思ってた」

「私は二十歳くらいかなって……」

「……概ね間違いじゃないだろうがそれでも大分年上だろう、君達よりかは」


 少なくともなのはの言う年齢ならば既に干支が一周する一歩手前だ。


「あら、私も知りたいわね。レイル君の年齢」

「……いつ来た桃子」


 桃子が突如私とレンが座っている座席の間に文字通り首を突っ込んできた。

 と、いうか君は知っているはずなんだが。


「レイル君が女の子連れてきてなのはもずっと突っ立ってるから何かなーと思ってね」

「……左様か」


 だから何故、君は私が女性といれば一々首を突っ込んでくるんだ。

 しかも歳が相当離れていようと女性ならお構いなしか。


「それで、君は一体いくつなのかなー?」

「……履歴書に書かなかったか?」

「書いてないわよー、記入漏れなのかどうなのかは知らないけどー」


 ……そうだったか?

 確かに書いた記憶は……あぁ、無いな。


「意図的にやったことではないが……よくそれで私を採用したな、君は」

「履歴なんてどうでも良いじゃない、人柄さえ良ければ」


 随分広い器だな、おい。

 過去に逮捕歴とかあったらどうするつもりだったんだ君は。

 そんな人間がこの辺にいるはずもないし、いたとしても士郎と恭也にかかれば一溜まりもないかもしれんが。


「はぁ……で、私の年齢だったか?」

「そうそう」

「そんなもの知って何になるのか知らんが……もう二十五になる」


 年取るって嫌だね、と続けようかと思ったが少し年上の桃子が隣にいたので自粛。

 と、三人が三人、面白いくらいの顔で驚いていた。


「……なんだ?」

「アンタ、そんなに年上だったの!?」

「全然見えない……」

「人は見かけによらないのねぇ」

「君がそれを言うか」


 外見年齢だけならそう変わらない桃子にだけ一応突っ込んでおく。

 しかし、これでようやく理解した。

 どうも私は年齢より若く見られがちな外見らしい。

 喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、判断に迷うなコレは。


「う〜ん……よし、決めた!」

「ん?」

「アンタ、私と私のお姉ちゃんの身元引受人になってくれない?」

「は?」


 今のは私だけでなく、桃子の発した言葉でもある。

 幼いなのはには流石に身元引受人が何のことか分からず首を傾げている。

 そっちの対応は桃子に任せるとして、だ。

 確かに二十歳を超えているからそういうのは出来なくもないが……。


「身元を引き受けてくれ、というのはどういう意味だ? 意味じゃなく理由を答えてくれ」

「私とその友達、ちょっとした事故で身内居なくなっちゃったのよ。それでどうかな、と思って」


 そのちょっとした事故とやらを話して貰いたいものなんだがな。

 まぁ、どうせこんな場所で話してくれないだろうからそれは別の機会に聞くだけだ。


「……簡単に言ってくれるがな。取り合えず聞きたいのは三点だ」

「何?」

「まず第一点、何故私なんだ? 君の親族に頼めば良いだろう?」


 身元引き受けなんてものは普通するまでもなく親族で受け入れるのが当然だ。

 ついさっき知り合ったばっかの人間に頼むのは不自然過ぎる。


「その親族、ってのがまず信用ならないのよね」

「信用ならない……?」

「漫画とかでもよくあるでしょ? 遺産目当てで引き取るとか、そういうの。アレに近い状況なの」

「……まぁ、現実にそれがあるかどうかは置いておこう」


 カラン、と氷が音を立てて水を飲む。

 出来過ぎな話、ではあるが絶対に無いとも言いがたい。

 ある意味では先ほどの男達がその証明と言えなくもないが……。

 ……関係無いか、先ほどのレンの言葉を信じるならばあの男達とこの件は無関係だ。


「それで、私に頼む理由は?」

「アンタが身元引受人の資格を見てしていて尚且つ、私達に害が無さそうだから」

「……まぁ、先ほど会ったばかりの人間に危害を加えるようなことはしないが」


 というか『まとも』な人間なら普通故意に他者に迷惑をかけたりしない。

 ついでに資格を満たしている、というのが地味に気になるな。


「質問増やすようで悪いが資格を満たしているってどうしてそう思う?」

「二十歳超えてるし、責任感はありそうに見えるし、ココで働いてるから経済力あるでしょ?」


 ……なんで十代前半の少女が身元引き受けの定義をここまで知ってるのか謎でたまらない。

 まさか外見年齢と中身は一致していないというベタなオチじゃないだろうか。


「……ちなみに君と姉の歳は?」

「あぁ、そういえばさっき言ってなかったわね。私十一、お姉ちゃん十四歳」

「え、私と二つしか違わないの!?」


 なのはがまた驚いていた。今日の彼女は驚いた顔しか見てない気がする。

 それはそうとこっちも驚いた。なんせ見かけ的には十三か四そこらを想定していたからだ。

 確かに見た目と中身は一致してなかったが予想とは逆方向のモノだった。

 しかしいずれにせよその年齢なら身元を引き受けるより施設に入るという手がある筈なんだが……。

 これは聞かなくても分かる。単にそういうのが嫌なだけだろう。


「しかし話を聞く限り、条件さえ満たしてれば誰でも良いように聞こえるがな?」

「そんな事無いわよ? 一応人を見る目は持ってるつもりだし……何よりアンタ、強いしね」


 ……なるほど、身を守ることも保障しないといけないんかい。


「そういえばレイルさん、さっき助けたって言ってましたけど……」

「あら、そうなの? 何か武術でもやってたの?」

「まぁ実家の方で古武術を。恭也とかと似たようなもんだ」


 最も、古武術つったって大したものではなく、精々型を教わった程度だ。

 ほとんどは幼馴染とのチャンバラやら何やらの成果のモノの方が大きい。

 ……まぁ……『アレ』をチャンバラと呼ぶかどうかは結構別の話なんだが。


「それはそうと第二点、君の一存で君の姉の身元まで引き受けて良いものなのか?」

「あぁ、その点に関しても大丈夫。向こうも私に任せるって言ってきたし」


 良いのか、それで?

 自分の人生に関わってくることだろうに……。


「……まぁいいか。最後、何故身元引き受けなどというものが必要なんだ?」

「そりゃ、家庭が無いから普通じゃない?」

「そういう問題ではない。君はさっき姉に頼まれて本を持ってきたと言った」

「言ったわね」

「取ってくるような場所、つまり家はあるはずだ」

「……まぁ、あるわね」

「家があるなら大体の衣食住は整ってるはずだ。保護者はともかく身元引き受けの必要ないように思えるが」


 例え家人がいなくても突然死であろうがなんだろうがそれなりに衣食はある。

 むしろそういった場合ならば身元引き受けよりも養子縁組の方が合っている。


「……さっきも言ったでしょ? 親戚とかが信用ならないって……家にも目が向いてるから……」


 何やら……厄介事以上に厄介な事情がありそうな気がしてならない。

 暫く考え、やがて結論を導き出した。


「……条件付で引き受けてもいい」

「え、本当っ!?」


 身を乗り出してまで喜びを表すレン。

 が、何処まで本当のものなのか……。


「条件その一、家に居る以上は家事を手伝ってもらう」

「その程度は任せなさい!」

「……条件その二、うちは男二人で暮らしてるがその辺りに文句言わないこと」

「二人暮らし?」


 レンとなのはがまたも揃って首を傾げる。

 桃子はいつの間にか仕事に戻っていた。……まぁ、店をほっとくわけにはいかないよな。


「幼馴染と二人で生活していてな。人格は保障するが」

「あー……ちょっと危ない気がするけど、その程度なら気にしないわよ?」

「いや、男二人という生活空間ではなくその幼馴染の方の性格に文句言わないでもらいたい」

「は?」


 私の幼馴染で親友のあの男は一言で表すなら型破りの性格だ。

 例を挙げるなら「寿司の美味さを広めにいってくる」と言ってアメリカへ勝手に渡ったり。

 「本場のピッツァを学んでくる」と言ってイタリアへ日帰りで行ったり。

 「古代が俺を呼んでるZE!」と言ってはエジプトに行く。

 ついでに言うと町内のマラソン大会とゲーセンのランキングと餃子早食い対決のトップも奴である。


「まぁ……よっぽど酷い性格さえしてないなら大丈夫……だと思う」

「さっきも言ったがそういった人格は安心してくれていい。悪い人間じゃない」


 タチは悪いが。


「で、それだけ?」

「あと一個――その入院中の姉とやらとも話をさせてくれ」

「へ?」


 レンは目を丸くした。

 ……なんだその予想もしなかったって言うような表情は。


「その子の身元も引き受けなければならないならキチンと話は通しておくべきだろう?」

「あ、あぁそういうことね。いいわよ、今から行きましょう」

「……膳は急げ、だな。そうするとしよう……なのは、勘定頼む」

「あ、はーい」


 てっとり早くスパゲッティとシュークリム二個、それと飲み物の代金を支払って店を出た。

 ……あぁ、桃子が意味ありげな笑顔で手を振っていたが軽く無視したのはどうでも良いことだ。

 病院、と言ったらこの辺りで真っ先に思い当たるのは海鳴病院であり、いつだったか私も世話になった場所だ。

 その場所へ歩いている途中、レンから声がかかった。


「ねぇ、レイル……いくつか聞いていい?」

「……答えられるものなら」

「なんで受け入れてくれたの?」


 ……引き受けてくれと言っておいてそれを尋ねるか。

 まぁ、確かに疑問には違いないだろうが。


「さぁ……大した理由は無いな。強いて言うなら君が困ってたから、か」

「困ってたから?」

「困ってる人間を助けるのに理由が必要か?」

「……無いわね、ありがと」


 ……この程度のことで感謝の言葉受けてもなぁ。


「んじゃ二つ目、なんでレイル、男の癖に自分のこと『私』って呼ぶの?」


 これはわりとよく聞かれる質問だ。

 高町一家の時もそうだったし、幼馴染の時もそうだった。

 ついでに言うとそれなりに親しかった人間全員に聞かれたことだ。


「簡単に言えば実家が女だらけだった、っていうのだろうな」

「男兄弟が多いと女の子でも自分のことを『ボク』って呼んじゃう奴みたいな?」

「そんな感じだな。父も仕事柄、一人称に私を使うことが多かったのも原因の一つだろう」


 幼い頃から自分のことを『私』と呼んでいたため、わりと女に間違えられたこともあった。

 最も、中学入ってからは流石にそんなことは無くなった。

 理由は当然、顔付きがどう見ても男のものだったから。断じて童顔にはならなかった。

 関係無いだろうがその幼馴染の方は何故か童顔だ。女性と間違えられる程ではないが。


「んじゃ最後、実はこれ会った時からずっと聞きたかったことなんだけど」

「なんだ?」

「レイルの瞳の色――白いんだね」

「――」


 予想はしていたが、答えることが出来なかった。

 いや、違うか……予想していたからこそ、答えられなかった。

 突っ込まれて困る、というものではないが出来れば聞かれたくなかった質問だった。


「……レイル?」

「ん、いや……」


 彼女の言うとおり、私の瞳の色は白い。

 何も映していない虚ろなものではなく、ただ白いだけだ。

 産まれつきのものではあるが何故そうなのか、それは分かっていない。

 ただ人と違う、それだけのものであり、同時に私と親友達を繋ぐ『絆』でもあった。

 この瞳のお陰で私は幼馴染と、親友達と出会うことが出来たといっても過言ない。

 だからこそその『絆』をあまり周りに言い触らすようなことはしたくなかった。

 口に出すと、どんなものでも小さく感じてしまうから。

 だから、私は誤魔化した。


「……白い瞳は、怖いと思うか?」

「う〜ん……ま、似合ってると思うわよ? 少なくとも違和感無いかな」


 そう言ってはにかむ少女の姿が、まぶしく思えた。

 同時に素直にはっきり言ってくれて、嬉しくも思えた。


「産まれつき、なんだ。ただ、それだけのことさ」

「ふ〜ん……白い瞳って、変わってると思うけど……レイルには似合ってるわよ」

「……そうか」


 多分、今はこれだけで良いのだろう。





 Interlude



 入院中は、とにかく暇だ。

 だから暇潰しの道具というのは、とにかく沢山あればあるほど良い。

 ベッドの脇には妹が持ってきてくれた漫画や小説が大量に入っている。

 だけどどこか抜けてるのか、全五巻のものなのに三巻と五巻が無かったりするのが難点だ。

 唯一全巻揃っている本も、もうそろそろ終わりに入ろうとしていた。

 ペラ、とページを捲る。




「ところで俺の技を見てくれ、こいつを見てどう思う?」

「すごく……強いです……」

「そんなもので我の攻撃は破れん! 『ジェノサイドブリンガアッー!』全てを喰らい尽くせ!」

「これが最後の一撃だ! ネヴュラスドライバアッー!」

「アッーーーーー!」


 ……ご愛読ありがとうございました。

 じぇーじーじぇー先生の来世にご期待ください。




 ……なんで妹はこんな漫画持ってきたのだろうか。

 最後まで読んでしまう自分も自分だろうけれど。

 取り合えず、腐の付く女性なら喜ぶのだろうけど自分はそういう人種じゃないので喜ばない。

 話の内容は面白くはあったし、暇潰しには十分なった。

 ……最後がどう考えてもおかしかった……というか、おかし過ぎだったけど。

 表紙を見る。タイトルがそこには書いてある。

 『魔法青年 KUSOMISO 祐一』と。


「……」


 最初見た時はもっとまともな題名だったはず、いつの間にタイトルが変わったのだろうか。

 ついでに作者も微妙に変わっているのにも気づいた。

 第一巻を取り出し、見比べてみる。

 ……絵は似ていたが作者と題名が明らかに違うパチ物だった。

 ついでに巻数も本家と同じく第五十四巻と一緒だった。

 ため息を吐く。

 恐らく似たようなものだから間違えて買ってしまい、そしてそのまま持ってきてしまったのだろう。

 もし、本気でこのような物を買って持ってきたのだとしたら……。


「……」


 少し妹との付き合い方を考えた方が良いかどうか悩んだ、そんな日のこと。


<コンコン>


 扉を小さく叩く音が聞こえた。

 多分、妹が頼んだ物を持ってきたのだろう。


「どうぞ」


 こちらも小さく呟いた。

 そしてそこにいたのは……。


「やっほー、調子どう?」


 長年共に暮らした最も愛しき妹と。


「……病人に調子を聞くのもどうかと思うが」


 白い瞳をした、全く知らない人だった。



 Interlude out





 病院についた以降はレンの案内によって中を彷徨っていた。

 彷徨っていた、というのはあくまで比喩であって実際迷っていたわけでないことを理解してもらいたい。

 一度は来たことあるとはいえ、既に遠い昔の話。

 すっかり内装を忘れた私にとっては彷徨うという表現がピッタリだっただけのことである。


「此処よ」


 辿り付いた部屋の扉の横には個人のネームプレートが張ってあった。

 読んでみると……。


「……また、変わった名前だな?」

「でも良い名前でしょ?」

「まぁな」


 レンがコンコン、と扉を叩く。

 それから数瞬遅れてどうぞ、と中から声が聞こえてきた。

 ガラ、と勢いよく扉を開けてレンはすぐに喋り出した。


「やっほー、調子どう?」

「……病人に調子を聞くのもどうかと思うが」


 中に居たのは、レンと同様に可愛らしい顔立ちの少女だった。

 髪もレン同様、長い黒髪だった。

 ただ、レンと違うのは彼女の場合は前髪も不自然なくらい長かった。

 入院生活が長くて切る余裕がなかったのか、それともそういうのに無頓着なだけだろうか。

 十分可愛らしく見えているが俯けば前髪で顔が隠れてホラー映画に出てきそうな感じだ。


「レン……そっちの人は?」

「ん、レイル。身元引き受けてくれるって」


 ……それだけか。

 説明になってないし、ついでにまだ完全に引き受けたとは言ってない。


「……まぁ、そういうことで初めまして、私はレイル」

「レイルさん……ですか。失礼ですがご年齢の方は……?」

「二十五だって。全っ然! 見えないよねー」

「……そういうことだ。あと、経済力に関しても心配はいらない」


 無駄な物は買わない主義ゆえに通帳の中は結構たんまりとある。

 ついでに幼馴染が3Rのリデュース、リユース、リサイクルを完璧にこなす人間ゆえ、無駄使いもまたない。

 子供二人を養う分くらいならそこから差っ引いてもまだ十分残るくらいだ。


「……本当によろしいんですか? 自分で言うのもどうかと思いますが、厄介な事ですよ?」

「安心しろ。十分厄介な事に巻き込まれてるし、今更関わるのを止める気も無い」

「巻き込まれた……?」


 先ほどの黒服達のことだが様子から察するに彼女も知らないようだった。

 その状況を一番最初から知っていたレンが軽く説明する。

 本を取りに行った帰り道に襲われたこと。

 その際に私に助けを求め、そして振り切って逃げたこと。

 翠屋での会話、そして大体納得したうえで引き受けたこと。

 全てを聞き終えた後でそうですか、と小さく呟き。


「レンを助けて頂いたこと、感謝します」


 と、頭を下げてきた。


「その件に関しても別にいいさ。関わった以上は最後まで関わらせてもらうがな」

「……分かりました。では身元引き受けの方、よろしくお願いします」

「あぁ……よろしく、お嬢さん」


 わざと分かるように言ったのだが、気づくだろうか。

 彼女は少し眉を顰めたがやがてハッと気付き、理解した。


「済みません、名乗らせておいてこちらが名乗ってませんでしたね……」

「ネームプレートを見たから既に知ってはいるが、こういうのは互いの名乗りが大切だからな」

「ですね。私はアイナ、東風原 藍那と申します……よろしく、お願いします」

「あぁ、よろしく」


 私と、春日レンと、アイナの、三人の新たな『家族』の、出来上がりだった。

 ……ここに幼馴染を入れるべきかどうか、迷うところだ。


<コンコン>


 と、扉を叩く音が聞こえた。

 アイナがどうぞ、と言うのとほぼ同時に扉が開かれた。


「おや……今日は随分と多いんだね」

「一人増えただけです、先生」


 現れたのはまだ若そうな、白衣を着た男性だった。

 アイナが先生と言ったことと、白衣を着てることから担当医か何かなのだろう。


「やぁレンちゃん。今日も来てたのかい」

「来ないはずないでしょう!」

「ハハハ、そうだね」


 屈託無く笑うその姿は、好感を持てるものだった。

 ただ、何故だろう……存在感が希薄というか、あまり印象に残らないのは。

 目をそらして五秒間別のことを考えたら忘れてしまいそうな感じだった。


「えーと、それであなたは……」

「この二人の、身元引受人になる予定の者です」

「……失礼ですが、ご年齢は?」


 ま た そ れ か 。

 一日に何回年齢聞かれれば気が済むんだ、オイ。


「二十五です」

「……お、俺より二つ上!?」


 ……この担当医、私より年下だったのか。思った以上に若いな。

 二つ下ということは……二十三か。大学卒業してそのまま此処へ、ってとこか。


「す、済みません……もっと若そうに見えたもので」

「いえ……もう慣れましたから。主に彼女らのお陰で」


 横目で二人を見る。

 上手い具合に視線をそらされた。


「シゲル先生、それより検査の方を」

「あ、あぁ、そうだったね。ゴメンゴメン」


 担当医は軽くアイナの脈拍を測り、いくつか体調について質問した。

 ある程度をカルテに書き込むとそれで終了と言わんばかりに立ち上がった。

 そしてこれとばかりこちらも疑問に思っていたことを尋ねた。


「アイナの病気、って悪いものなんですか?」

「う〜ん……いや、それが正直分からないんだ」

「分からない?」


 良いか悪いかを聞いただけで分からないの返事が来るとは思わなかった。


「大したものじゃないんだが原因が不明でね……念のための入院、ということになってるんです」

「原因不明なのに大したものじゃない……? 何か変では?」

「そう思うでしょう? ですが実際、具合は大したことないんです。ただ……」

「ただ?」

「同じような症状の子が他に一人いましてね……そちらが時々体調を崩すので」

「なるほど」


 つまり、同じ状態になるかもしれないから、ということか。

 念のための入院とはそういうことか。


「大したものじゃないんだが原因が不明でね……」

「さっきも言いましたよ、先生」

「大事な事だから二回言った!」

「あ、いや……そういわけじゃ」


 一々突っ込んでやるなよ……。


「では、俺はこれで失礼しますね。……アイナちゃん、体調悪くなったらいつでも呼んでね」

「ありがとうございます」


 若い担当医はカルテを抱え、軽くこちらに頭を下げて去って行った。

 完全に扉が閉めきり、すぐにアイナの方へと向いた。


「本当に大丈夫なのか?」

「心配要りません……なにより、原因は分かっていますので」

「何……?」


 原因を分かっている、だと?


「何故それをあの担当医に言わない?」

「言ったところで信じてもらえるとは思えないから……ですね」

「だよね。というか、信じる方がビックリよね」

「どういう意味だ。レンもハヅキの症状の原因を知っている、ということか?」


 二人を見る。

 何か隠している、とは思っていたがこんなことまで隠しているとは思わなかった。

 ふと、アイナが真剣な目でこちらを見据えてくる。


「……レイルさん」

「なんだ?」

「貴方は、『魔法』の存在を信じますか?」


 ……『魔法』、それは魔の法則。

 あらゆる物語に登場し、常識では感がえらぬものを行っていくもの。

 自然界の法則を無視した、新たなる別の法則。

 一般的に考えるなら火の玉を出したり、雷や風を自在に操ったり。

 あるいは空を飛んだり、見えない壁を作り出したりと様々だ。

 それを信じるか、否かときた。


「随分と突発的な話だな」

「お答えください、信じますか? 信じませんか?」


 それ以外の言葉は聴きたくない、といったようだった。

 ふむ……そうだな、私の答えとしてはこんなものだろう。


「興味の対象外だな」

「……え?」

「は?」


 説明しておくと、「え?」がアイナで「は?」がレンだ。


「在ろうが無かろうが関係ない。在れば在るで人生の選択肢が増えるだけだ。その程度のことに興味無いな」

「……それは」

「随分と面白いというか、レイルらしいというか」


 どういう意味だ。


「いずれにせよ、『在ったら面白そう』『無ければ関係ない』その程度の認識のものでしかないな」

「……正直な答え、感謝します。その誠意に応えお話しましょう。レン、頼んだの物はある?」

「ハイ、これでしょ」


 そう言ってレンがポーチから取り出したのは先ほどの鎖で縛られた本。

 到底読めたものではないその本が、鍵を握っているとでも言うのだろうか。


「この本は『光の書』と呼ばれているもの……分かりやすく言えば、魔導書です」

「え……それそんな物だったの!?」


 レンが大声を上げるが、何をいまさらといった感じだ。

 どう見たって普通の本じゃないだろうに。


「『光の書』……と、いうことは対となる『闇の書』でもあるのか?」

「正解です。この書は闇の書と呼応して目覚める本、その能力は闇の書の『抑制』」

「まず、闇の書とやらが何なのか説明してくれ。でないと抑制とか言われても訳が分からん」

「そうですね、お答えしましょう」


 ここから先は長ったらしいのでアイナの言葉をなるべく簡単にまとめてみた。つまるところ、以下の通りだ。

 闇の書は使用者の命をも食らう危険な書のこと。

 書は魔導師(いわゆる魔法使い)の核、リンカーコアを喰らいそのページ数を増やす。

 全666ページが埋まった時、書は真なる力を発揮する。

 光の書――正式名称『輝天の魔導書』はそれの反存在というべきものであり、対に生きる書。

 闇の書がページ数を増やせば光の書も増え、光の書がページ数を増やせば闇の書もまた増える。

 闇の書は『侵食』を侵し、使用者の命を徐々に喰らっていくという。

 それに対し、光の書は侵食を抑制・修復するためのものらしい。

 つまり、アイナの病気は闇の書の主が受けている侵食を肩代わりしている形になる。

 しかしあくまで現状は『抑制』のみで『修復』が効かず、徐々に主の命を奪いつつある。

 ただ、正確に言えば光の書に修復の機能はちゃんと付いているらしい。

 しかし機能を施行するには書が完全に埋まって管理人格を呼び起こさなければならない。

 だが光の書が埋まる、というのは同時に闇の書の覚醒を意味しており、事実上不可能なわけだ。

 何故なら闇の書が覚醒したら光の書が修復する前に主を喰らい付くすか破壊されて転生するからだ。

 闇の書が主を喰らった場合、その時は光の書もまた主を喰らう。

 つまり一瞬の遅れで即、死を迎えるわけだ。

 これが此処にある、ということがその難易度の高さを証明しているとも言える。

 闇の書は転生し、新たな所持者を選ぶ。それは光の……輝天の魔導書も同様で。


「で、不幸にも君がその書に新たに選ばれた、というわけか……」

「そういうことですね」


 ……なんていうか、突拍子過ぎかつリアル過ぎて逆に疑う気が無くなる。

 ここまでの話が全部作り話なら、今すぐにでも本に書いて売り込んだ方がいい。

 間違いなくベストセラーなり何なりにでもなることだろう。


「その話を取り合えず信じるとして……君は私に何を望むんだ?」

「最初は書の主になり、私が侵食を止めている間に覚醒と修復を、と思ったのですが……」


 サラリととんでもないことを言ってみせる。

 言い忘れたが魔導書そのものさえあれば肩代わりする人間は主じゃなくても出来るらしい。

 ただし、失敗した際に死ぬ人間がもう一人増える、ということでもあるわけだが。


「問題でもあるのか?」

「主になるということは、魔導師になるということです。ですが、貴方にはリンカーコアが存在しない」

「つまり、魔法使いになる素質が無いんだってさ」


 分かりやすい回答、ありがとう。ようするにそういうことらしい。

 魔導書の主になりたくても必要不可欠なものが不足している以上、不可能らしい。


「ならどうする? 協力してやりたいのは山々だが無い物を得よと言われても困るぞ」

「そもそもリンカーコアは先天的なものですから……後から手に入れるというのは無理ですね」


 まぁ、素質ってそういうもんだろうね。

 案外型破りな幼馴染ならそういうの持ってそうだが。

 いや、例え持って無くても手に入れそうだ。


「なら、どうする」

「……レンにはリンカーコアがあります。あまりやりたくいないのですが……」

「他に方法が無いなら仕方ないじゃない。それにお姉ちゃんとレイルが命賭けてるんだから私だって賭けたって問題ないわよ」


 いや、大有りだろう。


「……一つ聞きます。レイルさん、貴方は腕は確かですか?」


 いきなり随分と物騒な質問に変わったな。


「それが武術の腕を聞いてるなら、一応。そこらのゴロツキに負けない程度にはな」

「魔導師を相手に、勝つ自信はおありですか?」


 さて、応えに困る質問だな。

 対峙した事のない相手に勝てるかどうかと聞かれて安易に勝てると言うのは愚の骨頂。

 かといってアイナは勝てないなどという返事を求めていないだろう。


「一応答えるとこうなるな。『時と場合による』」

「そうですか……」


 いくらなんでも空を飛ばれちゃこちらが不利だろうし、超遠距離から狙撃されたら一溜まりも無い。

 接近戦ならいくらでも勝つ要素はあるし、中距離でも弓が届く程度の距離ならなんとかなる。

 遠距離……まぁ、銃でも用意出来ればなんとかなるかもしれない。

 ……あの常識外れの幼馴染とかに頼めば普通に用意してきそうで怖い。


「万全の装備をして、かつこちらも十分戦える場所なら負ける要素は無い、と?」

「まぁそうだろうが……装備はともかく、場所はやはり時の問題だろう」


 ある程度の武器は多分、奴の押入れを漁れば大体出てくるだろう。

 ……時々、幼馴染で親友のあの男を恐ろしく感じる時があるんだが。

 まぁ……最悪斬られるの覚悟で恭也のをかっぱらって来ればいいか。


「光の――輝天の魔導書にはある程度の補助魔法も入ってます。だから……」

「レンと協力して行動しろ……と、いうことか?」

「何? 嫌なの?」

「嫌ではないが、気が進まないな」


 こんな幼い少女を戦場に出すというのに気が進む者など居てたまるか。

 ……あぁ、あの破天乱な親友ならば喜んで差し出すかもしれないが。


「そうですね……レンもまだ、魔導師としては未熟ですしね」

「う……」

「……当面は互いに慣れることから始まりそうだな、色々と」


 ハァ、と三人揃ってため息を吐く。

 前途多難過ぎる。


<コンコン>


 またも扉が叩く音が聞こえ、そして返事を待たぬまま扉が開かれる。

 現れたのは先ほどの担当医だった。


「おや……まだ居たのですか?」

「ん……もうこんな時間か」


 気がつけば日が傾き始めてた。

 面会終了時間、というわけではないだろうがそろそろお暇しておくべきか。


「取り合えず協力しよう。暫くこちらで動いてみる」

「お願いします……レン」

「何?」

「この本を……絶対に、手放さないでね」


 輝天の魔導書をレンの手にしっかりと握らせる。

 レンは持ってきたポーチに再度しまい、しっかりと頷いた。

 親指を突き立てて言い放った。


「まっかせといて!」

「……なんか急に不安になってきたわ」

「奇遇だな、私もだ」

「どういう意味よ!?」


 こういう性格の子が自信満々だからこそ不安だという、典型的なパターン。

 このような場合、当社比70%の確立でうっかりでミスするというのが多い。

 って、あの万年頭が春な幼馴染が言っていた。


「アイナ、これが私の……というか、君達の住む場所の住所と電話番号だ」

「はい……何かありましたら連絡します」


 住所等をメモした紙をアイナに渡す。

 ついでに丁度良かったので担当医の方にも渡しておいた。


「容態に大きな変化とかあったら、家では無く携帯の方に連絡お願いします。大抵出てることが多いので」

「分かりました……お気をつけて」

「気をつけて」

「お気をつけて」

「……先生、また二回言ってますよ?」

「大事な事だからね」


 そんな会話をするアイナと担当医に見守られながら病室を出た。

 病院内を歩いているの間、しきりにレンが話しかけてくるのに適当に相槌を返し外への扉を目指した。


「……てちゃん、だい……かしら」

「もん……まい。しゅう……していれば」


 目の前から反対方向へ向かうピンクの髪と金髪の女性がやってくる。

 邪魔にならないようにとレンを横に退け、軽く頭を下げて通り抜け――


「っ!」

「っ!?」


 振り向いた。

 すれ違ったピンク色の髪の女性も振り向いていた。


「どうしたの? レイル」

「どうかしたの? シグナム?」


 こちらはレンが、あちらは金髪の女性がそれぞれの相方へと問いかける。

 だが、そんなものは気にならなかった。


「君は……」

「お前は……」


 二人同時に呟く。

 そして恐らく同じ事を思っていただろう。

 ――奴は……強い、と。

 自然と顔に笑みが浮かぶ。

 微笑などではなく、不敵な薄笑いではあっただろうが。

 強者を前にした力を持つ者のサガ、それが不敵にさせる要因だ。

 だが、それは向こうも同じことだった。

 あちらも笑っていた。

 ただ、不敵に、大胆に。


「いずれまた」

「合間見えよう」


 踵を返す。

 振り向くことなく歩き始める。

 恐らく、向こうも同じことをしているだろう。

 今日は本当に、出会いの多い日だ。










 ――今日という日は 特別だった


「本当にどうしたの、シグナム?」

「気にするな……あの男、面白そうだ」


 ――今日という日は 約束だった


「調子は……大丈夫そうだね。うん、大丈夫そうだ」

「ありがとうございます……また二回言ってますよ」


 ――特別な世界に 祝福を


「なのは〜、ご飯よ〜」

「はーい」


 ――約束の世界に 祝福を


「退屈じゃない? フェイト」

「ううん、平気だよ」


 ――今日の私から 明日の君へ


「ねぇ、レイルの家ってどんな感じなの?」

「普通の家さ」


 ――約束の安らぎを送る











「見える道 見えぬ未知 やがて辿り着きたる願望は 遥かなる約束の地」


 『神』は呟く


「忘れられし都 忘れられし者 忘れられし時 忘れられし……世界」


 ただ、厳かに


「遥かなる水面 空の彼方 待ち受けるは 君の目覚め」


 ただ、孤独に


「……さぁ、新たな物語の幕開けだ」


 夜明けの光と夕暮れの闇が、照らしていた









――もし貴方がその存在を信じるならば きっとこれはその世界で起きた物語――



Birth by Days
今日の君から明日の彼へ













 あとがき

初めまして、Nです。
ある意味嘘です、書くのに無駄に時間をかける七夜(ななや)と申します。

まず初めに二つ謝罪を。
このように無駄に長い作品になってしまったこと、リリカルなのはの二次創作を称しておいて原作キャラの出番が少ないこと。
以上のことを謝罪させていただきます。申し訳ありません。
長くなってしまったのはもう書いてたらなったとしか言いようがないのでアレですが……。
原作キャラ空気化は完全にこちらの都合と技量の問題ですorz
ただ、これからの話を書く上でちょっと避けられない部分だったので直しようがないのも事実です。
二話目以降は基本的に原作に沿って、原作キャラを基盤に書くことができると思います。
また、オリキャラが結構多く出てますが基本覚えていただくのはレイルとレンの二人で構わないので;
後はこの場面として必要だから出したのであって実質は空気化する可能性大です。
せいぜいオマケとしてレイルの幼馴染の存在を覚えてくれれば嬉しい程度です。

さて、主人公が青年と中年の間という結構異端なこの作品。
コンセプトとしては愛情よりも友情を、恋人よりも家族を、といった感じです。
二十五歳という年齢も実は理由があったりするんですが結構関係ないので自粛です。
ただ、十代に設定しなかったのはそれだと恋愛方面の話が強くなっちゃうからです。
二十代だと手を出せばロリコン・ペドフィリアのラッテルが張られるから必然的にその方向へはいかないわけでしてw
主人公がそんな年代なのはそういうわけです。
最近ご投稿なされたRAK氏とは逆のパターンですね、ただ反対にしたわけじゃないですが;

さて、結構長くなってしまったのでこの辺りで。
では最後に……

この作品はご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

執筆:七夜
タイトル:神月白夜(七夜知人、通称相棒)
サブタイトル:兄貴二人 義姉
各種専門知識:七夜父 七夜母(身元引受人の定義や各種用語など)
ネタ提供:JGJ氏(魔法青年KUSOMISO〜)
場面提供:シルフ氏(プロローグ・フェイト遭遇場面)
人生経験談:十七式氏(もう本当に色々と……)
サブキャラ:シゲル氏(どうみても担当医)

上記の方々、本当に感謝です。